元SKE48東李苑が選んだセカンドキャリア 芸能活動の傍ら一般企業に勤務→起業を決断
SKE48の6期生として活躍し、現在はタレントとして活動する東李苑(あずま・りおん)が新たなセカンドキャリアを歩もうとしている。グループ卒業から約8年という期間で、地元・北海道での芸能活動、東京への移住、結婚、さらには一般企業への勤務とさまざまな経験を積んできた。28歳になった今、どのような未来を描いているのだろうか。

変化した意識「ただ若いだけではやっていけない」
SKE48の6期生として活躍し、現在はタレントとして活動する東李苑(あずま・りおん)が新たなセカンドキャリアを歩もうとしている。グループ卒業から約8年という期間で、地元・北海道での芸能活動、東京への移住、結婚、さらには一般企業への勤務とさまざまな経験を積んできた。28歳になった今、どのような未来を描いているのだろうか。(取材・文=中村彰洋)
2012年にSKE48の第6期生オーディションに合格し、13年2月28日に正式お披露目された東。そこからわずか44日で正規メンバーとしてチームEへの昇格が発表されるなど、将来を嘱望される存在だった。44日という記録は25年5月現在でも48グループ史上最短の記録。大きな期待を背負っていた。
15年には「AKB48 41stシングル 選抜総選挙」で61位となり、フューチャーガールズに選出。16年には代役ながらもミュージカル『AKB49~恋愛禁止条例~』で主演を務めるなど、グループの中心として活動を続けた。そして、17年3月末で約4年間のアイドル活動にピリオドを打った。
「卒業後に不安がなかったかといえばうそになりますが、北海道に1日でも早く帰りたいという思いが強くなっていました。あの時に『あと1年頑張る』と決めていたら、もしかしたら精神的に限界がきていたかもしれないです」
卒業後は充電期間を経て、きたるタイミングでの芸能活動再開を考えていた。「卒業した先輩方から、『一般人には戻れないよ』と言われていました。『恋しくなって表舞台に立ちたくなるから』って。私もそうなるだろうなと思っていたからこそ、“充電期間”という言葉で保険を張っていたんです。でも今はとりあえず休もうって」。
その後は東も予想していなかった急展開だった。いつか所属してみたいと思っていた北海道を代表する芸能事務所・CREATIVE OFFICE CUEからの誘いを受けたことで、話はトントン拍子に進んでいった。
「北海道に戻った3日後にオフィスキューさんから、『舞台に出てみない?』と声を掛けていただきました。もう少しゆっくりしたかった気持ちもありましたが、入りたかった事務所さんだったので、『断る理由ないじゃん!』と出演させていただきました。卒業する時に『忘れないでいてくれるとうれしいです』と言ったばかりだったんですけどね(笑)。約5年間、地元に特化した活動をやらせていただきました」
しかし、年齢を重ねていく中で「30歳になった時に今と同じ環境で良いのか」と考えるようになっていった。また、当時北海道と東京で遠距離交際を続けていたインフルエンサー・ひよとの結婚も考える中で、上京という決断に至った。
「焦りや不安があって、いつか環境のせいにしてしまうだろうなと感じていました。なので、このタイミングで自分自身がよりステップアップできるような環境に身を置こうと、25歳で上京しました。同棲をしてみないと彼との結婚に踏み切れないなと思ったのも理由の1つでした」

女性のセカンドキャリアに寄り添うビジネスを模索「今年の夏までには会社を設立」
上京後、23年2月に新たな事務所に所属、8月に結婚と心機一転の生活となった。一方で、芸能活動はセーブしながらの日々を送っていた。東は「初めて話すんですけど」と前置きしつつ、半年間ながらも一般企業に勤務していたことを明かした。
「上京して1年たった頃に、半年だけではありましたが、広告代理店で働いていました。社会を経験して、仕組みなどを学んでみたかったんです。1つの案件を自分で取ってきて、1から10までしっかりとやり切ったタイミングで『学べた!』と退職しました。そこでの経験のおかげで『自分でもできるんだ』と考えられるようになりました。現在のファンクラブやLINEの構築なども自分でやることができました。家庭と仕事を両立しながら良いペースで進むことができたと思っています」
現在は新たなセカンドキャリアを歩むための準備を着々と進めている。
「最近、事務所と真剣にお話させてもらいました。東京に来てからの2年間で、自分でできることがすごい増えたと感じていて、次は自分で事業を起こしてみたいと思うようになりました。今年の夏までには会社を設立するつもりです。事務所はとても寛容的で、一般企業で働く時も今回も、社長に相談したら『いいと思う。僕は李苑にそういうふうになってほしかった!』って(笑)。
私自身もアイドルとしてのセカンドキャリアに悩みましたし、女性は男性と比べて、結婚や出産など、キャリアに悩むタイミングが多いと思っています。なので、ライフステージの進化とともに女性に寄り添えるようなビジネスをやっていきたいです」
今後は経営者とタレントの2軸で活動を続けていくつもりだ。「私が事業を進めていく中で、どういった形でフォーカスがあたるかは分からないですが、事務所にも恩返しできるような形を選択していきたいです」。
よりステップアップしたいという思いで上京してからの2年で環境が大きく変化した。「私は『これ!』という軸を持っていない人間なんです。ただかわいいとか若いだけでは絶対にうまくやっていけないと思っているからこそ、武器をいっぱい増やしていくことが大切だと思っていました」。
「最近は毎日、Chat GPTと壁打ちしてます」とアイドル時代の東からは想像もできない言葉が飛び出すほどに意識も変化している。28歳で迎えたターニングポイント。数年後には、どんな姿を見せてくれるのだろうか。

□東李苑(あずま・りおん)1996年11月13日、北海道出身。2013年2月にSKE48第6期生としてお披露目。17年3月にグループを卒業した。卒業後は北海道に戻り、18年からは道内でタレントとして活動。23年2月からはディープスキルに所属し、東京を中心に活動を続けている。プライベートでは23年8月にインフルエンサー・ひよとの結婚を発表した。25年5月24日には元SKE48の北川綾巴、惣田紗莉渚とともに合同ファンミーティング「うはさりおんin名古屋」を開催する。約2年前から占い師としても活動している。
