アントニオ猪木氏 議員時代の“警告”が的中 様変わりした東京五輪に「誰が責任取るのか」
元プロレスラーで前参院議員のアントニオ猪木氏(76)が1日、都内で事務所開きを行い、東京五輪のマラソン・競歩が札幌開催になったことに言及した。
「こんな暑い時になんでやるんだ」国会で追及の過去
元プロレスラーで前参院議員のアントニオ猪木氏(76)が1日、都内で事務所開きを行い、東京五輪のマラソン・競歩が札幌開催になったことに言及した。
猪木氏は東京五輪が決まった直後から、その開催時期に疑問を突き付け、国会で「こんな暑い時になんでやるんだ」と当時の閣僚らを追及してきた。この時期に決まった裏に、国際オリンピック委員会(IOC)に大きな影響力を持つ米国の意向があるとし、「理想的な気候」とアピールした日本の招致委員会作成の立候補ファイルを糾弾。「バカ言うな」と、秋以降の五輪開催を迫った経緯がある。
スッタモンダの末、マラソンを札幌に移転させたIOCの決断に「選手ファーストであれば、それが基本じゃないの。選手の安全を考えた時、選手は言われたらやるしかない」と理解を示した猪木氏は、問題続出で当初の“コンパクト五輪”から大きく様変わりしたことを問題視。
「前から言ってる話。今になって言い出して。この時期は最高の季節で最高のパフォーマンスができるなんて、誰がこんなこと決めたの。決めたヤツはいなくなっちゃう。誰も責任は取らない」と舌鋒鋭く指摘した。
東京都がコースの遮熱舗装などに投入した血税300億円も無駄になった。「発想自体がバカじゃないの」と一刀両断にした猪木氏は「原点に返れば、選手村から半径8キロ圏内の会場を売りにしていたはず。それが条件で決まって大喜びして抱き合った。それが、埼玉行ったり、神奈川行ったり、今度は北海道。一番の問題は、誰が責任を取るんだよというね。責任を取る人がいない」と畳みかけた。
夏の参院選に出馬せず、政界を退いた猪木氏だが、東京五輪では親交の深いキューバの選手らをサポートする方針。また、北朝鮮の選手団についても「表向きは言ってないけど、合宿するところがない」と話し、支援を示唆した。