俳優の伊藤沙莉が10日、都内で行われた第33回橋田賞授賞式に出席し、NHK連続テレビ小説『虎に翼』で橋田賞を受賞した喜びを語った。

　橋田賞は、脚本家の故・橋田壽賀子さんが理事を務めた橋田文化財団によって、1993年に創設。視聴者の心に響き、記憶に残るような良質な番組を少しでも多く制作し、放送してほしいという思いと、高い志を持つ放送人に次々と育ってほしいという願いを込めて贈られる。

　主演を務めた『虎に翼』が「日本初の女性法曹の実話をもとに、時代の変化と人間の成長繊細かつ力強く描き出した。女性の権利や法の役割を見つめ直す視点を持ち、脚本、演出、演技すべてにおいて高い完成度を誇り、深い感動を与えた」という理由で橋田賞を受賞した。

　伊藤自身も「激動の時代を歩んで女性法曹の姿を鮮やかに体現した。主人公の強さと葛藤を繊細に演じ、深い共感と感動を呼び起こした。豊かな感受性と卓越した演技力は視聴者に希望と勇気を与え、日本のテレビドラマに新たな足跡を刻んだ」という理由で橋田賞を受賞するに至った。

　伊藤は「（橋田壽賀子生誕100年という）記念すべきタイミングでこのようなありがたい賞をいただきとても光栄です」と笑顔を見せると「『虎に翼』は撮影のときから、そして終わってから現在まで、そしてこの先もずっと自分の中で生きていく作品。自分にとって、とんでもない財産になるような宝物です」と作品やスタッフ、共演者との出会いに感謝していた。

　撮影を振り返り「毎日、いろいろなことをみんなで話し合って共有しながら作品を作ることが本当に楽しく充実した時間でした」と語ると「お芝居というものが本当に好きなんだなと再確認できた作品。そんなドラマで賞をいただけてうれしく思っています」と感無量な表情を浮かべていた。

＜第33回橋田賞＞
■連続テレビ小説『虎に翼』（NHK）
■『カンブリア宮殿』（テレビ東京）
■宮藤官九郎氏（脚本家）
■阿部サダヲ（俳優）
■伊藤沙莉（俳優）
■池上彰氏（ジャーナリスト）

＜第33回橋田賞・新人賞＞
■河合優実
■奈緒
■松本若菜

＜野村昭子賞＞
■草村礼子

＜橋田壽賀子生誕100年記念特別賞＞
■連続テレビ小説 （NHK）
■石井ふく子氏（プロデューサー・演出家）