関西万博・2億円トイレで「想定を超える異物の流入」 設計者が異例の実態説明
大阪・関西万博2025の“2億円トイレ”設計者である一級建築士・米澤隆氏が5日、自身のXを更新し、ネット上で物議を醸している「トイレ5」に関する投稿内容について説明した。

「真偽については慎重にご確認いただけますと幸いです」と呼びかけ
大阪・関西万博2025の“2億円トイレ”設計者である一級建築士・米澤隆氏が5日、自身のXを更新し、ネット上で物議を醸している「トイレ5」に関する投稿内容について説明した。
X上に投稿された西ゲートゾーンにある「トイレ5」についてのルポ「全部を動かすと水圧が弱く詰まってしまうとのこと」という記述に対し、米澤氏は「これは事実とは異なります。水圧が弱いということもございませんし、詰まりが生じる原因でもございません」と明確に否定した。
さらに、「本来であれば、運用の責任を担われる施設管理者である万博協会様をとび越えて、私ども設計者がこのような説明を続けることはいかがなものかと考えていますが、批判や問合せが私のところに直接寄せられていることもあり、トイレ5に関してこれまで利用停止を繰り返したりその度に使用できるトイレの数が制限されてきた理由について説明させていただきます」と投稿の意図を明かした。
米澤氏によると、これまでタオルや包帯、ウェットティッシュ、生理用ナプキン、パンフレット、チラシ、石など、本来トイレに流してはいけない異物が流され、それらがトイレットペーパーと絡み合い、排水ポンプに噛み込む事例が確認されたという。異物を除去すればポンプは問題なく稼働することも確認されており、「本来トイレに流してはいけない異物が流入したことにより排水ポンプがエラーを発し停止したというのが事実です」が実態だとしている。
さらに、同トイレについて「公共建築や大規模建築の設計経験も豊富な設備設計事務所により同種のイベントの基準に合わせて設備設計がなされています。ですが、これまでの経緯から注意喚起だけでは想定を超える異物の流入が避けられず対策が必要であると万博協会様と共に判断しました」と、抜本的な対応が進められていることを明かした。
そのうえで排水ポンプが停止するリスクを抑えるための暫定措置として、施設管理者である万博協会の判断で使用可能なトイレブースの数を「一部制限」していることも説明された。米澤氏は、5月5日午後5時ごろのトイレ5の写真を添え、「使用できるトイレブースの数が制限されていますが、利用可能な状況」と伝えた。
最後に「無根拠に批判をされているかたも多い中で、スタッフに話を聞かれこのようなルポを書かれたという投稿者の姿勢は評価されるべきことかと思います」としつつも、「真偽については慎重にご確認いただけますと幸いです」と、冷静な対応を呼びかけている。
