【マリーゴールド】ジョジョ大好き少女がプロレスの世界へ…きっかけはまさかの「農業」 瀬戸レアの素顔

人呼んで「闘うジョジョラー」。人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』が大好きだった少女は、いつの間にかプロレスラーになっていた。過去のリングネームも、今のリングネームも『ジョジョ』に関連している。今や瀬戸レアは、マリーゴールドにおける対抗戦急先鋒になりつつある。その瀬戸をプロレスに導いたもの、それは農業だった。

マリーゴールドで再デビューした瀬戸レア【写真:橋場了吾】
マリーゴールドで再デビューした瀬戸レア【写真:橋場了吾】

もともとは農家に就職したいと思っていたが…

 人呼んで「闘うジョジョラー」。人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』が大好きだった少女は、いつの間にかプロレスラーになっていた。過去のリングネームも、今のリングネームも『ジョジョ』に関連している。今や瀬戸レアは、マリーゴールドにおける対抗戦急先鋒になりつつある。その瀬戸をプロレスに導いたもの、それは農業だった。(取材・文=橋場了吾)

 瀬戸レアは高校時代に『ジョジョの奇妙な冒険』に出会った。第5部がアニメ化していたタイミングというから、リアルタイムですべてを知っていたわけではないが、その世界にどっぷりはまってしまった。

「自分の周りでジョジョ好きな子が多くて、「絶対レアちゃんも好きだよ」って勧められたのがきっかけですね。(第5部の)アニメを見て面白いなと思って、一から順を追ってはまった感じです。「ジョジョ」の魅力ですか? テーマに『人間讃歌』というのがあって、キャラクターそれぞれに人間味があるのが好きですね。自分が好きな推しキャラクターは、悪役というかクソキャラですね(笑)。過去に悲しいことがあったから悪になったというよりも、生まれながらの悪(笑)。具体的にはチョコラータとアレッシーが好きで、小さいころからなぜか正統派より悪役が好きでしたね」

 そんな女子高生ジョジョラーだった瀬戸が、プロレスに出会ったのは短大時代だった。

「きっかけは農業です、お米ですね。高校時代も農家でアルバイトをしていたことがあるんですが、もともと農家に就職したいという気持ちがあったので、就農サイトで『農姫米』(センダイガールズプロレスリングが手掛けているブランド米)の記事を見てお米とプロレスって凄いなと。そこからプロレスに興味が湧いて、YouTubeでもプロレスを見始めました。そして実際に後楽園ホールにセンジョを見に行って、プロレスラーになろうと決意しました」

 スポーツ経験は剣道しかなかった瀬戸にとって、プロレスの練習はどのようなものだったのだろうか。

「(センジョに入門して)受け身もはじめてでしたし、本当にきつかったですね。しばらくは筋肉痛がすごくて、携帯電話を持てないくらいでした。耳元にまで携帯を上げられないので、いつもどこかに置いてスピーカーで話すレベルでした。デビューしたとき(2023年8月)は、ジョジョラーであることを前面に押し出すつもりはなかったんです。他団体の選手にもジョジョ好きの方はたくさんいらっしゃるんですが、どなたもジョジョキャラではないじゃないですか。自分もプロレスと趣味は切り離したいという気持ちがあったんですが、いつのまにかどんどん浸透してしまって……ちょっと想定外の出来事でした。でもデビューは仙台というジョジョの聖地でもあったので、色々重なったんですよね」

5.24代々木で引退する高橋奈七永(中央)とのトリオも実現(左は山岡聖怜)【写真:(C)マリーゴールド】
5.24代々木で引退する高橋奈七永(中央)とのトリオも実現(左は山岡聖怜)【写真:(C)マリーゴールド】

奈七永さんのSNSを見てこういう考え方ができる人のもとでプロレスがしたくなった

 デビュー時の丸森レアというリングネームは、仙台市丸森町にあやかったものだ。しかしデビューして半年ほどで体調を崩し4か月ほど欠場。センジョとも円満に話し合いの末、マリーゴールドで復帰することとなった。新しいリングネームは、ジョジョのキャラクター・セト神(本体はアレッシー)からとった。

「欠場中に(高橋)奈七永さんのSNSを見て……これなんですが(といってスマホの画面を見せる。そこには『頑張れる自分でいたい』と書かれていた)。本当に落ち込んでいた時期は、いろいろ悩んでしまってお風呂にも入られないという生活を送っていたんですが、少し回復してSNSを見たときにこの投稿が自分に刺さって。またプロレスをやりたいという気持ちはずっとあったんですけど、今の自分には絶対できないというネガティブに考えていたときに、こういう考え方ができる人のもとでまたプロレスをしたいなと思って。里村さん(明衣子/センジョ代表)からは『プロレスをまたやりたくなったら連絡して』って言ってくださって。それで里村さんに連絡して、(ロッシー)小川さんに話をつないでいただきました」

 24年7月13日、瀬戸レアはマリーゴールドの両国大会で再デビューを果たしたわけだが、マリーゴールドに加入した時はどのように感じたのか。

「久々にリングで練習するのは、メンタル的にはきつい部分もありましたけど、皆さんが優しく迎え入れてくれたので、早退することもなく最後まで練習をやり遂げられました。あといい意味で個人主義の選手が多いので、自分の性格的にはありがたいというか。(再デビュー戦は)不甲斐ない試合をしてしまったなと……自分自身に対して『こんなもんか』と悔しさがありましたね。もっとできたはずなのにと。だからこそ、年末の新人王トーナメントにエントリーされなかったのは、どういう括りなの?という疑問はありました。なんで自分がここにいないんだろうって」

(23日掲載の後編へ続く)

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