横浜文体が58年の歴史に終止符 「落日の闘魂」ハネ返した猪木【連載vol.4】
プロレスファンの思い出は永遠に語り継がれる
最近では、豪華な入場ゲートが設置される舞台。コロナ禍の下、開催された8・10ノア大会では、巨大スクリーンが設営された。ZOOM観戦するファンの顔が映し出され、時代を感じさせたが、かつてはイスが並べられていたものだ。
見やすい舞台席で、ごひいきの選手の登場を待ち構えるファンの間に、猪木の宿敵だった“狂虎”タイガー・ジェット・シンが、突如、舞台の袖から現れたことがある。
あっという間に舞台上はパニックに陥った。我先にと逃げ惑う人。舞台から落ちる人。押し倒されたファンの背中には、いくつもの靴跡がくっきりと残されていた。
今となれば、懐かしい花束嬢として、この地でデビューした人もいる。各人各様のさまざまな思い出が詰まった「横文」「文体」が間もなく、姿を消す。
最後にどんな名勝負が生まれるのか、そして、次世代のプロレスにつながるであろう闘いをしっかり見届けたい。