【スターダム】グラビア引退→「親から大反対された」プロレスの世界へ デビュー4か月の姫ゆりあ「売名のためと言われたくない」
今年1月26日、憧れの舞華を相手にプロレスデビューを果たした姫ゆりあは、グラビアの仕事を引退してスターダムの練習生となった。同期で前日デビューの鉄(くろがね)アキラとのライバル物語もスタートし、すでに他団体でのメイン(しかもシングルマッチ)も経験済。デビューから4か月、今姫が考えていることを聴いた。

「自分は純粋にプロレスラーになりたくて来た」
今年1月26日、憧れの舞華を相手にプロレスデビューを果たした姫ゆりあは、グラビアの仕事を引退してスターダムの練習生となった。同期で前日デビューの鉄(くろがね)アキラとのライバル物語もスタートし、すでに他団体でのメイン(しかもシングルマッチ)も経験済。デビューから4か月、今姫が考えていることを聴いた。(取材・文=橋場了吾)
姫ゆりあは栃木県宇都宮市出身だ。初めてのプロレス観戦も、宇都宮だった。
「もともと両親がプロレスを大好きだったので、その流れで知りました。初めて観戦したのは2018年5月のDRAGONGATEの宇都宮大会でした。そのときは自分の意思というより、親の意思で(笑)。YouTubeでたまにプロレスを見ていたんですが、やっぱり怖くて。でも生で見てみると凄く面白かったんですよ。動きが速くて華やかで強くて。それからですね、本格的にプロレスを見始めたのは」
プロレス初観戦前、姫は高校を卒業しアイドル活動を始めていた。
「実はスターダムの練習生になるまでは、栃木からの通いでした。結構大変だったんですけど、親が駅まで迎えに来てくれましたし、何とかなっていたと……(笑)。仲の良いコスプレイヤーさんのお宅にお世話になったこともありました。(グラビアについては)自分としては撮影されるのが好きなんですが、きれいな衣装を着て一線を越えない色っぽさを目指していました。自分の性格に合った楽しい仕事でしたね」
姫はグラビアの仕事には「引退」という形で区切りをつけ、プロレスの練習生になった。
「やっぱり『グラビアで売れなかったからプロレスに来たんでしょ』というような売名のためにプロレスを選んだとは思われたくなくて。自分は純粋にプロレスラーになりたくて来たので、グラビアアイドルとしてではなく、プロレスラーのゆりあとして見られたいなと思って、グラビアを引退して練習生になりました。好奇心旺盛のゆりあとしては、DRAGONGATEの試合を見て自分もリングの上で戦いたいという好奇心が勝ってしまったんです」

女性らしさを出したくて「姫」をリングネームに
2023年12月、姫はスターダムに入門を果たす。
「親からは大反対されましたね。ゆりあのやってきたことで初めて反対されました。好奇心が旺盛とはいえ、プロレスは好奇心だけでやってはいけない仕事じゃないですか。自分がケガするのは仕方ないとしても、相手にケガをさせてしまうリスクもある仕事だから、それはやめなさいと。なので、実は一度考え直してプロレスをやらないことも考えたんです。でもスターダムには自分のやりたいバチバチのプロレスがあったので……オーディションを受けました」
リングネームの「姫ゆりあ」は自分で考えた。
「アイドル時代のニックネームの『よもゆり』も考えたのですが、なつぽいさんとかぶってしまうような気がして(笑)。自分の一人称は『ゆりあ』なので、そこは変えたくなかったので、女性らしいリングネームにしようと思って『姫』をつけました」
同期の鉄アキラも偶然にも漢字一文字の苗字となり、名前同じく3文字で片やひらがな、片やカタカナ。女性らしさを目指す姫と、一人称が「俺」でボーイッシュな鉄。共通項と対象項を持つ二人は、今年1月に1日違いのデビュー戦を行った。
「(デビュー戦は)思っている以上にお客さんの顔が見えました。ありえないぐらい緊張はしましたが、周りの声も聞こえました。かといって余裕はなかったですよ、全然。前日にアキラがデビューしていて絶対に負けたくないという気持ちと、憧れの舞華さんとデビュー戦ができる嬉しさがありました。でもアキラのデビュー戦の評価が良かったので、自分の中で勝手にプレッシャーに感じてしまって……しかもデビュー前日にグラビアをしていたことがSNSで出てしまって、自分は売名目的みたいな目で見られてしまうのかという変な不安もあって、より緊張してしまいました」
デビュー戦では、各種ギロチンドロップ、ビッグブーツ、正面式ドロップキックといった今の姫の代表技も繰り出した。しかし最後は、舞華の片羽絞めでギブアップ負け。そして今、姫の周囲が慌ただしくなってきた。
(25日掲載の後編へ続く)
