菊川怜、15年ぶり映画出演で主演「ドキドキワクワク」 老舗酒蔵のリアルを描く
俳優の菊川怜が、15年ぶりに映画出演を果たす主演作『種まく旅人~醪のささやき~』が、10月にアークエンタテインメント配給で公開されることが29日に発表された。

淡路島の老舗酒蔵を舞台に日本酒づくりと人々の絆を描く
俳優の菊川怜が、15年ぶりに映画出演を果たす主演作『種まく旅人~醪のささやき~』が、10月にアークエンタテインメント配給で公開されることが29日に発表された。
『種まく旅人』シリーズは、故塩屋俊監督の「映画を通して第一次産業の素晴らしさや豊かさを伝えていきたい」という想いをもとに製作された作品群で、これまでに大分県臼杵市、兵庫県淡路島、岡山県赤磐市、石川県金沢市を舞台に、各地の第一次産業をテーマにした物語が描かれてきた。
シリーズ第5弾となる本作は、兵庫県淡路島を舞台に、日本酒とその原料となる酒米・山田錦に焦点を当て、酒造りに携わる人々のものづくり精神や現場での葛藤をリアルに映し出す。主演の菊川は、農林水産省官僚・神崎理恵役として、老舗酒蔵を訪れる中で、現代の酒造りが直面する問題に向き合う姿を演じる。
共演には、金子隼也、清水くるみ、朝井大智、山口いづみ、たかお鷹、白石加代子、升毅、永島敏行ら実力派俳優が名を連ね、監督はシリーズ2作目の担当となる篠原哲雄氏が務めた。
菊川は、1998年に東京大在学中にスカウトされ、東レキャンペーンガールとしてデビュー。卒業後は俳優に転身し、数々のドラマで主演を務めた。2024年にはドラマ『買われた男』(テレビ大阪)で8年ぶりにドラマ出演し、話題を呼んだ。
主演の菊川、監督の篠原氏のコメントは下記の通り。
○菊川怜
「今回15年ぶりに映画出演させていただくことになり、しかも大好きな日本酒がテーマということで、ドキドキワクワクでした。私が演じる神崎理恵という役は、日本酒をこよなく愛する農林水産省の官僚で、視察のために訪れた老舗酒蔵で、現代の酒づくりが直面する現実に向き合います。そして、酒蔵の人達と交流する中で、その熱い思いに触れ、次第に心を通わせ、ともに困難を打開しようとします。撮影は本物の酒蔵で行われ、実際の作業工程なども見ることが出来、とても興味深かったです。
そして、舞台である淡路島の自然や食べ物などにどっぷり浸かっての撮影はとても楽しかったです。私自身も大好きな日本酒づくりをテーマに伝統産業の魅力と関わる人たちの想いや現状、そして舞台となる淡路島の魅力をこの作品をとおして、皆さんにお伝えできればと思っています。ぜひ楽しみにしてください!」
○篠原哲雄監督
「私にとって、この『種まく旅人』シリーズは二本目、しかも前回に引き続き二度目の淡路島。大変光栄な気持ちで撮影に挑む事ができ、お世話になった島の方々にまずは感謝したいと思っています。そしてこの度は日本酒の酒造屋を舞台に伝統的な手法を貫こうとする父親と新しい方法を模索する息子との意識の違いが物語の根底に流れる、どんな仕事にも通じる匠な技への拘りとその反面にある歪みの問題を捉えた普遍的なお話と言えます。
酒を仕込むのは本来は冬の時期。そこを避けて臨んだ撮影の時期はまだ夏の名残のある9月だった。お世話になった千年一酒造さんには、あり得ない時期に本当に酒作りしているかのように見せるために、米を洗い、蒸し、麹を蒔いて、やがて醸造されていく過程を懇切丁寧にご指導いただき、粘り強く寄り添っていただいた事でこの映画は完成しました。
麹室と呼ばれたその部屋での撮影は38度くらいの温度でないと麹が育たないので、そこは本物に見せるために温度にはこだわって撮影されました。皆必死で撮影に挑んでくれ、そんなスタッフキャストが一丸となって映画作りに励んだ三週間でした。まずは映画を楽しんでいただき、見終わった後に美味しいお酒を飲みながら淡路島への旅を夢見て、主人公の言葉通り『行ってきます、淡路へ!』が実現するならこの映画を作った甲斐があるというものです」
