任天堂「スーファミ」分解で見えた企業精神 「組み立てる方への配慮がすごい」とネット感嘆
新型家庭用ゲーム機「Nintendo Switch 2(ニンテンドースイッチ2)」が今月5日に発売され、抽選販売の結果や転売問題など、多方面で大きな話題を呼んでいる。そんななか、今から35年前に発売された任天堂のゲーム用コントローラーが、「優しい設計」「組み立てる方への配慮がすごい」とネット上で注目を集めている。旧作ゲーム機「スーパーファミコン」のコントローラーの分解写真を投稿した、投稿者のfamichu(@famichu)さんに詳しい話を聞いた。

今から35年前、初代家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」の後継機として発売
新型家庭用ゲーム機「Nintendo Switch 2(ニンテンドースイッチ2)」が今月5日に発売され、抽選販売の結果や転売問題など、多方面で大きな話題を呼んでいる。そんななか、今から35年前に発売された任天堂のゲーム用コントローラーが、「優しい設計」「組み立てる方への配慮がすごい」とネット上で注目を集めている。旧作ゲーム機「スーパーファミコン」のコントローラーの分解写真を投稿した、投稿者のfamichu(@famichu)さんに詳しい話を聞いた。
「任天堂の金型、組み立て担当者に優しいなぁ。US版と共通なのがこれだけで見て取れるのも面白い。現代の成型品と比べると、裏面の切削痕が荒いのも特徴的」
今月9日、SNS上に投稿された写真には、スーパーファミコンのコントローラーを分解し、操作盤を裏側から撮影した様子が収められている。赤、青、黄、緑の4色のボタンを配置する部分には「RED」「BLUE」「YELLOW」「GREEN」と場所を間違えないよう表記がなされており、さらにボタンについた“ツメ”の位置がそれぞれ微妙に異なることから、つけ間違いが起こらないような仕様となっている。
初代家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」の後継機としてスーパーファミコンが発売されたのは、今から35年前の1990年。その時代から変わらない、任天堂のモノづくりに対する姿勢が垣間見える写真には、「分解してわかる企業のサービス精神や職人魂」「最悪停電しても3点の出っ張りの組み合わせと直線180度の共通の部分で位置と向きが分かるという」「どう転んでも『間違えようのない仕様』なんですよね」「ゲームキューブ分解したけど『優しい設計』って大事やなって思った」「スーファミのコントローラー修理とか当時小学生だったワイも請負でやってたけど プラスドライバー1本あれば何も難しいことはなかった」など、感嘆の声が相次いでいる。
20代後半で、工作やガジェットが趣味という投稿者。今回、リサイクルショップで購入したスーパーファミコンのコントローラーを清掃する際、たまたま気づいたことを投稿したという。
「工作やモノの修理が好きで、今回のようなゲーム機も度々分解しているのですが、組み立てる際にどの部品がどこに収まるのか分かりづらいことも珍しくありません。その点、スーパーファミコンのコントローラーは、何色のボタンはここという指示が入っていたり、間違った方向では取り付けられないようになっていて、30年以上前に発売された製品にも関わらず組み立てる方への配慮がすごいなあと思いました」
一方、コントローラー内部の切削痕(樹脂部品を成形するために使用する金型の表面の粗さ)は近年の製品と比較すると粗さが目立ったといい、「恐らく、加工にかかる時間やコストを削減していたんだと思います。英語によるボタン色の指定から、コスト削減のために海外版の製品でも共通の金型が使用されていたことも読み取れました。必要なところへの気配りと、必ずしも必要ではない部分のコストカットから、任天堂の工夫が感じられて興味深く感じました」と投稿者。
一連の反響については、「おおむね同じように分解経験のある方のリアクションが多い印象でした。近年の製品はおもちゃやゲーム機でも小型で精密で、高密度化が進んでいるので、ここまで丁寧な刻印もあまり見られません。高性能なことは魅力的ですが、子どもたちが気軽に分解を行いにくくなっていて、少しさみしさも感じています」と話している。
