『べらぼう』安田顕、心に残った裏方からの一言 源内役で意識した逆算「何が今後につながるか」

俳優の安田顕が、平賀源内を演じるNHKの大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(日曜午後8時ほか)の取材会に出席。源内を演じきった心境とともに、源内の最期のシーンに込めた思いを語った。

平賀源内を演じた安田顕【写真:(C)NHK】
平賀源内を演じた安田顕【写真:(C)NHK】

田沼意次役・渡辺謙との共演は「すごくありがたい経験」

 俳優の安田顕が、平賀源内を演じるNHKの大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(日曜午後8時ほか)の取材会に出席。源内を演じきった心境とともに、源内の最期のシーンに込めた思いを語った。

 物語は18世紀半ばに江戸のメディア王と呼ばれた蔦重こと蔦屋重三郎(横浜流星)を軸に描く痛快エンターテインメントで、森下佳子氏が脚本を手掛けている。安田演じる源内は発明家にして本草家、戯作者、鉱山開発者という“希代の天才”として、吉原のために奔走する蔦重の相談に乗るなど物語の重要人物だった。

 安田は本作への出演が決まった際、「渡辺謙さんとご一緒できるのは、やはり光栄至極です」とコメントしていた。源内は渡辺演じる時の権力者・田沼意次と国のあり方を議論し、事業を託されるなど深い関係として描かれ、共演シーンも重ねた。

 ハリウッドでも活躍する渡辺との共演は「すごくありがたい経験でした」と振り返り、「さりげなくアドバイスもくださって、それぞれの芝居をする人と共にセッションすることをすごく楽しんでいて、とてもすてきな方でした」と現場での姿勢に敬意を表した。

 そして「源内も田沼のことが大好きだったと思うんです」と劇中の2人の関係に触れ、「この物語上のブロマンス的なつながりがあったと思います。そこが虚々実々で、渡辺さんも私に対して親密に接してくれていたと思います」と語った。

 また、安田はクランクアップを源内と田沼が初めて出会ったシーンで迎えたという。その際、渡辺からは「これで終わらせないぞ! オレ、ちゃんと森下さんに言ってな、もう一回出してもらえるようにするから! やろうぜ!」と握手をしながら熱く励まされたと明かし、「渡辺さんから言われたら、うれしいじゃないですか」と相好を崩した。

 第16回「さらば源内、見立は蓬莱(ほうらい)」では、源内がはめられて人殺しの罪により捕らえられる様子が描かれ、その後、獄中で亡くなったことが田沼に伝えられた。安田は、史実として源内が獄中で亡くなったことが広く知られていることを挙げて、「最後にこうなると分かっているので、何が視聴者の皆さんに楽しんでもらえるか、何が今後の『べらぼう』につながるのか、それはやっぱり(源内というキャラクターの)落差だと思います。だから人間っぽく、ひょうひょうとして面白く、憎めない感じを出そうと考えていました」と、今作全体を通じた役作りでもあったという。

 そして、「『べらぼう』はスタッフの皆さんみんなで作っているとすごく感じましたし、それはすごく幸せなことでした」と充実した現場だったことに感謝すると、「いろんなうれしい言葉をいただきましたけど、特にうれしかったのは、メイクの山田(容子)さんの言葉です」と打ち明けた。

 歴代のさまざまな大河ドラマ、朝ドラを手掛けてきた裏方と共に「源内が亡くなる時、こういう状態だったんじゃないかもしれないね」と試行錯誤を重ねていたそうで、「撮影が全部終わったときに、メイクの山田さんが『いろんな方が源内さんをやっていますけど、安田さんの源内さんはとっても人間くさかったです。人間っぽかったです』とパッと言ってくださって、それがすごくうれしかったんです。大河ドラマや朝ドラといった現場でいろんな人を見て、いろんな作品を作っている方が最後にポッと言ってくれたのがすごくうれしかったですし、心に残っています」と、さりげない一言に喜びをかみしめたという。

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