安室奈美恵、三浦大知ら輩出した名門出身 13歳アーティスト・Neilの壮大な夢「ブルーノ・マーズみたいに」
今年3月16日に東京・日本武道館で開催された『沖縄アクターズスクール完全復活祭』でひと際、目を引くアーティストがいた。13歳のNeil(ニイル)だ。小柄ながらパワフルで美しいハイトーンボイスとキレのあるダンスが持ち味で会場を大いに沸かせた。同スクールは1990年代に安室奈美恵、三浦大知、MAX、DA PUMPら多くのスターを輩出した沖縄のタレント養成学校で、2023年に20年ぶりに再始動。Neilは“新生アクターズ”のアーティストとして昨年早くもメジャーデビューした。国内に留まらず海外にも照準を合わせて一歩を踏み出した“ネククストブレイク”に音楽や夢について話を聞いた。

3月9日に3rdシングル『First Love Story』をリリース
今年3月16日に東京・日本武道館で開催された『沖縄アクターズスクール完全復活祭』でひと際、目を引くアーティストがいた。13歳のNeil(ニイル)だ。小柄ながらパワフルで美しいハイトーンボイスとキレのあるダンスが持ち味で会場を大いに沸かせた。同スクールは1990年代に安室奈美恵、三浦大知、MAX、DA PUMPら多くのスターを輩出した沖縄のタレント養成学校で、2023年に20年ぶりに再始動。Neilは“新生アクターズ”のアーティストとして昨年早くもメジャーデビューした。国内に留まらず海外にも照準を合わせて一歩を踏み出した“ネククストブレイク”に音楽や夢について話を聞いた。(取材・文=福嶋剛)
インタビューが行われたのはレコード会社の応接室。元気なあいさつで迎えてくれた姿は13歳の少年そのものだった。
「野球のメディア(Full-Count)も運営している会社なんですね。僕、野球が大好きで草野球でピッチャーをやっていて、この前、初めてプロ野球の始球式をやらせていただいたんです。めっちゃ、興奮しました!」
そんな人懐っこい会話から始まったNeilが、自身の生い立ちを話してくれた。
「お母さんとお父さんは、一緒にバンドをやっているんです。お母さんはシンガーでお父さんはギターと歌をやっています。ジャンルは洋楽です。昔のビデオを見たら僕は1歳くらいの時にはもうライブハウスにいて、リハーサルの音をずっと聴いていたみたいです。家にはCDやレコードが置いてあって、(米国シンガーの)アレサ・フランクリンやローリン・ヒル、ブルーノ・マーズ、(米グループの)ボーイズIIメン、ビートルズも流れていました」
幼い頃はテレビの前のヒーローに夢中だったという。
「『仮面ライダーエグゼイド』(テレビ朝日系)にハマってずっと見ていました。番組が始まると三浦大知さんが歌っていた主題歌の『EXCITE』をテレビの前でよく歌っていました」
音楽が身近な環境で育った彼が、実際に楽器に触れたのは6歳の時だった。
「クリスマスプレゼントでサンタさんからエレキベースが届いたんです。記憶があいまいなんですが、僕が欲しいってお母さんに言ったみたいです。兄がいるんですけど、一緒にジャズオーケストラに入ってベースをやり始めたのが最初です」
小さな体には大きくて重たいベースを背中に担いで、ベース教室にも通った。
「重たいし、指も痛いし、小学1年になって教室を辞めたんです。その後、けん玉にハマったんですけど、それも1年くらいで飽きちゃって(笑)。またベースに戻りました」
8歳からはダンススクールに通い、ダンスレッスンも開始した。
「小学2年の頃です。そこの代表の方がアクターズスクール出身で、ダンスが面白くて『エンターテインメントっていいな』って思いました。両親の影響もありますけど、僕は僕という感じでやっていたので親が僕のやりたいことを理解してくれて、いろんなことをやらせてもらったと思います」
11歳からギター、ウクレレ、ドラムを学び、作詞作曲にもチャレンジするようになる。
「小学5年の時に『君と』という曲を初めて作りました。作詞、メロディーは完全に自分で作って、少しだけお母さんにアドバイスをもらいました。やっぱり完成した時はすごくうれしくて『これをいつか(世の中に)出したい』『たくさんの人の前で歌いたい』って思うようになりました。それで『歌って踊れて曲も作れて楽器もできるアーティストを目指そう』と思いました」
そんな時、休校していたアクターズスクールが再始動することが決まり、23年に行われた第1期生オーディションで圧倒的な存在感を放ったNeilが合格した。翌24年2月にタイで行われた『JAPAN EXPO』でパフォーマンスを行うと現地の観客を圧倒。同年8月7日に1stデジタルシングル『Someday』をリリースし、異例の早さでメジャーデビューした。
「アクターズに入る前から、(ブルーノ・マーズに会うという)目標があったので、デビューが決まった時も驚いたりはしませんでした。昨年12月に『HAPPY BOX』というミニアルバムを作ったのですが、そこに初めて作った曲『君と』を収録しました。トラックプロデューサーの宅見将典さんに助けていただきながら、楽器は頑張って全部自分で演奏して、最後まで自分で作りました。自分の作品が完成した時は最高でした」

尊敬するアクターズの先輩を目指して
今年3月9日には3作目のシングル『First Love Story』をリリース。初めて自分で作詞したラブソングとなった。
「今回は歌詞を書かせてもらったんですが、恋愛系の歌詞は初めてで、自分の想像とかYouTubeを見たり、友だちとしゃべったことを、1週間くらいかけて言葉にしました。大事にしたのはちゃんと今の自分が理解できる歌詞にしようって思ったことです」
新曲を引っ提げて臨んだ『沖縄アクターズスクール完全復活祭』で初めて日本武道館のステージに立った。その時の感想を聞くと「全然緊張はしなかったけど、3時間のステージがあっという間でした」と振り返った。
「ステージでは最初、逆光だったのでお客さんがあまり見えなかったんですけど、その後、花道で歌った時に客席がバーっと広がって見えて、めっちゃ、鳥肌が立ちました。みなさんに知ってもらおうといつも最大の力を出してパフォーマンスをやっているんですけど、先輩方が後に控えていたので『ちゃんと先輩方につなげられるように盛り上げよう』と思いながら歌いました」
バックステージでは憧れの先輩アーティストから学ぶことも多かったという。
「ISSA(DA PUMP)さんをはじめ、出演者のみなさんは、すごく周りに配慮されたり優しくされていて、僕にもすごく優しくてしてくださいました。ステージでも裏でも尊敬できるところをたくさん見させていただき、自分もそうなりたいと思いました」
そんなNeilの将来の夢はとてつもなく大きい。
「大好きなブルーノ・マーズみたいにアメリカンフットボール(NFL)のハーフタイムショーに出ることです。8歳の時に始めたボーカルレッスンで最初の曲がジャクソン5の『I Want You Back』でした。これがきっかけで歌が楽しいって思うようになりました。これから変声期に入っていくんですけど、諦めずに続けていけば、いつか絶対に良いことが待っていると信じてこれからも自分の時間を音楽に費やしていきたいと思います」
マルチな才能に溢れた唯一無二の若きアーティストは、音楽界に新たな歴史を刻んでいく。
□Neil(ニイル)2011年6月8日生まれ。沖縄県出身。ミュージシャンの両親を持ち、生まれた時から音楽、アートに触れて育つ。6歳からベースを練習し、8歳からダンスレッスンを開始。11歳でウクレレとギター、12歳でドラムを習う、23年に再始動した沖縄アクターズスクールの第1期生オーディションに合格。翌24年8月7日に1stデジタルシングル『Someday』でメジャーデビューを果たす。
