横浜流星、映画公開は「当たり前ではない」 カンヌ国際映画祭への選出に喜び「憧れの舞台」

俳優の吉沢亮、横浜流星が23日、都内で行われた、映画『国宝』(6月6日公開)完成報告会に高畑充希、寺島しのぶ、森七菜、見上愛、田中泯、渡辺謙、李相日監督とともに出席した。

完成報告会に登場した横浜流星【写真:増田美咲】
完成報告会に登場した横浜流星【写真:増田美咲】

第78回カンヌ国際映画祭「監督週間」に選出

 俳優の吉沢亮、横浜流星が23日、都内で行われた、映画『国宝』(6月6日公開)完成報告会に高畑充希、寺島しのぶ、森七菜、見上愛、田中泯、渡辺謙、李相日監督とともに出席した。

 イベントでは新予告を上映。主題歌が『Luminance』(原摩利彦 feat.井口理)という情報も初解禁された。作詞には故・坂本龍一さんの娘である坂本美雨が参加した。井口は「この度、光栄なことに主題歌のお話をくださり、自分なりにこの映画を咀嚼し、歌わさせていただきました。この映画『国宝』で描かれる恐ろしくも美しい世界を、少しでも彩ることが出来たなら幸いです」とコメントを寄せた。

 横浜は「映画が完成し、届けられるというのは当たり前ではないので、本日無事に皆さまに映画の完成を報告できうれしく思います」とあいさつ。

 さらに先日、第78回カンヌ国際映画祭「監督週間」への選出も発表された。発表時は、“運命”のように撮影地の京都で吉沢、横浜が同じ現場で撮影していたという。

 吉沢は「本当に普段から映画に携わらせていただいてる人間としては、やっぱカンヌっていうのはすごく憧れの舞台といいますか、そのような場所にお邪魔できるっていうのもすごくうれしいですね。日本が世界に誇る文化がこうやって世界に放たれて、どういう評価をいただけるのかっていうのはすごく楽しみ」とワクワクしていた。

 一方、横浜は「映画人としてカンヌって憧れの場所。我々魂を込めた作品ですので、心からうれしいですし、上映されて海外の方々がどう受け取り感じてくださるのか非常に楽しみです」と喜びを分かち合った。

 役作りについても、吉沢は「本当にこの作品は撮影期間も含めると1年半歌舞伎の稽古を重ねて、役作りに向き合ってきました。なかなか1年半っていう期間を、1つの役作りとして向き合う時間って、やろうと思ってもやれなかったりする。本当にそういった意味では、もちろんどの作品も特別で、全力でやってますけど、特にこの作品は時間とエネルギー量がもう桁違い。それだけのものを背負って現場に臨んだ。僕の今までの役者人生の集大成と言いますか、今まで培った全てをぶつけた作品ではあります」と振り返った。

 また、歌舞伎役者という役柄については「役者っていう部分ではつながる部分もありつつも、また全く違う世界だなっていうのを改めて感じた」と言い、「我々は人間の人生を演じていく、生きていくわけですけど、やっぱり歌舞伎役者さんって、何百年もいろんな先人たちが積み上げてきた1つの芸を生きるっていう、そこへの覚悟だったりとか積み重ね。皆さん小さい頃から舞台に立たれて、何年も何十年も積み重ねて形にしていくものを、やっぱり1年半では技術的なことを言ったら足りない部分たくさんあると思いますけど、だからこそ我々役者がこの作品をやった意味があったのかなって。がむしゃらな精神というか意地みたいなものが、僕は喜久雄を通してすごくこの作品に感じたし、そういったものを見ていただきたいポイントかな」と見どころを語った。

 横浜は「俊介という人物は自分と正反対で、もっと言ってしまうと苦手な人間。普通の役作りと違うのは、まず理解し、愛すことから始めました。完成した作品を見て、やっぱり現に人生を捧げた彼らの生き様が美しくて感銘を受けましたし、何より励まされましたし、ただただ自分も彼らのような人生を過ごすためには芸に励むのみだなと思いました。なので、役者の方々も見ていただくといろんな思いが感じられるのかな」と刺激を受けたことを明かした。

 吉沢が主演を務める本作は、これまでも数々の賞に輝いた吉田修一氏が原作。任侠の一門に生まれながらも、歌舞伎役者の家に引き取られ、芸の道に人生を捧げる主人公・喜久雄の50年を描いた壮大な一代記だ。2017年から朝日新聞にて連載され、歌舞伎界を舞台にした本作は、連載時から大きな話題となり、18年に単行本化された。19年第69回芸術選奨文部科学大臣賞、第14回中央公論文芸賞をダブル受賞し、吉田氏が3年の間歌舞伎の黒衣をまとい、楽屋に入った経験を書き上げたこん身の作品だ。

 父を抗争の末に亡くし、上方歌舞伎の名門・丹波屋に引き取られ、稀代の女形として脚光を浴びていく主人公・立花喜久雄(花井東一郎)を吉沢、上方歌舞伎の名門・丹波屋の御曹司として生まれ、喜久雄の親友でありライバルの大垣俊介(花井半弥)を横浜、上方歌舞伎の名門で丹波屋の看板役者・花井半二郎を渡辺、喜久雄の幼なじみで喜久雄を追って上阪し、ミナミのスナックで働く福田春江を高畑、上方歌舞伎の名門・丹波屋女房で俊介の母・大垣幸子を寺島、歌舞伎役者の子に生まれ、喜久雄のことを恋慕う彰子を森、喜久雄が京都の花街で出会う舞妓・藤駒を見上、小野川万菊を田中が演じる。

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