2021年のM-1グランプリ王者として、今やテレビで見ない日はない人気お笑いコンビ・錦鯉。53歳の長谷川雅紀は今年元日に結婚を発表、交際8年で15回しか会ったことがないというお相手との関係性が注目を集めている。一方、47歳の渡辺隆は昨年禁煙を発表するなど、年齢から健康面での話題も尽きない。5月6日から全国9都市での単独ライブツアー開催が決定した“中年の星”に、気になる私生活の実情を直撃した。（取材・文＝佐藤佑輔）

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――3回目を迎える独演会全国ツアー「バカの恩返し」に向け、意気込みは。

長谷川「こうやって全国を回らせてもらうのも3回目。今回が初めての会場（新潟、福島）もあるので、ぜひ生の僕たちを見に来ていただいて、『こんにちは』合戦をやりましょう！　負けませんよ！」

渡辺「コンセプトが変わってるじゃねえか……。M-1優勝から3年半で、我々もぼちぼち“終活”を迎えにいってる。どんなおじいちゃんになっていっているかを見てほしいです」

長谷川「普通、おじいちゃんになると段々小さくなっていくじゃないですか。僕の場合は逆にどんどん大きくなってる。50歳過ぎてから20キロ太っていますから。ツアーまでには少しは痩せて動けるようにしておかないと」

――幸せ太りもあるのでは？　あらためてご結婚おめでとうございます。

長谷川「ありがとうございます。入籍は去年の8月だったんですけど、縁起がいいので正月に発表させていただきました。発表翌日の1月2日から後輩4人と正月旅行に行ったんですけど、行く先々で『結婚おめでとう！』って声をかけていただいて。メンバーの1人に去年の『（女芸人No.1決定戦）THE W』で決勝に進出したもじゃがいたんですけど、もじゃが僕の奥さんだと思われていたみたいで、あれは嫌でしたねえ」

渡辺「もじゃだって嫌だろ！　お互い様だよ」

長谷川「伊豆の旅館に泊まったんですけど、偶然隣の部屋にプライベートでコウメ太夫が泊っていて。すごい確率じゃないですか？　数ある宿の中で」

渡辺「一緒になったお客さんにしてみればハズレもいいとこだよ」

――別居婚との報道もあるが、あらためて新婚生活は。

長谷川「同居の準備ができてなかっただけなんですけど、実は（取材日の）ほんの1週間前から一緒に住み始めました。まだ段ボールが山積みになっているような状態で、今まさに部屋を片付けている最中。同居初日は本当に何年かぶりにごはんを炊いて、炊き立てのごはんにみそ汁という人間らしい食事を取りました」

渡辺「出所した人みたいになってるじゃねえか」

――交際8年で会った回数は15回、最長で3年2か月も会わない期間があった。

長谷川「お互いに若ければもっと会っていたんでしょうけど、年齢も年齢なので。電話も8年で1度だけ、向こうで地震があったときにかけたくらいで。ただ、LINEで毎日連絡は取っていました。こっちは今日雨だよとか、風強いよとか、どんなにくだらないことでも欠かさずに。別れ話のようなものは1回もなかったし、けんかになった記憶もないです。

　結婚しなかったのは経済的な理由だけだったので、芸人で食っていけるようになったら籍を入れたいねとは話していました。今振り返ってみると、よく別れずにここまでこぎ着けたなと。挙式の予定？　ないですねえ。式も新婚旅行も、指輪も買ってない。年齢が年齢だからって、向こうがあまり乗り気じゃないみたいで」

渡辺「……やっぱり、本当は実在してないんじゃないの？」

――渡辺さんはまだ紹介してもらってない？

渡辺「まだ見たこともないです。単独ライブにも、奥さんの親戚を名乗る人とかは来るんですけど、僕にとっては本当に赤の他人だし」

長谷川「赤の他人って言うなよ！　奥さんの同僚の、お姉さんのご家族だよ！」

渡辺「それを赤の他人って言うんだよ！」

――渡辺さんは番組の恋愛企画で元フジテレビ・大島由香里アナとマッチング、その後の進展は。

渡辺「何もないですよ。大島さんも酒好きだから、たまに一緒に飲むくらい。最後に彼女がいたのは30歳くらいのときで、結婚願望もない。タイプの女性？　うーん、日によるなあ（笑）。ギャルも好きだけど、熟女と飲みたいときもある。そういう意味でも、僕は結婚の予定はないです」

――2月に放送された番組内では、長谷川さんがギャグの途中で卒倒した場面が波紋を呼んだ。

長谷川「ギャグをやるのに、急に立ち上がったもんだからちょっと立ちくらみがしただけで。僕は笑いながら倒れたつもりだったんですけど、オンエアを見たら周りが本当に心配そうな顔で駆け寄ってきてたから、心配かけちゃったなあと。今は見ての通り全然平気です。隆からは『ギャグの最中に死んだら芸人としては本望だ』って言われました」

――健康面の話題では、昨年渡辺さんが禁煙を発表したことも話題を呼んでいる。

渡辺「かかりつけのお医者さんから、『いい加減タバコやめなさい！　いつになったらやめるんですか』って怒られまして。その先生、怒りのあまりちょっと涙ぐんでいて、これはもうやめざるを得ないなと。今禁煙7か月目ですけど、吸いたい気持ちは一向になくならない。記者さんには申し訳ないですけど、今もこの場で吸いたいくらいです」

長谷川「僕は禁煙してもう5年くらいになるんですけど、つい最近テレビでタバコ吸ってるシーンを見たら、すっごく吸いたくなっちゃって。隆はすごいよ。やめると決めたらきっぱりやめるんだから」

渡辺「雅紀さんはもらいタバコとかしてたっけ？」

長谷川「もらいタバコもしたし、電子タバコを吸ってみたり、家だけはOKとかズルズル続けてた。今の奥さんにはやめたって言っていたんですけど、一緒に近所のコンビニに行ったときに、店員さんが『来月から値上がりするから、カートン買うなら今のうちですよ』と話しかけてきて。『誰かと間違ってるんじゃないの？』ってシラを切りましたけど、それでバレてやめましたね」

渡辺「そんなバレ方あるんだ（笑）。店員さんのナイスアシストだよ」

――M-1では令和ロマンが史上初の2連覇、元王者として思うところは。

渡辺「本当にすごいこと。しっかり王者の風格でしたし。本当の意味でM-1が若手の大会に戻ったというか、令和ロマンが戻してくれた。本来、僕らとかウエストランドみたいなジジイが出ていい大会じゃないんです。優勝させてもらってありがたい反面、申し訳ない気持ちもあった」

長谷川「隆の言う通りで、僕らが言うのもなんだけど、やっぱりM-1って20代から30代前半くらいまでの大会なんです。最近は感覚がまひしてるけど」

渡辺「50歳で優勝しちゃダメなんですよ。あくまでも若手の登竜門なんだから。業界全体の新陳代謝という意味でも、あそこで優勝した人が今後の芸能界を担っていく。それを令和ロマンがちゃんと戻してくれた。テレビ業界も今いろんな問題がありますけど、演者もスタッフも同じくらいの若い世代で、時代に合った番組を作っていってほしい」

――オンラインカジノ問題も話題だが、SMAの芸人にスキャンダルがないのはハリウッドザコシショウの教え？

長谷川「シショウは、女性のいる飲み会には行かないとか、車も運転しないとか、とにかく徹底してますからね（笑）」

渡辺「うちの芸人はみんな金がないからな。ギャンブルとかも、金がなきゃやりたくてもできない。あとは、みんなもう若くないっていうのが一番大きいかもしれない。若い頃は多少遊んでいても、家族がいたり、いろいろなものを天秤にかけられる年齢だから。何よりお笑いが好きで、何か問題を起こしたらお笑いが続けられなくなるというのもあるんでしょう。そういう意味では、シショウの教えも生きているのかもしれませんね」

□長谷川雅紀（はせがわ・まさのり）1971年7月30日、北海道札幌市出身。お笑いコンビ「錦鯉」のボケ担当。北海道の専門学校を中退後、94年にコンビ「まさまさきのり」（その後『マッサジル』に改名）でデビュー。解散後、ピン芸人「のりのりまさのり」を経て、12年に渡辺と「錦鯉」を結成。21年に錦鯉として初の自叙伝「くすぶり中年の逆襲」を出版。M-1グランプリ2021王者。

□渡辺隆（わたなべ・たかし）1978年4月15日、東京都江戸川区出身。お笑いコンビ「錦鯉」のツッコミ担当。大学中退後、01年にコンビ「ガスマスク」でデビュー。解散後、コンビ「桜前線」を経て12年に長谷川と「錦鯉」を結成。21年に錦鯉として初の自叙伝「くすぶり中年の逆襲」を出版。M-1グランプリ2021王者。