俳優の松坂桃李が23日、寺尾聰と主演を務める映画『父と僕の終わらない歌』（5月23日全国公開、小泉徳宏監督）の完成披露試写会に登壇。寺尾との共演に特別な思いがあったことを明かした。

　親子を演じた寺尾と松坂桃李は、過去に大河ドラマ『軍師官兵衛』などで共演している。寺尾は松坂桃李が息子役と聞いて本作のオファーを受けたことを明かし、「芝居で向かい合ったときに自分がナチュラルに役を演じられるかどうか。名優さんでも合うとは限らない。自分の好き嫌いかもしれません。彼とは何度も仕事をしたわけではありませんが、何か刺さるものがあり、俳優として向かい合った私が自然に感じるものを持っている人。そういう人と一緒に仕事をしたいと、プロデューサにかなりわがままを言った」と言及した。

　この発言を受け松坂桃李は、「もったいないお言葉です」と感激し、「何年も前に寺尾さんが主演の作品に出させていただくタイミングで、ちょうど肺炎を患ってしまった。医者の方にも止められたのですが、なんとか無理を言って、じゃあ1日だったらいいですよということで参加させていただいたことがありました」と回想。「いつかちゃんとご一緒したい、がっつりと共演したいという思いがあり、今回、親子役で実現できたことが何よりうれしくて、夢のような時間でした」と喜びを伝えた。

　同作は、アルツハイマーになった父とその息子が起こした、イギリスの奇跡の実話がもとになった作品。日本が舞台となり、横須賀に生きる父・間宮哲太（寺尾）と息子・間宮雄太（松坂）に置き換え、それぞれの愛と葛藤、家族や友人たちに支えられながら、アルツハイマーの父が若き日に諦めたレコードデビューの夢を、再びかなえようとするまでの感動の物語を描く。

　舞台あいさつには、松坂慶子、佐藤栞里、副島淳、三宅裕司、石倉三郎、齋藤飛鳥も登壇し、豪華キャスト陣がステージに集結した。