「終わる終わる詐欺?」「え?夢落ちって…」最終回が衝撃的だったジャンプ漫画3選
数多くの人気漫画を生み出してきた『週刊少年ジャンプ』(集英社)のなかには、最終回が衝撃的すぎて読者も驚いてしまった作品が存在する。今回はそんなジャンプ作品のなかから、驚愕の最後を迎えた人気漫画をみていこう。

予想できないエンディングに「この終わり方も好き」
数多くの人気漫画を生み出してきた『週刊少年ジャンプ』(集英社)のなかには、最終回が衝撃的すぎて読者も驚いてしまった作品が存在する。今回はそんなジャンプ作品のなかから、驚愕の最後を迎えた人気漫画をみていこう。
(※以下、作品のネタバレを含む記述があります)
まずは、2004年から18年まで連載された漫画『銀魂』(作:空知英秋)だ。同作は、主人公・坂田銀時と個性的なキャラクターが多く登場し、コメディ要素強めなストーリーが描かれている。同作は最終章で銀時の師匠・吉田松陽の別人格である殺戮者・虚(うつろ)と戦い、物語が完結すると事前に告知していた。
しかし、物語は終わることなく、本誌の増刊号『ジャンプGIGA』での連載が決定するという衝撃的な展開に。さらに『ジャンプGIGA』でも完結せず銀魂公式アプリに移行し、第704話「天然パーマにロクな奴はいない」にて、ついにエンディングを迎えることになる。
一部では「終わる終わる詐欺」といわれていた本作品だったが、読者からは「見事な大団円」「出会えて良かった作品」といった声が集まっており、長らく愛された作品に間違いはないようだ。
また、スピンオフ作品としてアニメ『銀魂 3年Z組銀八先生』が25年10月より放送される。物語は完結したものの、これからも目が離せない作品である。
次に紹介するのは、1998年から2004年まで連載されシリーズ累計3800万部を突破している人気漫画『SHAMAN KING(シャーマンキング)』(作:武井宏之)だ。霊能力者(シャーマン)の麻倉葉が、“シャーマンファイト”という戦いに参加し、シャーマンの頂点を目指す作品である。本作の最終回も、思いがけない形で終わりを迎えた。
最終話である第300話「おやすみ」では、作中のラスボスである麻倉ハオの元へ辿り着くために、葉たちが“シャーマンファイト”を守る十司祭と戦い、高原プラント内で安息する姿が描かれた。一方、同じ頃に葉たちの帰りを待つ物語の語り部・小山田まん太が、ハオに関する不思議な夢をみて物語が終わる。
最終決戦直前でのまさかの夢オチに、当時面食らった読者も多かっただろう。また作品の最後のコマにはみかんが描かれており、当時、読者の間では物語の“未完”を指しているのではないかといわれていた。
唐突な終わり方になった理由は、読者アンケートの順位低迷による連載打ち切りという説もあったようだが、実際の理由は明かされていない。読者からは「これで終わり?」「ラストにびっくり」との声があがっていた。
そして連載終了から8年後の12年に、月刊誌『ジャンプ改』で葉と許嫁(いいなずけ)・恐山アンナ(きょうやまあんな)の息子・麻倉花が主人公の『SHAMAN KING FLOWERS』が連載される。しかし、ジャンプ改が休刊してしまい、本作品も終了となってしまった。
このように2度の連載終了にあったものの、やはり作品自体の人気は高いようで18年に『少年マガジンエッジ』(講談社)にて新章となる『SHAMAN KING THE SUPER STAR』の連載がスタート。21年には『SHAMAN KING』が新作アニメーションとして再びアニメ化されている。
24年の冬アニメでは『SHAMAN KING FLOWERS』が放送され、紆余曲折ありながらもファンをたびたび驚かせ長い間愛されている。
最後に紹介するのは『HUNTER×HUNTER』などを描いた冨樫義博氏の人気漫画『幽☆遊☆白書』だ。主人公・浦飯幽助を中心に、暗黒武術会や魔界での戦いを描いたバトル漫画である。
本作品は、読者もあ然としてしまう終わり方だった。幽助が提案した魔界統一トーナメントは長期的な戦闘が予想されたが、かなり急ぎ足でサラッと描かれている。違和感はそれだけでなく最後は、幽助と幼馴染のヒロイン・雪村螢子が海で戯れるという青春漫画のような形で物語は終了。
このような結末になった原因は、原作者の冨樫氏の体調不良などが原因といわれているが、ネット上では「ここまで描き上げた先生に拍手」「最後がどうであれ傑作なのは間違いない」と肯定的な感想も多い。本作品は、23年にNetflixにて実写ドラマ化されており、漫画と同じく迫力のあるアクションシーンが好評のようだ。
衝撃的な最終回を迎えたジャンプ作品だが、物語が完結してもなお、アニメ化や実写化が話題にあがるというのは人気の証である。今後の動向も見逃せない。
