歌手の中村あゆみが6日、神奈川・横浜Reny betaでデビュー40周年を記念したライブ「AYUMI NAKAMURA Birthday LIVE Alive2025」を開催。横浜、大阪、名古屋、東京の4か所を回るツアーの初日公演では、途中、演奏を中断するハプニングもあったが、新曲の初披露を始め、全18曲をパワフルに歌い上げ、満員の観客を魅了した。

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　今回のライブツアーは、中村の初期のバンドメンバーでサックス奏者の園山光博が全公演にスペシャルゲストとして参加するとあって普段のライブでは歌う機会の少ない初期のロックナンバーを次々と披露し、オールドファンからは驚きの声も上がった。

　中村はショートパンツに白のブーツという抜群のスタイルでステージに登場すると客席に向かって「待ちに待ったライブが始まりました。私と同じように興奮して眠れなかったという人はいるかな？」と問いかけると、観客は手を挙げて「待ってたよー！」と大きな声で応えた。「来年60歳だけど短パンも履くし、好きなことをやりながらまだまだ攻めるよ！」と胸を張った。

　今回のツアーでは新曲を初披露した。最初に披露した『風のメロディ』と『あなたは負けない』の2曲は、80年代に1度だけ仕事をしたことのあるアーティストとの偶然の再会がきっかけで誕生した曲だと説明した。2曲とも親しみやすいメロディーと今の時代を生きていく元気を与えてくれるようなナンバーだ。

　後半も代表曲やライブの定番曲でたたみかけ、観客は大きな声を張り上げながら、タオルを持った手を高く突き上げた。それを見た中村も観客に張り合い、タオルを思い切り振って観客をあおった。そのまま終盤へと差し掛かり、ボルテージも最高潮に達したその時、アクシデントが起きた。中村が歌の途中でバンドメンバーに合図を送ると、いきなり演奏を止めてしまった。

　すると中村が「ちょっと待って、声が出ないの……」。突然の出来事に驚いたバンドメンバーと観客は客席に背を向けた中村を静かに見守る。中村は再びマイクを持つと、「自分のタオルを振り回し過ぎて、のどにホコリが入っちゃった！」と苦笑いし、観客もホッとした表情に変わった。続けて中村は「ちょっと飴なめてもいいかな？　もうタオルは回さないようにするね！」と話すと爆笑の渦に包まれた。飴をなめて一呼吸入れた中村が、ニコニコしながら「じゃあいくね！　ワン・ツー・ワン・ツー・スリー！」今日一番のパワフルな歌声が客席に突き刺さる。思わぬハプニングがきっかけでステージと客席が一体となり、大盛り上がりのまま本編が終了した。

　メンバーがステージを降りると、アンコールの「あーゆーみー！」の大合唱が起こり、すぐに中村がステージに戻ってきた。そしてこの日3曲目となる新曲『ヴォラーレ』の中村あゆみバージョンを初披露介した。ジプシー・キングスのカバーでおなじみの大ヒット曲を中村は、この夏にぴったりの熱いビートのダンスナンバーにアレンジした。天井を突き破るようなパワフルな歌声が会場に響き渡ると、観客も最高潮で一緒に『ヴォラーレ』を大合唱。これから中村の新たなライブ定番曲になること間違いなしの1曲が生まれた。

　歌い終わると中村は前列にいた若い女性客を見つけ「今日はお父さんと来たのかな。今日のライブはどうだった？　おじさんおばさんたちのパワーはすごいでしょ？」と声を掛けると観客も大笑い。さらに「お父さんたちが10代の頃は、もっとすごかったんだよ」と伝えると大きな拍手が起きた。

　そして中村は観客にサプライズも用意した。毎年開催してきた中村主催の音楽フェス「ママホリ」について、今年の開催を休止すると報告し、2026年5月に過去最大規模となるNHKホールでの開催を発表した。中村は続けて「今年は、今まで出場したことがない紅白に出ることが夢なんです」と大きな願望も語った。そして「もし夢が叶えられたらこの曲を歌いたいと思います」と結び、自身の大ヒット曲『翼の折れたエンジェル』を園山のサックスで歌い、幕を閉じた。

　40周年ツアー「Alive2025」は、19日に大阪BIGCAT、20日に名古屋ダイアモンドホール、そして8月8日に東京・I’M A SHOW（アイマショウ）で開催される。この日披露した新曲はこれからレコーディングが始まり、公式サイト、公式SNSで発表される。