脱サラ→芸能一本に OL兼業レースクイーン・赤城ありさが示した覚悟「今しか挑戦できないことに集中したい」

モデルとして活躍する赤城ありさが、『エヴァンゲリオンレーシング サーキットメイト』として、綾波レイ役を演じて3年目のシーズンをスタートさせた。今年は、レーシングチーム結成15周年の節目の年。個人としてはこれまで「OL兼業レースクイーン」の二足のわらじで活動してきたが、脱サラして「芸能一本」の新たな道を歩み出したという。心機一転で今季に懸ける思いを聞いた。

赤城ありさが『エヴァンゲリオンレーシング サーキットメイト』で活躍【写真:(C)カラー】
赤城ありさが『エヴァンゲリオンレーシング サーキットメイト』で活躍【写真:(C)カラー】

「ジムに通い始めたので、アニメのようなウエストのくびれを目指して頑張ります!」

 モデルとして活躍する赤城ありさが、『エヴァンゲリオンレーシング サーキットメイト』として、綾波レイ役を演じて3年目のシーズンをスタートさせた。今年は、レーシングチーム結成15周年の節目の年。個人としてはこれまで「OL兼業レースクイーン」の二足のわらじで活動してきたが、脱サラして「芸能一本」の新たな道を歩み出したという。心機一転で今季に懸ける思いを聞いた。(取材・文=吉原知也)

 世界的大ヒットアニメ作品『エヴァンゲリオン』とモータースポーツのコラボチームとして知られるエヴァンゲリオンレーシング。2025年で15周年を迎えた。また、『エヴァンゲリオン』シリーズは、アニメ作品としても1995年『新世紀エヴァンゲリオン』の初回テレビ放送開始から30周年となり、2つのアニバーサリーイヤーが重なったことで、チームはモータースポーツ業界全体を盛り上げていく熱意にあふれている。

 注目の今季は、「ENEOS スーパー耐久シリーズ 2025 Empowered by BRIDGESTONE(スーパー耐久シリーズ)」と、「FORMULA DRIFT JAPAN(FDJ)2025」の2カテゴリーに参戦し、熱戦を繰り広げている。チームは5月30日~6月1日に、富士スピードウェイでスーパー耐久シリーズの第3戦に臨む。

 エヴァンゲリオンレーシングの一員になって3年目となる赤城。レイ役を演じる責任と誇りをかみしめているという。役者としての転機も訪れたそうで、「レイ役として、レイの『表現方法』に関して成長できたかな、と思っています。というのもきっかけがあって、今年の3月に夢だった舞台女優デビューをして、作品や登場人物と向き合い方を知ることができたからです。レースアンバサダーが自身を『魅せる』プロなら、役者は誰かに『なる』プロだなと思いました。役者は演じるものだと思って、最初は形や動きだけで表現しようとしました。でもどこかうそくさくなってしまう。動きやセリフには理由があって、内側の感情から自然とそうなるものなのだ、と痛感しました。エヴァンゲリオンレーシングの綾波レイ役は、役としてレイのキャラクターのイメージを守りたい。そして私に会いにきてくれているファンの皆さんを笑顔にしたい。今年はその思いをより一層、大切にしようと思います」。真摯(しんし)な心境を聞かせてくれた。

 普段はロングヘアだが、レイ役を演じるためにボブカットのウイッグをかぶり、いつもの柔和な雰囲気を一変。サーキット場では、ほほ笑みの合間にクールな表情も交え、レイらしさを放っている。

 3年目の活動を機に、原点に返ったことを明かす。「作品と再び向き合う時間を作りました。テレビアニメ版、漫画版、新旧劇場版を見て、それぞれの作品のメッセージやキャラクターの性格の違い、セリフ、演出の違いなどに注目し、エヴァや綾波レイをもっと好きになりました。レイ役を務めるにあたって、表情やポージングをいつも重視していましたが、先ほど述べたように、感情ありきのものだと痛感したため、自分の中にあるレイと、みんなのイメージするレイのイメージを大切に守り、表現したいと改めて思いました」。

 ちょっぴり課題もあり、「そしてもう1つ頑張るところというか、頑張らなきゃいけないのは、間違いなく、体型維持です(笑)。ジムに通い始めたので、アニメのようなウエストのくびれを目指して頑張ります!」とはにかむ。

「今年のエヴァレーシングは何か違う! 新しい時代が始まった! と思ってもらえるよう頑張ります」

 役作りでは、ウイッグならではの苦労も重ねている。「レイ役を演じるときはいつもウイッグをかぶっているので、急いでいる時に髪型が決まらないときはいつも焦ります。朝のセットは早起きでカバーできるのですが、ステージ前や強風で髪型が崩れたときに整えるのがとっても大変です。特に(エヴァのキャラクターが頭部に装着する)インターフェイスの位置は超重要なので、外れたりズレたりするのは本当に恐怖です!(笑)」。天気とも格闘しながら細心の注意を払い、見事に役に徹しているのだ。

 もともとは営業職のOL。カーレースの裏方の手伝いをしたことがあり、自然と憧れを抱いた。自らオーディションに応募してレースクイーンデビューを飾ったのは2022年。平日は会社員、中型免許取得のバイク女子、少林寺拳法の有段者という異色の経歴の持ち主として活動してきた。そして、ある決断をした。「昨年脱サラして、ついに芸能一本に絞りました! 奨学金を借りて大学を卒業し、勤めていた会社ですから、勇気のいる選択でした」。

 続けて、「ばかな選択だと思う人もいるかもしれません。でも、このお仕事ができる時間は有限で、今まさにこの瞬間しか挑戦できないことに集中したいと思いました。一瞬の輝きのためにこの先得られたはずの収入やキャリアを捨てるのかと、言われたこともありました。それでもやりたいと思えたことに出会えた私は幸せだし、いつか表舞台から去った後も、その思い出は自分を幸せにしてくれると確信しています。ホタルみたいな人生だけど、私の活動を見て誰か1人でも笑顔になってくれたら何よりもうれしいです」。並々ならぬ決意の理由を語る。

 心新たに迎える2025年。「節目となる年に大好きなチームにいられることが本当に幸せです。私たちエヴァンゲリオンレーシングサーキットメイトが3人そろって活動する機会も増え、よりパワーアップした姿をたくさんお見せできると思います。2025年、今年のエヴァレーシングは何か違う! 新しい時代が始まった! と思ってもらえるよう頑張りますので、楽しみにしていてくださいね!」と目を輝かせた。

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