【あんぱん】河合優実、朝ドラヒロインへの思い 今田美桜の姿に「希望をもらいました」
俳優・河合優実が、主人公・朝田のぶ(今田美桜)の妹・蘭子役で出演するNHK連続テレビ小説『あんぱん』(月~土曜午前8時)の取材会に出席し、初出演の朝ドラへの思いや役構築の舞台裏、主演の今田の印象などを語った。さらに民放のドラマで父娘を演じ、今作は屋村草吉役の阿部サダヲの素顔も明かした。作品は、漫画家・やなせたかしさんと妻・暢さんをモデルに苦難に直面しても夢を忘れず荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでの愛と勇気の物語。

主人公・朝田のぶ(今田美桜)の妹の蘭子を熱演
俳優・河合優実が、主人公・朝田のぶ(今田美桜)の妹・蘭子役で出演するNHK連続テレビ小説『あんぱん』(月~土曜午前8時)の取材会に出席し、初出演の朝ドラへの思いや役構築の舞台裏、主演の今田の印象などを語った。さらに民放のドラマで父娘を演じ、今作は屋村草吉役の阿部サダヲの素顔も明かした。作品は、漫画家・やなせたかしさんと妻・暢さんをモデルに苦難に直面しても夢を忘れず荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどり着くまでの愛と勇気の物語。
まずは朝ドラの印象を尋ねた。
「毎日放送され日本中の大勢の人が見ているイメージがあるので他のドラマとは違う特別な枠だと思っていました。『あまちゃん』は家族が見ていて一番記憶に残っています。今回の作品も誰かの記憶に残ればいいなと思います」
朝ドラは1人の人生を長く演じるケースが多い。
「朝ドラでしかできないことかと思います。だから自分にとってちゃんとハードルになると思います。今後の自分の糧になる経験だと感じます」
『不適切にもほどがある!』で共演した阿部サダヲについても聞いた。
「今回もみんなを安心させてくれる力をすごく感じています。阿部さんがいらっしゃると本当に楽しいです。3月に日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を頂いたときにシャンパンをくださいました。粋な方です。普段はずっとふざけているのに、そういう時はすごく優しいんです(笑)」
今田の印象はどうだろう。
「『あんぱん』に参加して良かったととても思わせてくださるヒロイン。今田さんがいるおかげで現場が柔らかく楽しくなっていると感じます。そう思わせるパワーをお持ちです」
座長ぶりも聞いてみた。
「蘭子を演じている私には想像がつかないくらい身体的に疲れていると思うスケジュールですが、私たちにまったく疲れを見せません。自然に無理なくずっと楽しく現場に来てくれているように見えます。オーラはみんなに伝わっていてポジティブな影響を与えてくれていると思います」
そんな今田の姿を見ていつか自身もヒロインという思いは生まれたか。
「怖くなりました(笑)。でも美桜さんの取り組み方がすばらしく……。今回、一緒にやらせていただき、大きな作品を主演、座長としてやることの希望をもらいました」
第29回では蘭子が慕う豪の出征前の壮行会が、第38回でも戦争と豪について描かれた。
「蘭子役で良かったと思うのは、ずっと反戦を貫くことです。出演にあたり、戦後80年の今年、戦争に正面から向き合う作品だと思ったので、蘭子のような立場の人を演じられるのは意義がある気がしました。大切に演じなければと思いました」
3姉妹の次女役。自身と似ている面はあるだろうか。
「私も実際に3姉妹ですが、今思うのは私、のぶみたいだったなと。私は長女で本当に下の姉妹のことを何も考えずに自分の進路を決めました。結構、奔放にやってきたので今になり、もう少し面倒をみてあげたら良かったと思うこともあります(笑)。私は家の中で一歩引いてみんなを見ているタイプではありませんでした。でも大人になってからそれができるようになり、今は蘭子のような立ち位置のような気がします。蘭子は家族を支え、幸せになるように動いていますが、やっと今、蘭子みたいな目線を持てている気がします」
映画、ドラマと多くの作品に出演し、さまざまな賞を受賞するなど演技力を高く評価されている。普段、役との向き合い方や役をどう構築しているのか気になる。
「この人は何歳から何歳までこういう時間を過ごしたみたいな履歴書を作るというより、台本を読んだときに絵として浮かんでくるいでたち、たたずまいからヒントを得ている感じです。具体というより抽象的な物から膨らませていると思います」
しっかりした考え方と24歳とは思えない落ち着きぶりが印象的。
「幼い時から1人で遊んだり、猪突猛進な面もあったり、みんなの前でリーダーとしてふるまうことも多かったです。家ではずっとしゃべっているし、いろんな面があります。でも高校を卒業してから『すごく落ち着いているね』と1日に何回も言われるようになりました(笑)。お仕事を始めたタイミングでした。でも自分が変わった感覚はないんです。1人の人間として立たなければならない環境になったとき、私の中の冷静な部分が強くなったのかもしれません」
多くの話題作、ヒット作に出演しているが出演の動機になるのはどんなことだろう。
「『あんぱん』も含めてですが、今、皆さんに見てもらうべきものは何だろうというのは考えます。ドラマを見た後、今日1日が楽しかったと思えてもらえたらそれも意味があると思いますし、人生の中で何かずっと心に残っていくような作品も……。自分が心と体を使って今の人に見てほしいと思える作品を届けていきたいです」
最後に今後の蘭子の注目ポイントを聞いた。
「蘭子は曲げない強い気持ちを秘めている人だと伝わるといいなと思います。言葉で気持ちを常に表現する人ではありませんが、それでも意外に思うほど人とぶつかり合うし、信念のある人。それを感じていただけたらと思います」
