【べらぼう】水樹奈々、18歳特撮以来のドラマ出演「ドッキリかと思うくらい青天の霹靂」

歌手で声優の水樹奈々が、天明期の女性狂歌師・智恵内子(ちえのないし)を演じるNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(日曜午後8時)の取材会に出席し、大河ドラマ初出演の思いや舞台裏の様子などを明かした。演じるのは、湯屋の主人・元木網(ジェームス小野田)の妻・すめ。狂名“智恵内子”としての側面を持ち、夫と天明狂歌をけん引する。主人公・蔦重(横浜流星)とは大田南畝(桐谷健太)や夫が参加する狂歌の会で知り合い、親交を深める設定。

智恵内子を演じる水樹奈々【写真:(C)NHK】
智恵内子を演じる水樹奈々【写真:(C)NHK】

天明期の女性狂歌師・智恵内子を熱演

 歌手で声優の水樹奈々が、天明期の女性狂歌師・智恵内子(ちえのないし)を演じるNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(日曜午後8時)の取材会に出席し、大河ドラマ初出演の思いや舞台裏の様子などを明かした。演じるのは、湯屋の主人・元木網(ジェームス小野田)の妻・すめ。狂名“智恵内子”としての側面を持ち、夫と天明狂歌をけん引する。主人公・蔦重(横浜流星)とは大田南畝(桐谷健太)や夫が参加する狂歌の会で知り合い、親交を深める設定。

 まずは大河初出演の感想から尋ねた。

「ドッキリかと思うくらい青天の霹靂でした。ドラマはデビュー当初に1度だけ特撮ドラマに出演したことがあるだけで、それ以降、まったく経験がなかったので、まさか私にそんなオファーがと聞き返してしまいました」

 ドラマ出演は何年ぶりなのか。

「今回が2度目のドラマ出演ですが、長くブランクがあり右も左も分からない状況です。18歳の時以来なので(笑)。今年歌手デビュー25周年のタイミングでもあったので、また新たなチャレンジをするご縁なのかなと。これは神様が背中を押してくださったのかもと思いお受けしました」

 27年ぶりのドラマのようだが演じる智恵内子はどんなキャラクターなのか。

「普段は湯屋の女将ですが、身分を越えていろんな方が集まる狂歌の会を夫・元木網と主宰する役。キレのいいというか……演出のみなさんから最初に言われたのはツンツンの女将さん。ツンデレではなくツンツンですと。芯があり夫と対等に湯屋も狂歌の会も一緒に仕切っている女性。かなり頭が切れるタイプ。夫との関係性や人物像がちょっとした仕草や表情で出せるといいなと思っています」

 声優としての豊富なキャリアと技術を持つ。声をどう構築したのか。すると声優・水樹奈々ならでは興味深い手法を紹介してくれた。

「声優としては声を作るというイメージはまったくなく、まず私は骨格から見ます。このキャラクターの骨格だと、こういう声帯で、こういう音の響き方をして、こんなふうにしゃべるだろうと考え、導き出された声を出します。声色を調整するイメージではなく、ここから出るならどういう音なのかとか、話すテンポも想像しながらしゃべります。今回のようにドラマでは自分の肉体がキャラクターになるので、どうしゃべるかは自分の動きに合わせて連動してくる音が正解と考えています。声優だから声を作るとか、歌を詠む時はいい声で、という意識はまったくしていません。お芝居の中で自然に出てくるものをそのまま出すようにしてます」

 撮影現場の様子はどうだろう。

「長丁場になることが多いですが、桐谷さんがすごく盛り上げてくださるんです。テストのときに面白い表情やアドリブを入れてくださって、リラックスムードにしてくださっています」

 クランクインの思い出も聞いた。

「日本髪のカツラを初めて装着して撮影しました。重くてびっくりしました。着物を着て長時間になると苦しいし、正座は厳しくて……。本当に過酷な中、皆さん撮影されていてあらためて尊敬しました。そしてセットがすご過ぎて感動しました」

 自身のふん装姿を見た感想は。

「自分のカツラ姿を見たときはすごく新鮮でした。見たことのない自分。人前でおでこを全開にすることもないので恥ずかしいし、似合っているかなとドキドキしました。予告の映像を見た皆さんからはすごくはまっていたという反響があってうれしいです」

 狂歌の会や智恵内子の見どころも聞いた。

「かなり砕けていて思わず笑顔になれるシーンが満載です。屁で歌を詠んだりもするんですよ。ふざけたことを真剣に大人たちがやっているのが笑えます。そのギャップを楽しんでいただけたらと思います」

 声優の仕事との違いなど気付きはあったのだろうか。

「どうしても声先行になりそうで、どう自分の動きと紐づけていくかを最初に考えました。次にたたずまい、目線の動き、瞬き一つで全部意味が出てしまうので何と難しいのかと思いました。頭のてっぺんから足の先まで一瞬も気を抜くことができない緊張感たるや……。どう動くか事前にもっと考え抜かなければ、と痛感しました。今回の経験から、アフレコでもキャラクターがまとっているものを、声により乗せられたらいいなと感じました。言葉を立たせずとも息づかいや空気感をナチュラルに乗せられるようになれたらと。また引き出しが一つ増えたような気がします」

 蔦重や作品に共感したことはあるだろうか。

「いつも自分でライブの演出を考えていますが、常に新しくて面白いことができないかと考え、いろんな物を見聞きしているのは蔦重の精神に近いと思います。物づくりの部分でも共感するところが多くあって。登場人物やストーリーなど、この作品に共鳴するところがたくさんあります」

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