シンガー・ソングライターのNOBUが18日、東京・渋谷WWWでライブツアー「希望」の東京公演を開催した。全16曲をNOBUらしく熱く、NOBUらしく丁寧に集まった観客一人一人に届けた。

　主役の登場を前にステージに現れたのはNOBUと同じ宮崎県出身のシンガー・ソングライターのkotone。アコースティックギター1本でマイクの前に立ち、伸びのある歌声を響かせた。宮崎弁を交えながらのMCで会場を温めつつ、全3曲を披露した。

　ステージが暗転すると、この日の主役。NOBUがステージに登場した。4月19日にリリースしたばかりの『asayake』で幕を開けると、その後はアップテンポな『ALL DAY ALL NIGHT』や『音楽バカ』を立て続けに繰り出し、フロアの雰囲気をあっという間に“NOBU色”に染めた。

　今回のツアータイトルは「希望」。NOBUは「いろんな角度からの希望の歌を持ってきました」と語り、子どもたちへの「希望」を歌に乗せた『可能性』の冒頭をアコギ1本の弾き語りで歌い始めた。

　その後は、照れながらもNOBUの父親と母親の出会いを紹介していった。NOBUの父親がスーパーでレジ打ちをしている母親に勇気を出して声を掛けたことから交際がスタート。そこからわずか3か月後に結婚したという。そんなエピソードを交えながら、NOBUの楽曲の中では珍しいラブソング、2015年にリリースした『君ノ風』、最新アルバム『人となる。』に収録された楽曲『会いたくて』を披露した。

　後半戦の一発目はまだリリースされていない未発表曲『MATSURI』。赤いハッピを着たTeam Black Starzの6人をバックダンサーに、楽曲名通りの“お祭り空間”を作り上げた。そして、東京公演だけのゲストとしてアーティストのWATARUがステージに登場。WATARUとNOBUのコラボ楽曲『大地』で息の合ったパフォーマンスを披露した。

　興奮冷めやらぬままにパフォーマンスした『アガッテコウゼ』では客席とのコール＆レスポンスを楽しみ、そのままの勢いで『Go My Way』と続けた。その後はNOBUの代表曲『いま、太陽に向かって咲く花』を披露。この日もバックでサポートするDJ Chin-Nenによるリミックスで、普段とは異なるアップテンポなナンバーに形を変えてフロアを揺らした。

　いよいよ本編ラスト。NOBUは自身の失敗談を語りながら、「弱いからこそ強くなる歌を作っている」と楽曲作りへの向き合い方を語った。そして、「僕がこの歌で伝えたいのはどんなことが起こってもそのままを楽しんでいこう。その気持ちが乗り越えられる力になると信じています」と思いを伝え、『たのしみなさい。』を丁寧に歌い上げた。

　アンコールでは再び登場したTeam Black Starzの6人とともに、九州男児で酒好きのNOBUらしくおふざけ全開な盛り上げソング『酔っ払い最高』を披露した。いよいよクライマックス。少年時代から音楽と向き合ってきたNOBUだが、「ブレてないのは希望の2文字です」と力強く宣言。正真正銘のラストに選んだのは『希望の歌』だった。集まったファンが黄色いペンライトでフロアを照らすというサプライズにNOBUは「ありがとー！」と笑顔で応えた。

　ラストでは12月27日に再び、この日と同じ渋谷WWWでライブを開催することを発表。さらに5月19日から『人となる』の合唱バージョンが配信されることも明かされた。

　ジャンルレスを掲げるNOBUらしく、この日のライブも盛り上げ方はさまざま。お母さん世代から小さな子どもたちまで、集まった観客たちも手を上げ、体を揺らし、“NOBU色”に染まった空間を存分に楽しんでいた。

　NOBUが真っすぐに音楽と向き合う姿勢は、間違いなく観客たちに「希望」の2文字を与えていた。

◯NOBU LIVE TOUR 2025「希望」＠渋谷WWW
M1.asayake＋春となる
M2.ALL DAY ALL NIGHT＋JUMP＋ エビバディ!!!＋Don’t Stop The Party
M3.MAKI-OKOSE!!!
M4.音楽バカ
M5.可能性
M6.君ノ風
M7.会いたくて
M8,Pp
M9.MATSURI
M10.大地 Feat.WATARU
M11.アガッテコウゼ
M12.Go My Way
M13.いま、太陽に向かって咲く花
M14.たのしみなさい。
M15.酔っ払い最高
M16.希望の歌