――それぞれのバージョンでセンターを務める立仙さんと瀧野さんは、少女から大人へ、過去と現在でシンクロする役になっていますね。

瀧野「MV撮影は別日で、お互いの情報をあまり知らなかったので、完成した時に『こうなっているんだ』といち視聴者として見れてすごく新鮮でした」

立仙「私は好きな男の子にラブレターを渡したところで終わるので、恋の行方がすごく気になりました。自分が渡したはずの手紙を(大人になった)瀧野さんが持っていて、最後に紙飛行機で飛ばすシーンで、どうなったのかなと考えながら楽しむことができました」

薮下「最後に2人は別れてしまって、“さよなら”の紙飛行機だと私は思った！　でも、両思いになると言うメンバーもいて、いろんな考え方ができる楽曲になっています。実はMVの画質も違って、2期研究生バージョンは少しセピア仕様で、私たちのバージョンは鮮明で現代仕様になっているのも注目ポイントだと思います」

――「思い出せる恋をしよう」は、STU48では数少ない「恋」がテーマになっています。

瀧野「STU48は“ザ・恋愛曲”がこれまで多くはなくて、秋元(康)先生が書く詞では両思いの曲が珍しいので、新鮮だなと思いました。でも、恋愛や青春の儚さだけじゃなくて、『何年か後にどうなってるか想像さえつかないけど』『もし世界が終わったとしても悔いのないように…』とか、自分たちの活動にも通じる部分があると思うので、そこにもすごく共感しました」

立仙「私は歌う時に『自分は恋をしているんだ』と思い込んで、頭の中で相手の男の子を想像しました。2期研究生のほかのメンバーも青春というか、自然な笑顔が出ていて、みんなの本当の姿を見れた気がします」

薮下「衣装も実は初めて水色以外なんです。紫色が可愛いですよね、アイドルらしい感じで(笑)」

――MVのドラマシーンは広島県呉市豊町の「御手洗町並み保存地区」、ダンスシーンでは1期生・ドラフト3期生が「呉港」、2期研究生は御手洗の「歴史の見える丘公園」が舞台となりました。MV撮影で印象に残っていることはありますか？

薮下「1期生・ドラ3全員でダンスを撮る予定の日が大雨で、撮影が1日延びてしまったんですけど、次の日に水たまりが自然とできて、水面に鏡みたいに映っていてすごく綺麗でした。学校での撮影シーンは体育館が楽屋で空き時間にみんなでバスケをしたり、フラフープをして遊んだりして、MV撮影だと感じないくらいリラックスして臨めました」

立仙「歴史の見える丘公園に向かう時、こんな山の上に何があるんだろうと思っていたんですけど、到着したら瀬戸内の綺麗な景色が一望できて、そのなかで踊れたのがすごく楽しかったです」

瀧野「御手洗は撮影で何度か行ったことがあって、ノスタルジックな街並みが残る場所です。例えば丸いポストが残っていて、空き時間にいろんなところに散策に行きました」