「日本は今何でも許されるとなめられてる」 海外客の迷惑行為が横行…京都市の住民が怒り、驚愕の実態
海外観光客による空前の訪日ブームに沸き、日本のおもてなしが世界の注目を集める一方で、あまりの観光客の多さから各地で「オーバーツーリズム(観光公害)」が問題化している。世界的に人気の観光地の一つである古都・京都も例外ではない。ごみ放置や座り込み、暴言……。インバウンド客による迷惑行為の数々に「本当に辟易してます」。日常生活に支障をきたすほど頭を悩ませているという京都市の住民に、驚きの実態を聞いた。

京都市の中心部に在住 「観光業の方はいいでしょうが…」
海外観光客による空前の訪日ブームに沸き、日本のおもてなしが世界の注目を集める一方で、あまりの観光客の多さから各地で「オーバーツーリズム(観光公害)」が問題化している。世界的に人気の観光地の一つである古都・京都も例外ではない。ごみ放置や座り込み、暴言……。インバウンド客による迷惑行為の数々に「本当に辟易してます」。日常生活に支障をきたすほど頭を悩ませているという京都市の住民に、驚きの実態を聞いた。
「私の住む普通の住宅街の町内が、次々と民泊、外国人が経営する宿泊施設だらけになり、タバコや生ごみのポイ捨て、通りがかりの外国人が民家の前で写真を撮る、民家・店頭での座り込みが日常となりました。ますますひどくなっています」
世界遺産の清水寺や、祇園などの京都一の繁華街がある京都市内の中心部で長年暮らしてきた住民は、穏やかに過ごせない現状にため息をつく。
高齢の家族の介護という厳しい現実に直面しながらの生活。次から次へと押し寄せる観光客の影響で、日常生活に影を落としていると言うのだ。
「1日中、家の前の細い道路をお祭りのようにたくさんの外国人が大型キャリーケースをガラガラと音を立てて通る。座り込みは欧米人と言いますか、アジア以外の外国人が多いです。バスの中で私の耳の横でYouTube配信を始めたアジア人女性がいたり携帯で話す人が多いです」
買い物にもひと苦労で、「宿泊施設が密集してるせいで、夕方前には目当ての食料品がなくなります。果物を押したり、触りまくります。先日は、道をあけてくれないので、お願いをしたら暴言を吐かれたりしました」と明かす。
高齢者が困る影響は大きい。「私の住む地域は高齢者が多く、私もそうですが病院に行くためのバスになかなか乗れなかったりします。知らない高齢者の方がバス停でいつも困ってることを話されたりします」。地元の人しか行かなかった飲食店が行列で入れなくなるなど、「高齢の家族の楽しみだった、たまの外食ができなくなりました」。挙げればキリがないほどだ。
怒りを覚える住民はたまらずXで、「同じ京都市内でもわかってもらえないのが辛い。町内のほとんどが民泊、宿泊施設 で法律で何とかならないものかな?」と、苦しい実情を訴えた。
「マナーのいい人もいますが、今や観光客が多過ぎて対策も焼け石に水のような気がします」
コロナ禍が落ち着きを見せたことで、観光需要が復活。来日ブームが勢い付いている。
日本政府観光局(JNTO)の資料によると、2024年の年間訪日外客数は3686万9900人を記録し、過去最高を更新した。今年3月の最新統計は349万7600人となり、3月の月間過去最多を記録。また、3月までの累計は1053万7300人となり、過去最速で1000万人を突破した。また、公益社団法人・京都市観光協会の公式サイトによると、「京都観光総合調査」では、2023年の京都市内の外国人宿泊客数は535万7000人(日本在住の外国人も含む)で「過去最高」を記録している。
インバウンド需要が過熱する一方で、外国人旅行客の言動を巡り、ごみ捨てや無断撮影など観光マナーの悪化や新幹線の荷物トラブルなどが深刻化。京都市内では、芸妓や舞妓を、観光客が追いかけて写真を撮るなどの迷惑行為が問題となっている。
国・自治体による早急なオーバーツーリズム対策が指摘されており、対応は待ったなしだ。ただ、海外客への差別・偏見に結び付けることがあってはならない。
「京都市内でも、観光地以外に住む人とは意見が合わないくらい観光地に住む者は困っています。観光業の方はいいでしょうが、観光地に住む一般市民が困って数年たっているのに、京都市は何もしなかったからです」と住民は苦言を呈す。
「マナーのいい人もいますが、今や観光客が多過ぎて対策も焼け石に水のような気がします。外国旅行に行くならその土地のマナーを学んでから来るのが当たり前だと思いますが、全く通用しないでしょうし……。日本は今何でも許されるとなめられていると思うので、日本では日本のマナーに合わせるという心構えを持ってもらうしかないですね。無理っぽいですが。先日も繁華街で外国人と飲食店のトラブルで警察沙汰もありましたし、怖いです。100歳近い家族を介護しながらのこのオーバーツーリズムの大変さは住んでいる人でないと分かってもらえないのがつらいです」
住民の嘆きは尽きない。事態の一刻の早い改善が求められている。
