お昼寝系ユニット・Suupeas、初ワンマンに「今日を絶対忘れない」 8月には愛媛“凱旋”

お昼寝系2人組ガールズ音楽ユニット・Suupeas(すーぴーず)が8日、東京・渋谷WWWで1stワンマンライブ「SING寝具SING ~スヤァ伝説の始まり~」を開催した。2024年、「睡眠の日」となる9月3日にデビューしてから約9か月。待望の初ワンマンライブとなった。

渋谷WWWでSuupeasにとっての1stワンマンライブが開催された【写真:Miki Fujiwara】
渋谷WWWでSuupeasにとっての1stワンマンライブが開催された【写真:Miki Fujiwara】

昨年9月3日のデビューから約9か月で待望の初ワンマン

 お昼寝系2人組ガールズ音楽ユニット・Suupeas(すーぴーず)が8日、東京・渋谷WWWで1stワンマンライブ「SING寝具SING ~スヤァ伝説の始まり~」を開催した。2024年、「睡眠の日」となる9月3日にデビューしてから約9か月。待望の初ワンマンライブとなった。

 Suupeasは、歌手に声優、プロ雀士と幅広く活動し、TikTokフォロワー33.2万人を超えるひなぷ(武田雛歩)と、ちょっと変わったことも真顔でできる謎の美少女(サンプラー使い)はるぽんからなるユニット。見た目も性格も、ゆるゆるふわふわな2人がボカロPによるボカロックを歌い、コンセプトは“お昼寝系”と真新しい。

 Suupeasの歴史の幕開けともいえるこの日。「伝説の始まり」を目に焼き付けるべく、たくさんのファンが会場に詰めかけた。ステージに設置されたマイクスタンドとDJセット。これからどんなパフォーマンスが繰り広げられるのか、開演時刻が近づくに連れて、会場の期待感も高まっていく。

 定刻を過ぎること数分。場内が暗転すると客席はピンクやブルーのペンライトで染まった。目覚まし時計のベルの音が鳴り響き、「いんとろだくしょん<OHAYHOU>」が流れた。パジャマ姿の2人がステージに現れた。頭にはアイマスクを装着と“お昼寝系”ならではの世界観を醸し出している。

 2ndデジタルシングル『°Cりぃむ°Core』からパフォーマンスはスタート。「熱でうなされて悪夢をみる女の子」をテーマにした同曲は、アップテンポな楽曲。ひなぷが間奏で客席をあおり、はるぽんはエレキギターをかき鳴らすと、会場の熱気は一気に高まった。

DJに挑戦したはるぽん【写真:Miki Fujiwara】
DJに挑戦したはるぽん【写真:Miki Fujiwara】

「初ワンマンライブ、みんな起きてますか~?」とひなぷ。「今日は伝説の1日にしようね!」と呼びかけると、3rdデジタルシングル『あともうちょっとだけねんねさせて!』へとつなぐ。「社会人なりたての朝の憂鬱な心情」を描いたゆるい歌詞ながらもエッジの効いたEDM。それに合わせてかわいらしく踊るひなぷの掛け合わせが魅力の楽曲だ。

 初ワンマンライブの会場が渋谷WWW。ひなぷは目の前に広がるたくさんの観客たちの姿に「すごすぎるって!」と笑顔。「今日は幸せな気持ちになって帰ってもらえたらうれしいなと思います」と呼びかけると、はるぽんはサンプラーで応じ、合いの手の効果音で会場を盛り上げた。

 ひなぷはSuupeasの誕生秘話も紹介。“お昼寝系”という斬新なコンセプトは、ピクニック時に見かけたお昼寝をしている人たちの幸せそうな姿から着想を得たとのこと。「『お昼寝って良いね!』ってことで“Suupeas”って名前になりました」ときっかけを語った。また、Suupeasというユニット名は、はるぽんが考えたことも明かされ、はるぽんは「私が生みの親です!」と得意げな表情で会場中の拍手を浴びた。

 続く楽曲は4thデジタルシングルの『しーぴんすりーぴん』。同曲のみ撮影可能タイムとなり、ファンはスマホカメラをステージに向け、2人の躍動感あふれるパフォーマンスを記録した。『睡眠地下潜(もぐ)どってん!!釈明』では、ひなぷが「渋谷盛り上がっていくぞー!」と呼びかけると、ファンも「おい!おい!」とコールで2人を後押しした。

 ひなぷがステージから降りると、中盤戦はこの日のために練習を重ねたというはるぽんによるDJ TIMEで幕を開けた。「初めまして、DJはるぽんです! 今日がデビューなのでめちゃくちゃ盛り上げお願いしまーす!」と、先ほどまでのゆるふわな雰囲気からは一転。真剣な表情でDJセットを操っていく。途中で音が止まってしまうトラブルであたふたするという初々しい一幕もありながら、ボカロや人気のJ-POPまで幅広い楽曲でフロアを揺らした。

 DJ TIMEを終えたはるぽんと入れ替わる形で、次はひなぷが1人でステージに立った。中学生時代に初めて投稿した「歌ってみた動画」で歌唱したというSupercellの人気曲『君の知らない物語』。「私が音楽を好きになったきっかけになった曲です」と、ひなぷにとっての原点ともいえる思い出深い1曲をカバーした。Suupeasで見せる歌声とは雰囲気が一変。感情をたっぷりと込めた伸びのある歌声が会場中に響き渡った。

ひなぷは思い出の1曲をカバー【写真:Miki Fujiwara】
ひなぷは思い出の1曲をカバー【写真:Miki Fujiwara】

 ひなぷがステージを降りると、スクリーンには「お昼寝中」の文字と3分をカウントダウンする数字が表示された。眠気を誘うオルゴールの音色が流れるなどSuupeasならではの演出だ。残り時間が「10秒」を切ると、再登場を待ちわびるファンもカウントダウン。しかし「0秒」になっても2人は現れず、スクリーンには「寝過ごし中zzz」の文字。転換中でも飽きさせない、遊び心あふれる演出の数々に会場は笑いに包まれた。

 ようやく戻ってきた2人は、先ほどとは異なるパジャマに衣装チェンジ。MCでは「睡眠豆知識講座」と題して、快眠のための睡眠トリビアが紹介されるなど、“お昼寝系”の二つ名にふさわしいコーナーも盛り込まれた。

 ライブはいよいよ後半戦へ。縦ノリな曲調が心地よい、ライブ初披露の『アイム・ノット・プリンセス』とロックな曲調の『ナイトメラ』と2曲続けていく。いずれも高嶺のなでしこのキャプテン・籾山ひめりが振り付けを担当した楽曲だ。“プリンセスポーズ”などの独特な振り付けをファンもまねながら、軽快なナンバーを全身で楽しんだ。

 デビューから9か月。ひなぷは「こんな短期間でワンマンライブをさせてもらえて本当にありがたいことですね」としみじみと語ると、はるぽんも深く頷く。そして、「今日の日を絶対に忘れることなく、ここに来てくれた皆さんとまたお会いしたいなと思います。今日は幸せな時間をありがとうございました!」とあふれんばかりの感謝を伝えた。

 本編ラストは、Suupeasのデビュー曲『ヘッチャカ』。めまぐるしく転調を繰り返す楽曲は、Suupeasらしさが凝縮された“名刺代わり”の1曲だ。

 2人がステージから降りると、客席からは「Suupeas」「おーやすみ!」と独特なアンコールの歓声が響いた。Tシャツ姿に着替えて再登場した2人。ひなぷは「何て言ってくれよったん?」と思わず質問するなど、Suupeasとしての初アンコールで選ばれたまさかのワードに驚きの表情を浮かべながらも喜んだ。

 ライブ初となる『わたしのラブシック』のパフォーマンス終えると、2人からファンへのサプライズが。8月10日に2人の地元・愛媛でのワンマンライブが行われることが発表された。“初凱旋”の報告に会場からは大きな歓声が巻き起こった。さらに、デビュー1周年となる9月3日には、新曲がリリースされることも告知された。ひなぷは「今までにないことをする新曲。何かはまだ教えられないけど、新しいことがあるのでお楽しみにしていてください」と呼びかけた。

 次が正真正銘の初ワンマンラストとなる楽曲。先ほどは撮影可能曲として披露した『しーぴんすりーぴん』を再パフォーマンスし、会場を盛り上げた。最後はマイクを通さず、2人で声をそろえて「初ワンマンライブ、本当にありがとうございましたー!」。深いお辞儀と共にたくさんの感謝を伝えながら、幕を下ろした。この日の全工程の終了を告げる影アナも2人が担当。Suupeasらしく「おやすみぃ~」のメッセージでファンを見送った。

 愛媛の方言を交えながらゆるふわなトークを繰り広げるひなぷとはるぽん、それを温かく見守るファンの姿。互いが支え合いながら、1つのライブを作り上げていく一夜となった。2人が掲げる「お昼寝のような絶対的幸福感」がこの日の会場には漂っていた。まだまだ走り始めたばかりのSuupeas。これからどのような夢を見させてくれるのか、期待に胸を膨らませながら眠りに就くことにしよう。

8月に愛媛で凱旋ワンマンを開催することも発表された【写真:Miki Fujiwara】
8月に愛媛で凱旋ワンマンを開催することも発表された【写真:Miki Fujiwara】

◯Suupeas 1stワンマンライブ「SING寝具SING ~スヤァ伝説の始まり~」セットリスト
M1.いんとろだくしょん<OHAYHOU>
M2.°Cりぃむ°Core
M3.あともうちょっとだけねんねさせて!
M4.しーぴんすりーぴん
M5.睡眠地下潜(もぐ)どってん!!釈明
M6.はるぽんDJ TIME
M7.君の知らない物語(Cover)
M8.アイム・ノット・プリンセス
M9.ナイトメラ
M10.ヘッチャカ
M11.あうとろだくしょん<OYASUMI>
(ENCORE)
EN1.わたしのラブシック
EN2.しーぴんすりーぴん

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