真面目な性格もテストはいつも赤点…元乃木坂46阪口珠美の意外な素顔「私は不器用」
元乃木坂46でタレントの阪口珠美が新たな自分の可能性を見つけようとしている。グループ卒業から約1年。卒業して気付いた“本当の自分らしさ”。挑戦を続ける23歳の今の思いを聞いた。

アイドル卒業で発見した「本当の自分らしさ」
元乃木坂46でタレントの阪口珠美が新たな自分の可能性を見つけようとしている。グループ卒業から約1年。卒業して気付いた“本当の自分らしさ”。挑戦を続ける23歳の今の思いを聞いた。(取材・文=中村彰洋)
――「私はやりきった」とグループを卒業されましたが、当時はその後のことについてどのように考えられていたのでしょうか。
「他にやりたいことがあるというよりも、乃木坂46の活動を最後までかみしめて、それだけに集中したかったので、先のことは何も考えずに卒業しました。でも、卒業後は少し焦りもありました」
――卒業後は『ぐるり東京 江戸散歩』(TOKYO MX)への出演やSNS更新などは行っていましたが、それ以外の活動はほぼなかった印象です。
「卒業してすぐの頃は、旅行に行ったり、母との時間を作ったり、心穏やかに過ごしていたと思います。でもだんだんとファンの方からの『いなくなっちゃうの?』といった声が聞こえたりして、『忘れられちゃう』と不安になったりもしました。でも、その時に先輩たちから『同じように不安だったから焦らなくて平気だよ』と言ってもらえて、自分のペースで進むことができました」
――新たな事務所への所属も決められたということは、やりたいことが生まれてきたのでしょうか。
「そうですね。今までは“グループらしさ”や“グループに合う人間”でいようと心がけて、お仕事をしてきました。もちろんそれが好きだったので、苦ではなかったです。でも、卒業して1人になって、より“自分らしさ”を出した仕事がしたいなと思うようになりました。自分の好きな腸活のことなど、やりたいことをバーっと箇条書きにしたこともありました」
――阪口さんに演技のイメージがあまりなかったのですが、7月3日から上演される『少年のアビス』では朗読劇にも初挑戦されますね。
「私もイメージがなかったです(笑)。私は不器用でいろんなことを同時に進めることができなかったので、グループにいた時はグループのことに集中していました。なので、あまりチャレンジをすることができませんでした。でもこれからは、いろんなことに挑戦していきたいので、演技のお仕事ももっとやっていきたいです。ファンの方は何をお知らせしても喜んでくださるので、もっと私の新しい一面をお見せしたいです」
――先ほどおっしゃられていた“自分らしさ”とはどういった部分だと考えていますか。
「真面目なところだと思います。乃木坂46の時にスタッフさんから『珠美の人柄は僕たちの誇りだ』と言ってもらえたことがあって、その言葉がすごくうれしかったので胸に刻んでいます。なので、人柄はいいはずです(笑)。感謝の気持ちを忘れずに謙虚に生きていきたいです」
――お手本にしている人はいらっしゃいますか。
「乃木坂46の先輩方のお仕事の様子は参考にしています。後はアンミカさんの心意気や生き方も参考にしています。私は根はポジティブだと思いますが、この世界に入ってからいろんなことを考えてしまうようになったので、その時にアンミカさんの言葉に力をもらっています」

体調不良で始めた腸活、激変した生活「すべて腸で変わるんです!」
――卒業されてからは「美腸プランナー」の資格も取得されましたね。
「資格を取ろうとは思ってはいなかったのですが、以前から腸活の勉強はずっとしていました。『いずれお店を開くためにはどうればいいんだろう?』と調べたら資格を見つけたので、『取ってみようかな』と挑戦しました」
――お店を開くことも考えられているのですね!
「老後になると思います(笑)。ゆったり生活できるようになったら、いつかやってみたいなと思っています」
――腸活は数年前の体調不良をきっかけに始められたとうかがいました。
「4年前の19歳の時に始めました。当時、寝られない、緊張してお腹が痛くなる、ネガティブなことを考えてしまうといったことがありました。食生活で腸活を意識するようにして、寝る前に携帯を見ない、お水を1杯飲むといったことから始めました。腸が良くなるのはもちろんですが、不安な気持ちなどが解消されて、メンタルにも良い影響がありました。あまり信じてもらえないかもしれませんが、『すべて腸で変わるんです!』ということを伝えていきたいです」
――4年前から現在まで継続的に続けられているのですね。
「そうですね。今は日常になっています。朝に白湯を飲む。時計回りに腸をマッサージする。3食食べる。毎日のルーティンがあるので、それを終わらせないと寝られないです(笑)」
――散歩が好きなことも、何か腸活と関連があるのでしょうか。
「言われてみれば影響されていると思います。日光を浴びることも腸には良いので、意識しているうちにお散歩も好きになっていました」
――朝活を精力的にされているイメージもあります。
「昔から早起きが得意で健康的だったと思いますが、今はより追求するようになりました。基本的に朝8時までには起きて、夜は12時前に寝るようにしています。憧れの樋口日奈さんが朝に白湯を飲んでいたり、朝に得意なイメージがあったんです。『憧れのあの人みたいになるには!』という気持ちも大きかったです。『きれいな人はきっと朝を充実させてるんだな』って(笑)」
――今後はそういった経験をどのように生かしていきたいですか。
「まずはファンの皆さんに腸活を広めたいです。いつか朝に腸活講座みたいな会を開いてみたいですね。『もっとこういう商品があれば良いのに』と思うこともあるので、ヨーグルトなどの商品とのコラボもしてみたいです」

現在も同期とは連絡を取り合い、後輩の活躍も見届ける「改めてすごいグループ」
――卒業から約1年。この期間を振り返ってみていかがですか。
「『あ、1人なんだ』とふと思う瞬間があります。楽屋にメンバーがいなかったり、1人を実感して寂しくなることもあります。今までは守られてきた分、これからは自分で自分を守りながら進んでいかなきゃなと思います」
――メンバーと連絡を取ったり、乃木坂46の活動を意識することはありますか。
「はい! 3期はみんな仲がいいので連絡を取り合っています。小川彩ちゃんが出演している『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系)も見ましたし、ライブに行って6期生の活躍もしっかりと見ています。本当に改めて『すごいグループだぜ!』って思っています(笑)」
――22歳でグループを卒業されましたが、年齢で考えるとかなり早いタイミングだったかと思いますが、もっと長く活動しようとは思われなかったのでしょうか。
「……そうみたいですね(笑)。先輩が全員いなくなったことが私の中では大きかったです。『今が大好きな乃木坂46を卒業する時期だ!』と思ったので、そこに迷いはなかったです」
――ファンクラブ設立、ファンミーティング開催など、ファンの方との距離感もこれまでとは変わってきましたね。
「今まではいろんなメンバーのファンの方がいたので、“私のファンだけ”ということがありませんでした。私のファンの方だけが集まると、こんなにも温かい空気になるんだと新しい発見でした。本当に応援してくださるファンの方々に感謝です」
――グループを卒業されてから、阪口さんご自身に変化はありましたか。
「友人から『卒業してから、すごく顔が明るくなった』と言われます(笑)。これまでは“乃木坂らしさ”を意識して、大事にしてきました。もちろん“乃木坂らしさ”が好きだったので、それを苦に感じることはありませんでした。今はそういった意味では“本当の自分らしさ”を出せるようになったのかなと思います」
――ご自身で意識的に変化させたわけではないのですね。
「そうですね。自分では髪や爪が伸びるのが早くなったなって……。ストレスがなくなったらそうなるらしいです(笑)。後はぐっすり寝られるようになったかなと思います。今までもそんなに苦しさを感じていたわけではないのですが、体が物語っていますね(笑)。プレッシャーから解放されたのかもしれないです」
――23年には「右耳低音障害型難聴」を患ったことも公表されていましたが、現在はいかがですか。
「今はほぼ治ったと思います。自律神経の乱れやストレスが影響していたものなので、腸活の効果が影響しているのかもしれません」
――阪口さんは、とても自分にストイックな印象を受けます。
「うーん、どうなんですかね。でも休みの日もメイクして、お出かけするようにはしています。毎日ストレッチをしないと気が済みません(笑)」
――自分にタスクを課したほうがやりやすいのでしょうか。
「そうですね。これまでも楽な道と険しい道があったら、険しい道を選ぶようにしてきました。結局それで挫折したり、落ち込んでしまうこともありますが、険しい道を選び続けています。小さい時からバレエですごく鍛えられてきたと思います。『大変なことが当たり前』と考えるようにしています」
――昔からその姿勢は変わらないのでしょうか。
「昔から母に『あなたは度胸があるわよ』と言われて育ってきました(笑)。今も変わらずだと思います」
――お話しているとしっかりされている印象も受けました。
「全然しっかりしてないですよ! 本当にしっかりすることができなくて、いつも梅澤(美波)の後ろに隠れたり、しっかりしている人の近くで、しっかりしているように見せていました(笑)」

今後はいろんなことへ挑戦を続ける「何をやっても褒めてください(笑)」
――中学3年生から芸能活動をやってきたかと思いますが、ご自身で成長を感じる部分はありますか。
「どこが変わったんですかね……。でも素を出せるようにはなってきたなと思います。今までは人見知りも激しくて、同期にさえも心を開くまでに時間がかかっていました。それが後輩ができたりした影響で、誰にでも自分を出せるようになっていったかなと思います。まだまだバラエティーなどでは積極的には出せていないので、伸びしろに期待です(笑)」
――資格を取得されたりもしていますが、勉強することがお好きなのでしょうか。
「嫌いです(笑)。小中学生の三者面談で、母が『この子はいつも勉強しているし、期限もちゃんと守る。テスト勉強もちゃんとやっているのに、なんでテストの点がいつも10点とかなんですかね』って先生に相談していました(笑)。先生から見た私も、ちゃんと真面目に授業を受けているし、宿題もちゃんとやっているんです。でもテストはいつも赤点でした」
――自分ではなぜそうなっていたと思いますか。
『分からないです。感覚派なので(笑)。昔からそうだったので、『私は勉強に向いていないんだな』と思って生きてきました。中学生の時はおとなしくて頭良さそうに思われることも多かったので、テストの点が悪くて『あぁ……』っていつも恥ずかしがっていました(笑)」
――今後の活動のバランスを考えることはありますか。
「演技やバラエティーといろんなことにチャレンジして、自分が『これだ』と思うものを見つけれたらなと思っています。今は目標が定まっていないのですが、それを急いで定める必要もないかなと思っています。ゆっくり好きなことややりたいことに挑戦して、決めていければなと思っています」
――今後の選択肢の中にまたステージに立つということもあるのでしょうか。
「アイドルはもうやらないと決めています。でも、歌やダンスで表現することが大好きで、小さい頃からそれが習慣でしたし、待ってくださるファンの方もいてくださるので、機会があれば歌ったり踊ったりもしたいです」
――30歳や10年後にどうなっていたいなどを考えることはありますか。
「どうなっているんでしょうね。今までも深く考えることはしないようにしてきました。自分の努力と人とのご縁でいろんなことが進んでいったなと思っているので、これからも努力はしながらも、流れのままに進んでいければと思っています」
――まだ23歳。選択肢を探す段階ですね。
「そうですね。15歳でこの世界に入って、何も分からないまま、ここまできてしまったので、今はゼロからいろんなことを学ぶ気持ちで頑張っています」
――最後にファンの方にメッセージをお願いします。
「今まで見せてこなかった私の新しい一面をお見せしたいですし、私自身も自分の新しい一面を見たいと思っています。いろんなことに挑戦しますが、何をやっても褒めてください(笑)。これからも見守りながら、応援していただけるとうれしいです」
□阪口珠美(さかぐち・たまみ)2001年11月10日、東京都・町田市出身。16年に乃木坂46の3期生としてデビュー。24年7月15日の卒業後は「美腸プランナー」や「愛玩動物介護士アドバンス」の資格を取得するなど、活動の幅を広げている。将来的には美容関係のプロデュースを行うことが目標。また、地元・町田を愛する気持ちは「誰にも負けない」と自負している。
