JO1・豆原一成、変わった「かわいい」の捉え方「今では言われるのもまんざらではなくなった」
11人組グローバルボーイズグループJO1の豆原一成が初主演を務める映画『BADBOYS -THE MOVIE-』(西川達郎監督)が5月30日に公開される。伝説的不良マンガの実写化で、公開日当日に23歳になる豆原は、弱小チーム「極楽蝶」を率いる主人公・桐木司を演じる。メンバーやファンに愛される“マンネ(韓国語で最年少メンバー)”が、熱いハートとアクションで魅せる時がきた。

『BADBOYS -THE MOVIE-』に主演 主題歌の作詞はJO1河野純喜と金城碧海が手がける
11人組グローバルボーイズグループJO1の豆原一成が初主演を務める映画『BADBOYS -THE MOVIE-』(西川達郎監督)が5月30日に公開される。伝説的不良マンガの実写化で、公開日当日に23歳になる豆原は、弱小チーム「極楽蝶」を率いる主人公・桐木司を演じる。メンバーやファンに愛される“マンネ(韓国語で最年少メンバー)”が、熱いハートとアクションで魅せる時がきた。(取材・文=大宮高史)
今作は、田中宏氏のシリーズ累計発行部数5500万部突破を誇る伝説的不良マンガ『BAD BOYS』(1988年~1996年まで『ヤングキング』で連載)が原作だ。
裕福な家の一人息子だった桐木(豆原)は、幼い頃に自分を助けてくれた伝説の不良・村越(青柳翔)に憧れ、家出。最強チーム「び威す斗(BEAST)」に仲間入りを志願するも追い返された後、川中陽二(池崎理人/INI)、中村寿雄(山中柔太朗)、岩見エイジ(井上想良)と出会う。司たちは、弱小チーム「極楽蝶」からの誘いでメンバーに加わり、強大な「廣島Night’s(ナイツ)」や「び威す斗(BEAST)」と戦っていく……という展開。
令和の若手俳優たちが、特攻服を身にまとい、昭和・平成の“不良カルチャー”に本気で取り組んだ。2002年生まれの豆原も「戦う場面の撮影は頭の中でBGMが流れて、すんなり役に入っていくことができました。アクションも変顔もして、今まで一度も見せたことのない姿を見せています」と胸を張った。
――初めての映画主演になりましたが、JO1のメンバーからはどんな反応がありましたか?
「皆からは『頑張れ!』ってエールをもらいました。一昨年の映画『OUT』ではメンバーの(與那城)奨くん、(大平)祥生くん、(金城)碧海くんが“族”になりきっていましたが、それに比べると司は、おぼっちゃんで、弱気なところからのスタートとなりました。だから不良の世界をもっと知りたくて、原作はもちろん、映画『クローズ』や『東京ア卍リベンジャーズ』『HiGH&LOW』など、“不良作品”をたくさん観て準備しました」
――今作では殴ったり殴られたりと、激しいアクションがあります。
「殴られてソファーまで吹っ飛ばされる経験もしましたが、爽快でした(笑)。そんな中でも、ヒロ役の岩永丞威さんとのシーンがすごく記憶に残っています。丞威さんはやっぱりアクションの経験を積まれてきた分、迫力がすごかったです。撮影現場ではついていくだけで必死でしたが、映像で見ると迫力あるシーンになったかなと思います」
――司の彼女・由本久美(井頭愛海)とのラブロマンスもあります。
「実はキュンキュンするポイントも多いです。バイクに2人乗りして海辺を走ったり、頬をつねられたり、初めてづくしのことが多いです(笑)。豆原一成として初めて見せる表情がいっぱいなので、『豆ちゃんってこういう表情もするんだ!』と楽しんでほしいです」
――主題歌『Be brave!』もJO1の楽曲です。メンバーの河野純喜さんと金城さんが作詞を手掛けました。
「2人にも今回のストーリーを詳しく話して、純喜くんには、僕が現場で使っていた台本も渡しました。僕が台本にいっぱい書いたメモも参考にしてもらいつつ、『純喜くんなりの思ったことを歌詞にして』と託したんです。僕自身も思っていた『男として格好よく生きたい』とういう願望を歌詞にしてくれましたし、ちょっと古風なJ-POP風で、JO1の楽曲としては新鮮な1曲になりました」
――個人の活動も精力的なJO1ですが、刺激を受けたメンバーはいますか?
「川西拓実くんです。彼は昨年、『バジーノイズ』、『逃走中 THE MOVIE:TOKYO MISSION』と2作の映画に出演し、JO1の活動と合わせてスケジュールがパンパンでしたが、それを両立する姿を見て刺激になりました。僕自身、この作品の撮影中は弱音を吐いていられなかったです」

「やっぱり愛される人だなって」INI池崎理人と心通わせた現場
豆原らJO1は、2019年開催のサバイバルオーディション「PRODUCE 101 JAPAN」で約6000人の応募者の中から視聴者投票によって選ばれ、20年にデビューした。翌21年開催のオーディション第2弾「PRODUCE 101 JAPAN SEASON2」からはINIが誕生し、両グループが共演する機会は多い。今作でもINIの池崎理人が、司の相棒的存在、川中陽二役で出演している。
――池崎さんとの現場での思い出は。
「理人の方が年上だったので、初めは緊張していました。一緒に演技やアクションのレッスンも受けましたし、人見知りの僕によく話しかけてくれたので、距離を縮めることができました。今では下の名前で呼べるし、彼の家で一緒にご飯を食べたりもします」
――かなり仲が深まったようですね。
「以前は、僕1人では話しかけづらかったですね。INIはほとんどのメンバーが年上なので、理人の前で余計に緊張していたのかもしれません。でも理人がいつも『JO1さん』とさん付けで言って、グループをリスペクトしてくれるから僕も素直になれました。お芝居に真面目なのはもちろん、周りの僕たちへも行動で気持ちを伝えてくれます。やっぱり愛される人だなって思いました」
そんな豆原はデビューの翌21年、短編オムニバス映画『半径1メートルの君 上を向いて歩こう』で映画初出演を飾る。22年には、JO1の各メンバーが1人1話で主演していくオムニバスドラマ『ショート・プログラム』(Amazon Prime video)にも出演するが、これら駆け出しの俳優経験について「『難しい!』という記憶しかなかったです」と振り返る。
「思い通りにできなくて、しばらくお芝居はいいかな、と思ったほどでした。その後、劇場版『仮面ライダーリバイス』(2022年公開)に出させていただいた時も苦手意識があったんですが、いつか出たいと思っていた大好きな仮面ライダーシリーズだからと開き直って臨んだら、気持ちが前向きに変わりました」
――どんな経験をしたのでしょう?
「自分の出番が無い時に、俳優さんの真剣な演技を間近で見る機会があったんです。圧倒されて、『やっぱり役者って格好いい』と挑戦したくなりました。それから継続してドラマのお話もいただけるようになり、今回の『BADBOYS -THE MOVIE-』を撮影する頃には、『どんな作品でも全力でやる!』と燃えていましたね。JO1とは違った形で、自分ではない人の生き様を映像に残せるのがやりがいになりました」
JO1では最年少メンバーでもある豆原。最年少メンバーは何かとかわいがられるが、グループでの使命感も改めて語った。
「格好いいものへの憧れが強くて、だからこそ身近な人を全力で守ろうとする司のように、JO1のために心を燃やしていきます。それに今では『かわいい』って言われるのもまんざらではなくなりました。天性の強みなのかなって(笑)。かわいさもアピールしつつ、人としては世の中に嘘をつかず、格好いい生き方をしたいですね」
――そのために、今考えているビジョンはありますか?
「ワールドツアーや東京ドームでのライブも経験しましたが、まだまだ多くの人にJO1を知ってほしいです。俳優としての僕からJO1を知っていただくこともグループへの貢献だと思っていますし、第一印象はかわいいけど(笑)、パフォーマンスとハートはクールで大人っぽいところも見せていきたいと思います」
世界の頂点を目指す『Go to the TOP』の思いを掲げて活動しているJO1。グループの活動に加え、近年はメンバー個人の活躍が目立つ。「この作品も、これまでメンバーの芝居での活躍があったからこそ、お話しをいただけたと思います。チームで勝ち取ったチャンスです」と仲間に感謝し、成功を誓う。いつまでも“かわいいいマンネ”だけではない……強い覚悟が伝わってきた。
□豆原一成(まめはら・いっせい)2002年5月30日、岡山県生まれ。2019年にサバイバルオーディション「PRODUCE 101 JAPAN」で投票によって選ばれ、20年3月にJO1のシングル『PROTOSTAR』でデビュー。グループ活動の一方、俳優業にも取り組む。2021年に「半径1メートルの君 ~上を向いて歩こう~」で映画初出演。22年3月配信のAmazonオムニバスドラマ「ショート・プログラム『メモリーオフ』」で主演した。24年10月期のTBS系日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』にも出演。174センチ。
※「び威す斗(BEAST)」の「び」はのぎへんに卑、「す」はあなかんむりに果
※池崎理人の崎の正式表記はたつさき
