初代『ガンダム』フラウ・ボゥの壮絶人生 息子の戦死だけでは終わらない“悲劇”の数々

アニメ『機動戦士ガンダム』では戦争のなかで多くの人が悲しみを味わう様子が描かれている。主人公アムロ・レイを隣でサポートし続けるフラウ・ボゥもそんなひとりであり、同作メインキャラのなかでも特に壮絶な人生を送っている人物だ。フラウが体験する悲劇とは、一体どんなものだったのか振り返ってみよう。

『機動戦士ガンダム』フラウ・ボゥの壮絶人生とは【写真:Getty Images】
『機動戦士ガンダム』フラウ・ボゥの壮絶人生とは【写真:Getty Images】

主人公アムロ・レイをサポートし続けた

 アニメ『機動戦士ガンダム』では戦争のなかで多くの人が悲しみを味わう様子が描かれている。主人公アムロ・レイを隣でサポートし続けるフラウ・ボゥもそんなひとりであり、同作メインキャラのなかでも特に壮絶な人生を送っている人物だ。フラウが体験する悲劇とは、一体どんなものだったのか振り返ってみよう。

 そもそもフラウの悲劇は第1話「ガンダム大地に立つ!!」からはじまる。コロニー・サイド7で暮らすアムロやフラウは、ある時ジオン軍のモビルスーツ・ザクの襲撃を受ける。アムロとフラウはなんとか生き延びるが、一緒に避難していた多くの人が犠牲となり、フラウはこの時、自らの母と祖父を目の前で亡くしているのだ。

 家族の死の直後もフラウは悲しみに暮れる余裕はない。ホワイトベースにアムロとともに乗り込んだ後は、けが人の治療の手伝いや孤児たちの面倒を見るなど忙しい日々を過ごすのだ。ストーリー後半では通信士としても活躍し、ホワイトベースに欠かせないクルーとして成長を遂げている。

 同作で描かれている一年戦争が終結した後のフラウがどうなったのかは、『機動戦士Zガンダム』でも描かれている。フラウは幼馴染であり、一年戦争をともに戦ったハヤト・コバヤシと結婚。さらにホワイトベースで世話をしていた3人の孤児(カツ・レツ・キッカ)を養子として引き取り、ハヤトとの子どもを妊娠して幸せに暮らしはじめていた。

 しかし、このタイミングでフラウは第2の悲劇に見舞われる。それが15歳に成長した養子のカツ・コバヤシの戦死だ。彼は『機動戦士Zガンダム』にて主人公のカミーユ・ビダンとともに戦い、第49話「生命散って」では最終決戦でハンブラビ隊のひとりを撃墜するきっかけを作る活躍を見せる。だがその直後に隕石に衝突してしまい、さらに敵からの攻撃を受けることで亡くなってしまう。

 ちなみにコミックス『機動戦士Zガンダム デイアフタートゥモロー -カイ・シデンのレポートより-』(作画:ことぶきつかさ、原案:矢立肇、原作:富野由悠季)2巻では、カツの死を受け止めつつ、ハヤトの父の実家でレツ、キッカ、新しく産まれた子どもとともにお互い支え合い暮らすフラウの姿が描かれている。

 そんなフラウの悲劇はこれで終わりではない。さらなる悲劇として『機動戦士ガンダムZZ』では夫・ハヤトの死が描かれている。地球で活動する反連邦組織であるカラバに参加するハヤトは、第35話「落ちてきた空」にて、コロニー落としがおこなわれるダブリンで民間人を救うために尽力していた。

 しかし、救助活動を阻止するために現れた敵との戦闘で、主人公であるジュドー・アーシタが操るZZガンダムの変形が完了するまでの時間稼ぎに奮闘。ハヤトはドダイ改で敵と対峙した結果、ジュドーは助けられたもののハヤトは敵の攻撃により戦死してしまう。

 ハヤトの死にフラウがどのような反応したのかは描かれていないが、レツとキッカにサポートされながら、カツの死と同様に受け止めて強く生きていく姿が想像できる。

 幾度とない家族の戦死を体験しつつも、子どもたちに囲まれて幸せに暮らすフラウは「ガンダム」シリーズでも指折りのタフなキャラといえるだろう。また他のキャラも調べてみると、意外な「その後」が見ることができて面白いかもしれない。

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