【あんぱん】阿部サダヲ、脚本家の“面白くして”に「暗くなるような場面も明るく」
俳優・阿部サダヲがパン職人・屋村草吉を演じるNHK連続テレビ小説『あんぱん』(月~土曜午前8時)について、草吉を演じる上で意識していることやパン作りの舞台裏の様子などを明かした。作品は、漫画家・やなせたかしさんと妻・暢さんをモデルに、苦難に面しても夢を忘れず荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでの愛と勇気の物語。今田美桜が主人公・のぶを、北村匠海が柳井嵩を演じる。阿部は2003年度前期の朝ドラ『こころ』以来の朝ドラ出演となる。

金にうるさく口は悪いがパン作りの腕は確かな風来坊のパン職人・屋村草吉
俳優・阿部サダヲがパン職人・屋村草吉を演じるNHK連続テレビ小説『あんぱん』(月~土曜午前8時)について、草吉を演じる上で意識していることやパン作りの舞台裏の様子などを明かした。作品は、漫画家・やなせたかしさんと妻・暢さんをモデルに、苦難に面しても夢を忘れず荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでの愛と勇気の物語。今田美桜が主人公・のぶを、北村匠海が柳井嵩を演じる。阿部は2003年度前期の朝ドラ『こころ』以来の朝ドラ出演となる。
まずは阿部の思う草吉の人物像を尋ねた。
「朝ドラは、お父さん役もできる年齢になってきたかなと思っていましたが、それとはまたちがう、風来坊のパン職人というおもしろい役をいただけて、やりがいがあるなと感じています。僕の想像ではありますが、草吉は何かを諦めてきて、愛情に飢えている。だからこそ、人にすごく興味がある人物なのかなと。一見冷たそうに見えますが、結局は困っている人がいると助けたくなってしまうのだと思います」
演じる上で意識していることも聞いた。
「特に前半は、なんだかよく分からない人でいたほうがいいんだろうなと思って演じていました。草吉は言葉遣いが荒いので、ただの気が強い人に見えないよう、なるべく温かい印象に持っていけるようにしたいと思っています。釜次さん(吉田鋼太郎)との掛け合いで、ユーモアのある感じに見えるといいなと。あとは、脚本の中園さんに『ヤムさん、面白くしてください』と言われたので(笑)。暗くなるような場面も明るくしていければと思っています。ただ、皆さんが方言に苦労されていて、僕が勝手なことをしてしまうと、急には方言が出てこなくて困らせてしまうので。そこはあまり乱すことはしないように気をつけています」
パン作りの練習はどうだったのか。
「実際にパンの工場に行って、パンをこねて、あんこを包んでという基礎から練習しました。撮影では、道具も作り方もその時代に合わせています。パンがおいしそうに見えないから撮り直しということもありましたし、ツヤ感が重要みたいです。『あんぱん』を見て、朝ごはんがパン派になる人も多いんじゃないかな (笑)。 草吉があんぱんで悲しみに包まれた朝田家の人々を救ったり、のぶや嵩の受験のときに“合格あんぱん” をあげたり、元気になってほしいときにあんぱんを焼くっていうのは、いいですよね。いつの間に作っていたんだろうという場面も多いですが(笑)。みんなのことを思って、こっそり作っているんでしょうね」
草吉として、のぶと嵩のことは、どう見ているのだろう。
「あの2人の関係性はすごくおもしろいなと思いながら見ています。のぶのように、あれだけ明るくまっすぐに向かってきてくれる人ってなかなかいないと思いますし。だから、嵩はこの人がいいなと思ったんでしょうね。草吉からすると、嵩はどこか似ているところがあったんだろうなと。最初に川辺で、ひとりぼっちでいる嵩を見たときから、そのさみしげな姿に、何かシンパシーを感じたんだと思います。草吉からすると、嵩は気になって仕方ない存在なのかもしれません」
最後は視聴者に向けたメッセージ。
「『あんぱん』は、愛があり、やさしい気持ちになれる作品だと思います。草吉はずっと朝田家にいましたが、やっぱり風来坊ですからね。どこかに行かなくてはなりません(笑)。草吉の戦争への思いというのも、このあと明らかになると思いますので、ぜひ今後の展開も楽しみに見てもらえるとうれしいです」
