マーティン、心は生粋の日本人 大学中退→芸能界挑戦で迷惑を掛けた母親への感謝
日本テレビ系『ZIP!』での「いただきマーティン!」のあいさつで朝からお茶の間に元気を届けていた“ハーフタレント”のマーティンが4月6日に30歳の誕生日を迎えた。そんな節目のタイミングにYouTube上で新たな企画をスタートさせた。テーマは「親孝行」。実の母親が顔出しで登場し、実際に親孝行していく姿を届けていくというものだ。なぜこのようなテーマでの発信を始めようと思ったのか。マーティンに理由を聞いた。

YouTubeで「親孝行」をテーマにした動画を配信
日本テレビ系『ZIP!』での「いただきマーティン!」のあいさつで朝からお茶の間に元気を届けていた“ハーフタレント”のマーティンが4月6日に30歳の誕生日を迎えた。そんな節目のタイミングにYouTube上で新たな企画をスタートさせた。テーマは「親孝行」。実の母親が顔出しで登場し、実際に親孝行していく姿を届けていくというものだ。なぜこのようなテーマでの発信を始めようと思ったのか。マーティンに理由を聞いた。(取材・文=中村彰洋)
「30歳になるタイミングで何かやりたいと悩んでいて、YouTubeをリニューアルするにあたり、松本泰治さん(フジ『めちゃ×2イケてるッ!』などを担当し、現在は極楽とんぼ・山本圭壱『けいちょんチャンネル』たのディレクター)に相談したら、『やりたいこと100個書いてみなよ』とアドバイスをもらいました。いろいろ書いていた中で、『親孝行』というワードが上位にありました。YouTubeでやるのは少しズルい気もしましたが、プライベートで感謝を伝えるのは少し照れ臭さもあるので、『これは良い機会だな』って(笑)」
出身地はアメリカだが、3歳の時に母の故郷でもある日本へ移住した。英語は全く話すことができず、心は生粋の日本人だ。しかし、見た目は外国人のため、色眼鏡で見られることもしばしば。そんな時に救ってくれたのが母親だった。
「小学校の頃に先輩にいろいろ言われたことがあって、その時に母親に相談したら、学校に乗り込んでくれたこともありました。本当に強い人ですよね。素直にうれしかったです」
中学校は“皆勤賞”。「反抗期は全くなかった」と笑う。今でも母親とは、一緒に買い物に出かけたり恋愛の話もしたりと、友達のような関係性と明かす。一方で、大学を早々に中退、実家暮らしの期間が長かったこともあり、「迷惑しかかけてないですね」とも口にする。
「学生時代は毎朝起こしてもらったり、弁当を作ってもらったり(笑)。大学もせっかく予備校に通わせてもらって、学費も払ってもらったのに、辞めちゃいました」
教員志望で大学受験に臨むも、志望校には落ち続け、結果は第8志望の大学へ進学することに。「モチベーションも低い中、『学部で1人しか教員になれない』と最初に言われてしまって、『無理だ』と緊張の糸が切れちゃったんですよね」と当時を振り返る。
「遊ぶ生活になっちゃいそうだなと思い、だったら辞めちゃおうって。今思えば本当に甘えていましたね」

3~4年にわたるバイト暮らしの下積み生活「本当に何が起こるか分からない」
そんな将来に思い悩んでいたタイミングで、SNSのDM経由でスカウトの連絡が届いた。
「昔からテレビっ子で目立つのが好きだったので、『これは良い機会だな』と思いました。大学を辞めようと思っていた時期だったので、『これをきっかけに1度芸能に挑戦してみよう』と決断しました」
2016年にモデル活動をスタートさせ、芸能界デビューを果たしたものの、その後3~4年は日の目を見ることはなかった。バイト暮らしで金銭的にも厳しい日々が続いたが、「まだ何も始まっていない」と言い聞かせ、チャンスを待ち続けた。そういった努力が実を結び、現在の事務所・ツインプラネットへの所属が決まった。これをきっかけに、人生が激変していった。「本当に何が起こるか分からないなと思いました」。
19年には日本テレビ系『ZIP!』内の食レポコーナー「いただきます!日本全国朝ごはんジャーニー」へのレギュラー出演をオーディションでつかみ取ったことで、知名度もグングンと上がっていった。『仮面ライダー』に憧れていたマーティンにとって、「まさか自分がタレント活動をすることになるとは思っていなかったです」と驚きを口にする。
壁にぶつかったとしても、何事も前向きに捉える突き抜けてポジティブな性格が強みだ。「寝ちゃえば嫌なことは忘れます。悩みごともあまりないんですよね」。豪快に笑い飛ばす姿が印象的だが、高校生の頃までは「気にしいだった」と意外な一面も明かす。「あえて自分から全校生徒の前に立つようにしたり、自分で『雑音は気にしない』と言い聞かせていましたね」。そういった努力を積み重ねてこその今がある。

先輩・ウエンツ瑛士に憧れ「いつかお会いしてみたいです」
今後については「目の前のことに全力であまり先のことは考えていない」と何事にも全身全霊を注いでいく。「『しゃべくり007』に出ることが夢なんです。事務所の先輩の(鈴木)奈々さんみたいに活躍したいですね。でもドラマにも出たいです。NGはナシです!」。
芸能界では、いわゆる“ハーフタレント”と芸能人たちも多く活躍しているが、「そういった“枠”のようなものは気にしていないです」と断言。「ウエンツ(瑛士)さんに憧れています。MC力やトーク力などすごいなと思います。まだお会いしたことはないので、いつかお会いしてみたいです。緊張しそうです」と口にする。また、同事務所の村重杏奈にも対抗心を燃やす。「すごい活躍ですよね。悔しさもありますけど、僕には僕の戦い方があると思って頑張ります」。
今回の「親孝行企画」はそんな“マーティンの戦い方”の一つになるだろう。「あの時、ああしておけばよかったということを一つでもなくしてほしいですね」と1人でも多くの視聴者に届くことを願っている。
「親へ感謝を伝えることが照れくさい人も多いと思います。そんな人がこの動画を見て、『ちょっと電話してみようかな』と思ってもらえたらうれしいですね。
この企画を始める前に母へ『親孝行をしたい』と伝えたら、それだけでウルッとしてくれたんです。そんな一言だけでも親ってうれしかったりするんだなとも改めて感じたので、全力で親孝行していきたいです」
□マーティン 1995年4月6日、アメリカ出身。アメリカ人の父、日本人の母の間に生まれる。3歳から日本に移住し、神奈川県・平塚市で育つ。2019年3月から約3年間、日本テレビ系『ZIP!』内の「いただきます!日本全国朝ごはんジャーニー」でレギュラーを務めた。地元・平塚をこよなく愛し、平塚市の観光大使になることを目標に掲げている。
