あいみょん、42公演完走に感慨「ホンマにうれしいわ。やりきった!」 約40万人動員の最長ツアー

シンガー・ソングライターのあいみょんが29日、埼玉・さいたまスーパーアリーナで「AIMYON TOUR 2024-25『ドルフィン・アパート』-Additional Show-」のファイナル公演を開催した。昨年から続いた全42公演というあいみょん史上最長となった本ツアーは、総動員数40万人を記録。会場に集まった超満員のファンが「ドルフィン・アパート」の“立ち退きの日”を見届けた。

「AIMYON TOUR 2024-25『ドルフィン・アパート』-Additional Show-」のファイナル公演を開催したあいみょん【写真:永峰拓也】
「AIMYON TOUR 2024-25『ドルフィン・アパート』-Additional Show-」のファイナル公演を開催したあいみょん【写真:永峰拓也】

アカペラにアコースティック、弾き語り、ロック調とあいみょんの魅力が凝縮された

 シンガー・ソングライターのあいみょんが29日、埼玉・さいたまスーパーアリーナで「AIMYON TOUR 2024-25『ドルフィン・アパート』-Additional Show-」のファイナル公演を開催した。昨年から続いた全42公演というあいみょん史上最長となった本ツアーは、総動員数40万人を記録。会場に集まった超満員のファンが「ドルフィン・アパート」の“立ち退きの日”を見届けた。

 2024年9月からスタートした同ツアー。年をまたぎ、25年には台北・ソウルと海外公演も開催。そしてこの日、ついに約8か月におよぶツアーの最終日を迎えた。スタンドの最上部までぎっしりと埋まったさいたまスーパーアリーナ。開演予定時刻から数分、照明が落ち、青白い光が会場を照らし、オープニングがスタートした。

 メインステージの中央にスポットライトが集まると、その下にはあいみょんの姿。美しいアカペラが会場中に響き渡った。1曲目は『どうせ死ぬなら』。アコースティックギターをかき鳴らし、疾走感あふれるメロディーを響かせる。続く『ラッキーカラー』では、ステージ中央から伸びた長い花道を歩き、観客一人一人と目を合わせながら歌った。

『会いに行くのに』を歌い終えると、この日最初のMCに突入。「ついにきょうでファイナルを迎えることができました。ありがとうございます!」と感謝し、全42公演という長い道のりについて、「無事にここまでたどりつけたなという気持ちで、マジでうれしくてハンパないっす!」と感慨に浸った。そして、「いろんな不安もあったけどホンマにきょうも絶好調。どれもその日にしかない一期一会のライブができました」「ファイナルということできょうはどうなってもいいかなと思っています。とにかくすべてを出し切りたいと思っているので、みんな一緒に最後まで楽しみましょう!」と呼びかけた。

さいたまスーパーアリーナには満員の観客が詰めかけた【写真:永峰拓也】
さいたまスーパーアリーナには満員の観客が詰めかけた【写真:永峰拓也】

『森のくまさん』『駅前喫茶ポプラ』をしっとりと歌い上げ、ドラムの音が心地よい『ノット・オーケー』へとつなぐ。10代の淡い恋心をつづった『漂白』では、優しいスポットライトの灯りの中で歌唱し、観客の視線をくぎ付けにした。

 その後のMCでは、ファンとの軽快なトークを繰り広げた。きょうが初のあいみょんライブという人も多く、「マジでうれしいんやけど! 全員好きにさせて帰ってやんねん!」と意気込む姿も見せた。

 ロック調の楽曲『炎曜日』では先ほどまでとは一転して、力強い歌声。さらに、妖艶なライティングが印象的な『マトリョーシカ』を披露した。複雑な恋心をつづった『朝が嫌い』に続くのは、代表曲『マリーゴールド』。聞き慣れた前奏が流れると、客席からは「待ってました」と言わんばかりのどよめきが巻き起こった。

 続いては、あいみょんライブではおなじみの双眼鏡が登場。遠くのファンの顔までくっきりと映るとっておきのアイテムを使い、会場の隅々まで見渡しながら、“あいみょん節”全開でコミュニケーションを取った。ひとしきりのトークを楽しんだ後、花道中央のセンターステージまで軽快なランウェイ。まるでモデルのようなウォーキングに、投げキッスとサービス精神旺盛な姿に黄色い歓声が飛んだ。

センターステージではバンドメンバーとアコースティックを披露【写真:永峰拓也】
センターステージではバンドメンバーとアコースティックを披露【写真:永峰拓也】

 センターステージで待っていたのは、ツアーを支えてきたバンドメンバー。あいみょんを迎え入れると、大きな会場の中央で4人は体を向かい合わせながら、アコースティックで『君の夢を聞きながら、僕は笑えるアイデアを!』を奏でた。歌い終えると、約8か月におよぶツアーの振り返りがスタート。ツアー中に起きたハプニングを思い出しながらの笑いを交えたトークでは、アットホームな空気感が会場を包んだ。

 続いてもアコースティックでのパフォーマンス。NHK連続テレビ小説『らんまん』の主題歌でもある『愛の花』をライブならではのアレンジで届けた。センターステージにはあいみょんだけが残り、真っ暗な会場で1人照らされながら弾き語りで『偽物』を披露した。

 20年にも、さいたまスーパーアリーナでのライブを行っていたが、当時はコロナ禍。観客の声を聞けなかったことが心残りだったようだ。今回は念願だったコール&レスポンスにも挑戦。5年前の憂さ晴らしをするかのような会場が一体となった大歓声は、あいみょんが思わず膝から崩れ落ちるほど。うれしそうな表情を浮かべ、熱気を受け止めた。

 その後は一転して、ポップなナンバー『私に見せてよ』をパフォーマンス。ドローンカメラを使った臨場感あふれる映像がステージ横のスクリーンには流れた。途中、歌詞を間違えてしまうハプニングも。花道で豪快にずっこけながら「間違えたー!」とおちゃめな姿を見せたが、これもライブならではの醍醐味だ。そのままの勢いで最新シングルの収録曲『おばけがでるぞ』へと移る。17年リリースの人気曲『愛を伝えたいだとか』では、赤いライトに照らされながら、グルーヴィーかつエモーショナルに歌い上げた。

最新曲から懐かしの楽曲まで全24曲を熱唱【写真:永峰拓也】
最新曲から懐かしの楽曲まで全24曲を熱唱【写真:永峰拓也】

 続いての楽曲は最新シングル『スケッチ』。あいみょんがデビュー前から憧れていた『ドラえもん』の映画主題歌だ。昨年12月に行われた広島公演内で主題歌起用をサプライズ発表していたが、その日を思い返しながら、「みんな夢をかなえてくれてありがとう」と感謝を込めて歌った。

 ライブも終盤戦。「これ以上ないってくらい大きな歌声を聞かせてくれますか。一緒に歌いましょう!」の掛け声で披露したのは、定番曲『君はロックを聴かない』だ。満員の客席からは大合唱が巻き起こる。

 さらに「元気まだまだありますかー?」とタオルを首に巻き、準備万端なあいみょんがあおる。『RING DING』では、ステージから降りて、客席のすぐ横をハイタッチしながら走り回った。そのままの勢いで「まだまだ行くぞー!」と続けたのは『夢追いベンガル』。せり上がりのセンターステージでぴょんぴょんと飛び跳ねると、それに呼応するかのように会場のボルテージは最高潮に達した。

 メインステージに戻ると、アコギをかつぎデビュー曲『貴方解剖純愛歌~死ね~』へとつなぐ。走り回った直後とは思えぬ、歌声を響かせた。さらに、語りから始まる『生きていたんだよな』では、歌詞に込められたメッセージを力強く真っすぐに届けた。

約8か月におよぶツアーを完走したあいみょん【写真:永峰拓也】
約8か月におよぶツアーを完走したあいみょん【写真:永峰拓也】

 いよいよ長かったツアーも最後の時。「本当にドルフィン・アパート、ありがとうございました。マジでうれしい!」と万感の思いを口に。「みんなとまた会える機会をもちろん作りたいと思いますし、それ以外のことももっともっと頑張ります!」と約束を交わし、最後は『葵』で締めくくった。

 全24曲を歌い終えると、今ツアーを一緒に駆け抜けたバンドメンバーと共に、マイクを通さない「ありがとうございました~!」の生声をさいたまスーパーアリーナという大きな会場中に響かせた。

 バンドメンバーを見送り、再びセンターステージに移動すると「長かった。マジで無事に終われてよかった」と本音を吐露。「ホンマにうれしいわ、すごいうれしいわ。やりきった!」「成功ばかりではなく失敗もあったツアーでしたが、スタッフさんやみんなのおかげで最高のツアーになりました!」と繰り返しの感謝を届けた。そして、最後はお決まりのコール&レスポンス「健康第一、家内安全、その次~?」「あいみょん!」で幕を下ろした。

 24年9月に“入居”がスタートした「ドルフィン・アパート」。海外公演、さらには“増築”公演を経て、迎えた“立ち退きの日”。この日の公演で何度も繰り返した「無事に完走できて良かった」という言葉。達成感に満ちたあいみょんの表情を満員の大観衆は目に焼き付けた。

最後はバンドメンバーと共に生声で感謝を会場中に届けた【写真:永峰拓也】
最後はバンドメンバーと共に生声で感謝を会場中に届けた【写真:永峰拓也】

◯「AIMYON TOUR 2024-25『ドルフィン・アパート』Additional Show」セットリスト
<2025年5月29日@埼玉・さいたまスーパーアリーナ>
1.どうせ死ぬなら
2.ラッキーカラー
3.会いに行くのに
4.森のくまさん
5.駅前喫茶ポプラ
6.ノット・オーケー
7.漂白
8.炎曜日
9.マトリョーシカ
10.朝が嫌い
11.マリーゴールド
12.君の夢を聞きながら、僕は笑えるアイデアを!
13.愛の花
14.偽者
15.私に見せてよ
16.おばけがでるぞ
17.愛を伝えたいだとか
18.スケッチ
19.君はロックを聴かない
20.RING DING
21.夢追いベンガル
22.貴方解剖純愛歌~死ね~
23.生きていたんだよな
24.葵

●AIMYON TOUR 2024-25 “ドルフィン・アパート”セットリスト
https://Aimyon.lnk.to/dolapa

●AIMYON TOUR 2024-25 “ドルフィン・アパート” Additional Show セットリスト
https://Aimyon.lnk.to/dolapa_add

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