オーディション落選→大学進学も諦めなかった夢 元SKE48惣田紗莉渚が選んだ道
SKE48の中心メンバーとして活躍し、現在は舞台を主軸に活動する俳優の惣田紗莉渚(32)が夢の実現に向けて、着実に歩みを進めている。「絶対にあきらめない」を信念に活動し続けたアイドル時代、その頑張りは確実に現在の活動につながっている。

がむしゃらに走り続けた11年「SKE48時代から全く変わらない」
SKE48の中心メンバーとして活躍し、現在は舞台を主軸に活動する俳優の惣田紗莉渚(32)が夢の実現に向けて、着実に歩みを進めている。「絶対にあきらめない」を信念に活動し続けたアイドル時代、その頑張りは確実に現在の活動につながっている。(取材・文=中村彰洋)
アイドルデビューは決して順風満帆ではなかった。幼い頃からバレエを習い宝塚劇団に憧れ、「舞台に立ちたい」という思いが惣田の原動力だった。母に勧められ、13歳だった2006年にAKB48第3期生オーディションを受けるも最終審査で不合格に。その後も2回連続で挑戦するも、デビューの夢はかなわなかった。その後、宝塚音楽学校を受験するも惜しくも届かず。青山学院大への進学を決断した。
「どうしても芸能活動をやりたかったので、大学時代に休学して養成所にも通っていました。そんなタイミングでAKBドラフト会議のオーディション募集が始まって、年齢制限が撤廃されたんです。『なんとしてでも入りたい』という思いで臨みました」
無事にドラフト候補生まで残り、13年11月に行われた「ドラフト会議」でSKE48チームKIIから5巡目で指名され、晴れて14年に正式メンバーとしてお披露目された。実に8年越し、20歳にして夢をかなえた瞬間だった。
17年に行われた「AKB48 49thシングル選抜総選挙」では8位に選ばれ、初の選抜入りを果たすなどしっかりと爪跡も残した。そして21年6月に、「舞台での夢をかなえるため」と宣言し、約8年間のアイドル生活に終止符を打った。
「正直、卒業後にやっていけるかという不安はありました。でも、SKEに入った理由も舞台に立ちたかったからです。宝塚が大好きで、舞台俳優という夢を持ってアイドルになりました。卒業して4年ほどたちましたが、今はより自分のやりたいことができるようになっています。
個人事務所で大きな事務所でもないのに、大きな舞台に立たせてもらえています。本当にありがたいです。SKEで培ったものが生きていると感じますし、今でも応援してくれるファンの方の存在が本当に大きいです」

心に残ったファンからの言葉「いろんな劇場に連れて行ってくれてありがとう」
アイドル時代から泥臭くも真っすぐに走り続けてきた。そんなひたむきな姿でファンの心をつかんできたが、今でもその姿勢は変わっていない。
「グループ時代と内面は全く変わっていないです。SKE時代にガムシャラにやっていた延長線で今も頑張っています。あまり休むこともなく、舞台を中心に、最近は大好きな西武(ライオンズ)関係のお仕事もやらせていただけて、本当に充実しています」
6月5日から上演となる舞台『サザエさん』への出演も決まり、明治座の舞台にも初めて立つ。「本当に人に恵まれて、なんとか1人でも前に進むことができています」と着実に成長していることを実感している。
幼少期から全くブレることのない「舞台に立つ」という夢。
「私は『これをやりたい』となったら絶対にあきらめないタイプなんです。1人になって大変なこともたくさん経験しました。グループにいたからこそできていたことなんだなということを痛感する一方で、1人だからこそできることもあると思っています。それに、1人になっても応援してくださるファンの方は本当に私のことを好きでいてくれているんだなと感じることができています。本当に感謝しかないです」
今後の夢は、大好きな舞台『ミー・アンド・マイガール』への出演とさまざまな劇場にファンを連れて行くことだ。
「帝国劇場に立つことが夢と言ったことがあるのですが、そのほかにもいろんなすてきな劇場があると知ることができました。ファンの方から『いろんな劇場に連れて行ってくれてありがとう』という言葉をもらった時、本当にうれしかったんです。これからも帝劇はもちろん、いろんな場所にファンの方を連れて行けるように頑張りたいです」
「あきらめの悪さは誰にも負けません」。“遅咲き”の32歳は夢をかなえるため、そして自分への悔いを残さぬためにも、これからも全力で走り続ける。

□惣田紗莉渚(そうだ・さりな)1993年1月18日、埼玉出身。13年に「第1回AKB48グループ ドラフト会議」でSKE48チームKIIに指名されグループ加入。17年の「AKB48 49thシングル選抜総選挙」で第8位となり初選抜入り。21年6月にグループを卒業。以降、舞台を中心に俳優として活動を続けている。25年5月24日には元SKE48の東李苑、北川綾巴とともに合同ファンミーティング「うはさりおんin名古屋」を開催する。父親の影響で熱狂的な西武ライオンズファンでプライベートでも足繁く球場に通っている。
