「結婚願望あります…その世界を感じてみたい」 俳優生活20年目、とんでもない悪女演じる36歳・中村静香が目指す妻像
俳優生活20年目の節目を迎える俳優・中村静香が、舞台『全員犯人、だけど被害者、しかも探偵』(23日初日、東京・博品館劇場)に出演し、欲にまみれた悪女を演じる。下村敦史氏の原作をもとに、社長の死をめぐり、社長夫人ら関係者7人が廃墟に集められ、密室のスピーカーで殺人犯以外は全員毒ガスで殺すと脅され命がけの自供合戦を繰り広げる作品。中村は金目当てに結婚した社長夫人を演じる。中村に見どころとともに、夫人への憧れや目指す奥さん像などを聞いた。

23日初日の舞台『全員犯人、だけど被害者、しかも探偵』では悪妻役
俳優生活20年目の節目を迎える俳優・中村静香が、舞台『全員犯人、だけど被害者、しかも探偵』(23日初日、東京・博品館劇場)に出演し、欲にまみれた悪女を演じる。下村敦史氏の原作をもとに、社長の死をめぐり、社長夫人ら関係者7人が廃墟に集められ、密室のスピーカーで殺人犯以外は全員毒ガスで殺すと脅され命がけの自供合戦を繰り広げる作品。中村は金目当てに結婚した社長夫人を演じる。中村に見どころとともに、夫人への憧れや目指す奥さん像などを聞いた。(取材・文=中野由喜)
「生き延びるために自分がどれだけ悪いかという自白合戦をするところは、他とは違う前代未聞のデスゲームだと思います。原作を読みましたが、ところどころで感じた違和感が全部伏線回収され、さらに大どんでん返しもあり、何と気持ちのいい作品なのだろうと思いました。読み終えたらすごい快感でした。そんな要素が全部舞台に詰まっています」
演じる社長夫人はとんでもない悪女。金銭にどん欲で偉そう、人を小突き、蹴飛ばし、不倫も。どんな思いを抱き、どう演じようと臨んだのか。
「自分のセレブ生活を守るためにやりたい放題の悪女。その上、ものすごく高飛車。あまりの悪女ぶりに笑ってしまいました。共演のなだぎ武さんからは、なぜか『はまり役。いい感じ』とほめられましたけど(笑)。ピンクの服を着て大きな指輪をジャラジャラつけるなど見た目が派手なのでキャラづくりは濃くなり過ぎないようにいいあんばいを意識しています。お芝居じゃないと言えないような悪い言葉のセリフが多く、非日常を楽しんでいます。役がくれるプレゼントです」
2006年のドラマ『天使の悪戯』で俳優デビューして今年は20年目。ベテラン俳優の域に入っているが、今後の目標を尋ねてみた。
「昔から凛とした透明感のある女性に憧れています。永作博美さんとか松嶋菜々子さんのような透明感があって年を重ねても変わらないかわいらしさ。でも芯にあるたくましさが垣間見える女性。そんな俳優に、女性になりたいですね。一方の私はよく『やっぱり天然ですね』と言われます(笑)。『やっぱり』が気になりますが、少し不器用なところがあっても笑って許してもらえるのはありがたいなと思います」
やってみたい役や作品も聞いた。
「『ひとつ屋根の下』のような家族ものをやってみたいです。大きな事件は起きなくてよくて、家族ならではの出来事ってあるじゃないですか。そんな家族の日常を描くお芝居を長女とか、嫁いだ奥さんの役でやってみたいですね。私は家族のトラブルは、話し合い、譲歩し合って落としどころを見つけるのが一番いいと思っていますが、簡単ではないじゃないですか。そんな様子を描き共感してもらえる作品に出演できたらと思っています」
今回の舞台では悪女の社長夫人を演じた。今後はホームドラマで夫の実家に嫁いだ奥さんを演じたいと話す。ここで私生活で妻となる日はいつ頃なのかズバリ聞いた。
「結婚願望はあります。でも人並程度かそれ以下かもしれません。昔から周りの人と話していると結婚願望が薄い方かなと感じていましたので。『結婚したい』と言う友人を見ていると、結婚が目標のように感じられることがあって。結婚することで何かが安心に変わるならいいなと思いますが、私は今お仕事を楽しんでやらせていただいています。いずれ素敵な方が現れたら結婚したいですけど、ご縁の無い今は“ジタバタするな、落ち着いていけ”と自分に言い聞かせている状態です(笑)」
結婚をした友人を見て「とてもうらやましく思います」
結婚した友人を見てうらやましく感じることはないだろうか。
「とてもうらやましく思います。本当に子どもってかわいいと思いますし、母性とかすてきだなと思います。子どもに振り回される子ども中心の生活も楽しいだろうなと思いますし。違う世界が広がっていると思いますので、その世界を感じてみたいとは思っています。なので、良きご縁とタイミングが訪れたら結婚したいなと思います」
もし結婚したらどんな奥さんになりたいのか。
「ちゃんと手料理を作ってお風呂の準備をして、洗濯物をきちんとたたみ、家事を率先してやりたいです。家を整えておきたいんです。だんなさんを支えたいという気持ちは本当にベースにありますね」
理想の男性はどうだろう。
「ケンカになった時、ちゃんと話し合える方がいいですね。それぞれの言い分がぶつかった時にちゃんと話し合いに応じてくれる人。話し合って落ち着きどころを見つけられるパートナーだったらどんな困難も乗り越えられると思うんです。あとは一緒に晩酌をするとか夫婦の時間をもつのも理想です。お料理も人並みにはできますから」
最後に今後の夢を語ってもらった。
「ちゃんと親孝行をしたいと思っています。家や旅行をプレゼントするとか。あと仕事でバリ島に行って好きになったので何年間か住んでみたいです。料理や気候、南国の空気感がすごく好きで。のんびりした時間を過ごせたらいいな。私、80歳、90歳まで東京に住んでいる自信がないんです。きっと人混みの中で人に押されて転ぶ毎日だと思いますので、のんびり暮らせる環境に移住したいです」
□中村静香(なかむら・しずか)1988年9月9日京都府生まれ。2003年8月に第9回全日本国民的美少女コンテストに出場し決勝進出。06年にTBS系ドラマ『天使の悪戯』で俳優デビュー。その後、14年のテレビ朝日系『緊急取調室』、テレビ朝日系『法医学教室の事件ファイル』シリーズ、TBS系「ごめんね青春!」、24年のNHK大河ドラマ『光る君へ』、テレビ東京「ナースが婚活」など多くのヒット作に出演。その他、多くの舞台や映画、バラエティー番組、グラビアなど幅広く活躍。
