スマパチやスマスロの誕生、ラッキートリガーの登場などパチンコ・パチスロは時代の変化とともに新たなゲーム性が誕生している。そんな中、次なる注目は6月2日からホールデビューするパチスロの「ボーナストリガー（BT）機」だろう。6号機に入ってから、1回あたりのボーナスの払い出し枚数が5号機時代と比べて減少し、ノーマルタイプのゲーム性の幅が狭められてしまった。そんな“冬の時代”に登場するBT機には、大きな注目が集まっている。今回、長年にわたり専門誌のライターとして活動を続ける濱マモルがBT機の仕組みを解説する。（文＝濱マモル）

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　いよいよ6月2日、パチスロの「ボーナストリガー（BT）機」が登場する。

　昨年8月に解釈基準が改正され、実現可能となったBT機。BTとは、規定数固定機能を採用した新機能だ。規定数とは、3枚掛けや2枚掛けといった遊技機規則上における「遊技枚数」。分かりやすくいえば、1ゲーム消化するために使用するコイン枚数のことである。

　従来のノーマルタイプはプレイヤーが規定数を選択でき、それに応じてボーナス当選率などの性能が設定されている。対して、BT機はボーナス終了後に規定数が3枚or2枚のどちらかに固定。その結果、ボーナス終了後の性能が大きく変化するというわけだ。ちなみに、BT機に指示機能（AT機能）とRTは搭載できない。

　日本遊技機工業組合と日本電動式遊技機工業協同組合は2月末、記者会見を実施。BTのゲーム性として「ループタイム」「ノーマル＋プレミアムループタイプ」「引き戻しループタイプ」「ボーナス2回セットタイプ」「ボーナス獲得枚数上乗せタイプ」の5種類を挙げた。

　各種業界誌や攻略誌によると、まずループタイプは文字通り、ボーナスが連チャン＝ループするタイプ。ノーマル＋プレミアムループタイプは、基本はノーマルタイプと同じだが、低確率のBTボーナスを引ければ高確率でのボーナスループが狙える。

　引き戻しループタイプは、ボーナス当選で必ずBTに突入＝小当たりを引くまでボーナス高確率状態が継続。かつての「集中機」に近いものを再現できそうだ。

　ボーナス2回セットタイプは2種類のボーナスをつなげることで、ノーマルタイプを超える獲得枚数を得られる仕様。残るボーナス獲得枚数上乗せタイプは、セットタイプとループタイプを合わせたようなシステムと思われる。

　記念すべきデビュー日に導入予定のマシンは山佐の「スマスロニューパルサーBT」、ネットの「翔べ!ハーレムエース」、オーイズミの「LB パチスロ1000ちゃんA（アルファ）」、ヤーマの「LBジャックポット」、オリンピアエステートの「LBプレミアムうまい棒」の5機種だ。詳細は割愛するが、いずれも異なるゲーム性を有しているようだ。

　6号機のリアルボーナスは、払い出し枚数が5号機の最大480枚から最大300枚まで抑えられた。理論上の最大獲得枚数は280枚だが、BTを搭載することで、初当たりで280枚以上の出玉を得られるようになる。

　となると、「ビッグが連チャンし続ければ、一撃で万枚とか出せちゃうんじゃないの？」と妄想するプレイヤーも出てくるだろう。もちろん、ヒキ次第では出せなくもないだろうが、先述したメーカー団体はBT機を「AT機とノーマルタイプの中間」と位置付けているので、現状は、ボーナスタイプに“おまけ”が付いたレベルと考えておくべきか。

　一方で、メーカーは常に斬新なシステムを生み出し続けている。今後、ファンを驚愕させるマシンが誕生する可能性も大いにあり得るし、そうなれば、多くのシェアを占めるスマスロAT機を脅かす存在になるかもしれないが、古参パチスロ好きにとって、リアルボーナス機は安らぎの場。やりすぎて、それを壊してほしくはない……と思うのも正直なところである。

□濱マモル（はま・まもる）フリーライター。1976年2月4日、神奈川県横浜市出身。大学卒業後、レコード会社勤務を経て、2002年に攻略誌「パチスロ必勝ガイド」でライターとしてのキャリアをスタート。パチンコ・パチスロやギャンブル系を中心に、音楽・野球・街情報など、幅広い分野で執筆する。趣味は飲酒、特技は料理。バンドマンとしての顔も持つ。