白鵬の相撲協会退職、親交深い鈴木おさむ氏「心が折れたのは本当」 協会にも「采配する方が気遣えよ」
元放送作家の鈴木おさむ氏が14日、関西テレビ『ドっとコネクト』(土曜午前11時20分)に出演。親交の深い元横綱である白鵬翔氏の相撲協会退職についてコメントした。

白鵬氏からは弟子の面倒を見てとお願いされていた
元放送作家の鈴木おさむ氏が14日、関西テレビ『ドっとコネクト』(土曜午前11時20分)に出演。親交の深い元横綱である白鵬翔氏の相撲協会退職についてコメントした。
9日の白鵬氏の会見映像の後、鈴木氏は「やります? きょう、これ」と消極的コメント。笑いが起きる中、MCの石井亮次アナウンサーは「きょうの大一番」と返した。昨年2月、弟子の暴力問題を受けて白鵬氏は監督責任を問われ、宮城野部屋は閉鎖となり、自身も2階級降格、3か月、20%の減給処分が課され、弟子は全員、伊勢ケ浜部屋に転籍となったことが紹介された。白鵬氏が退職理由について「(伊勢ケ浜部屋)預かりになって4月1日付けで丸1年たった。宮城野部屋の再開がいつと明言されず、延ばす形になったのが大きい」としたと伝えた。
鈴木氏は「3月の大阪場所が終わってから、白鵬さんと仲のいい人から電話かかって来て。『結構、気持ちがもうそう(退職に)なってる』って。僕は3月末かな、電話したんですけど。その時には結構、気持ちが強くて。非常に残念な思いと、寂しい思い」と告白。
白鵬氏からは弟子の面倒を見てとお願いをされ、実際に飲みに連れて行ったりもしていたことを明かし、「いい奴らなんですよ、すごい。彼らはいつか戻れると思って一緒にいるわけじゃないですか。白鵬の弟子なんだから。白鵬さんがスカウトして。僕はスカウトするところから見てる。親がいなくなっちゃうわけですから、それで残る弟子の気持ちも思ったし、そう決断しなきゃいけなくなるまで追い込まれた白鵬と、その状況を作った相撲協会も含めて。そこが非常にかわいそう」と思いを吐露した。「過去歴代、千代の富士は(協会に)いたけど理事長になれなかったし、貴乃花もやめた。大スター横綱が……という感じだなと思っちゃいます」とも話した。
石井アナが「『追い込まれる原因は白鵬さんにあんのちゃうか?』という話もある」と指摘すると、鈴木氏は「確かに現役時代にスタンドプレーというか、いろんな行為が注意されたじゃないですか。ただ、彼は本当に相撲が好きで、愛してるっていうのもあったんですけど、勝ちにこだわる。そこが横綱の品格と言う問題でたたかれた部分があります。協会からすると、横綱時代は言いたくても言えなかったところもあると思います。でも、相撲のすごいなと思うところは、やめて親方になると元十両からなった人でも、横綱からなった人でもみんなフラットになる。選挙の時も同じ1票だし、そこが嫉妬してる人もいるだろうし、現役時代に良かれと思ってやってたけど、困った人もいっぱいいるわけですよ。そういう思いがブーメランのように返って来ることもあるのかなと正直思う」と話した。
後進の育成への思いは本物とした。12年来の付き合いと言う鈴木氏は「(知り合った当初)国技館は半分も埋まってなかった。そのとき(白鵬氏は)『おさむさん、オレ相撲を盛り上げるために何でもやるから』って大食い番組に出てくれたりとか」とエピソードを披露。「白鵬杯」についてもプロデューサーを務めていたという鈴木氏は、年1回の大会で全国から来る子供たちの交通費と宿泊費は無料の上、両国国技館で相撲がとれると説明。5対5の団体戦も盛り上がって「相撲の新たな可能性を見せてくれていた」と白鵬氏の貢献に言及。鈴木氏は賞状も読み上げたが、入賞者はほとんど角界に入っていると明かした。
協会残留なら、後輩の元横綱・照ノ富士である新伊勢ケ浜親方が自身の上の立場になることも一因とウワサされた。本人たちは悪い関係を否定も、鈴木氏は「普通で考えたら、采配する方が気遣えよ」とピシャリ。「弟子は伊勢ケ浜に残る。荒波立てないで出るしかない。そう言うしかない」と白鵬氏の心情を思いやった。部屋の再開時期が見えなかったことを理由に挙げたことについて、鈴木氏は「心が折れたのは本当だと思います」とし、「自分の相撲への愛を消したくないから、結果こうなっちゃったのかなと思うんですけど」と見解を示した。
