『VIVANT』別人格“F”誕生きっかけは『半沢直樹』土下座シーン 福澤克雄監督「この人はおかしい」

2023年7月期TBS系連続ドラマ『VIVANT』の続編が、26年に同じ日曜劇場の枠(日曜午後9時)で放送されることになり、11日、主演の堺雅人と前作と同様に監督を務める福澤克雄氏が、東京・赤坂のTBSで取材に応じた。続編も海外ロケが予定され、同局では「世界を駆け巡ります」としている。

取材に応じた堺雅人【写真:増田美咲】
取材に応じた堺雅人【写真:増田美咲】

続編発表直後に取材に応じる

 2023年7月期TBS系連続ドラマ『VIVANT』の続編が、26年に同じ日曜劇場の枠(日曜午後9時)で放送されることになり、11日、主演の堺雅人と前作と同様に監督を務める福澤克雄氏が、東京・赤坂のTBSで取材に応じた。続編も海外ロケが予定され、同局では「世界を駆け巡ります」としている。

 堺は、生放送の同局系『THE TIME,』(月~金曜午前5時20分)で「『VIVANT』続編決定」を発表した後に姿を見せた。バックには「日曜劇場 VIVANT」の幕。右隣には前作同様に原作・演出を担当する福澤氏が座り、2人が時折、顔を見合わせながら言葉を並べた。

 事前に配られた資料では、原作も手掛けた福澤氏が「元々考えていた物語の3分の1くらいで終わっていた」「前作には今作につながるシーンがたくさんありますので、『前作の続き』という感覚で、来年の放送を期待していただければうれしいです」と記されていた。それだけに2人は「続編」の決定を素直に喜んだ。

 主人公・乃木憂助を演じる堺は、続編の内容について「台本は神話レベル。聖書を読むような気持ちで読みましたし、自分の全てを懸けていいと言える作品です」と言った。一方で、「こんなにしゃべるのか。え~、意味が分からない。解剖しても解剖しても、生きた神経がまだあるという感じです。それだけ複雑ですごい台本です」とも言った。

 福澤氏は、自身が演出で堺が主演したTBS系連続ドラマ『半沢直樹』を振り返り、堺のすごさを明かした。

「最終回、大和田常務を土下座させるシーンの台本は30ページぐらいでしたが、1回も間違えないんですよ。10テイクやっても。もう、『この人はおかしい。役者になるために生まれて来た人だ』と思いました。だから、(『VIVANT』で乃木の別人格)Fも入れたんですよ」

 『VIVANT』は、『半沢直樹』などで演出を務めた同局の福澤氏が原作・演出を担当したオリジナルドラマ。堺が主人公・乃木憂助を演じ、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、二宮和也、役所広司、河内大和ら豪華キャストがそろい、モンゴルの首都・ウランバートルやチンギスハーン国際空港、ゴビ砂漠などで2か月半に及ぶ長期海外ロケを敢行。予測不能なストーリーで、視聴者はネット上で各所に散りばめされた伏線を読み解く「空前の考察合戦」を繰り広げた。最終回の世帯平均視聴率は19.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。1話から10話までのタイムシフトを含むテレビ放送の総視聴人数は6000万人を超え、数々のドラマ賞を受賞するなど大きな話題となった。

<『VIVANT』前作のあらすじ>

 丸菱商事に勤める乃木憂助(堺)は、誤送金された130億円を取り戻すべく、送金先であるバルカ共和国へ向かった。バルカで爆発事件に巻き込まれた乃木は、爆破犯に間違えられ、バルカ警察に追われるようになった。現地で出会った公安警察の野崎守(阿部)と医師の柚木薫(二階堂)とともに、乃木はバルカを脱出するために奔走する。

 しかし、それは偶然ではなかった。乃木の本当の顔は自衛隊直轄の非公認組織「別班」の諜報員であり、国際的テロ組織のテントを追うためにバルカに潜入していたのだ。別班の仲間と合流し、テントのリーダーにつながる情報を集めていく乃木だったが、そこで自身の残酷な運命と対峙することになる。テントのリーダーであるノゴーン・ベキ(役所)は、生き別れた実の父親だった。

 そんな運命に立ち向かい、日本で自らベキを射殺。「これで全てが落着した」と思わせたが、乃木の前に「別班の緊急招集」を意味する「赤いまんじゅう」が再び置かれ、前作は幕を閉じていた。

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