黒崎煌代の初主演映画がカンヌ監督週間に出品 26歳・団塚唯我監督が日本人史上最年少
2023年度後期のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』で俳優デビューを果たした黒崎煌代の初主演映画『見はらし世代』が、第78回カンヌ国際映画祭(現地時間5月13日~24日開催)の監督週間に出品されることが、15日に発表された。本作の監督・脚本を務める団塚唯我氏は、日本人史上最年少での監督週間出品となる。

黒崎煌代の信頼寄せる団塚唯我監督、長編デビュー作で世界へ
2023年度後期のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』で俳優デビューを果たした黒崎煌代の初主演映画『見はらし世代』が、第78回カンヌ国際映画祭(現地時間5月13日~24日開催)の監督週間に出品されることが、15日に発表された。本作の監督・脚本を務める団塚唯我氏は、日本人史上最年少での監督週間出品となる。
『見はらし世代』は、再開発が進む東京・渋谷を舞台に、母親の死をきっかけに向き合うことになる父と息子の関係性を描いたヒューマンドラマ。本作は、若手映画作家育成事業ndjcで短編『遠くへいきたいわ』を手がけた団塚氏によるオリジナル脚本で、自身にとって初の長編映画となる。主演の黒崎は『さよなら ほやマン』で映画デビューを果たし、第33回日本映画批評家大賞新人男優賞を受賞した注目株であり、本作が映画初主演となる。
黒崎演じる主人公・蓮の父・初役には、悪役からコミカルなキャラクターまで幅広く演じる遠藤憲一、母・由美子役には映画やドラマ、モデルなど多岐にわたり活躍する井川遥、姉・恵美役には『菊とギロチン』などで知られる木竜麻生が名を連ねる。
団塚氏は1998年生まれの26歳。『さよなら ほやマン』のメイキングに参加しており、黒崎の映画デビューの現場にも立ち会っていた。監督は「今、この映画が初主演となる黒崎煌代君と2人で喜びを噛み締めているところです」と喜びを語っている。
出演者のコメントは下記の通り。
○黒崎煌代
「感無量です。カンヌの地に、団塚唯我監督とこの作品と共に立てる事に興奮しています。私のキャリアを最初から近くで観ていてくれた団塚監督だからこそ100%の信頼をもって撮影に臨むことができました。映画を好きで本当に良かったです。『見はらし世代』がフランスをはじめ、世界中の皆さんに観ていただけるのが楽しみです!」
○遠藤憲一
「団塚監督は俺が関わった映画で、今までで一番若い監督だと思う。私の半分も生きてないから、人生経験も私より少ないはずだが、演技指示はとても鋭くて深い。人間の考えや行動に対する演技指導は、倍以上生きている私が感銘を受けることばかりだ。みずみずしさと繊細さと深さが共存する現場だった。新しい才能に満ち溢れた作品になっているに違いない」
○井川遥
「団塚監督の演出を受け、感情の行方が幾重にも変化することに何度も驚きを感じていました。監督のピュアで、繊細な鋭い感性に触れ、呼応する時間がまだまだ終わらないで欲しいとすら思えたのでした。盛夏の撮影、そして半年後、冬編で再び集結しました。10年後を演じるにあたって半年という時間は役を成長させる大切な時間になりました。演じられたことに心から感謝しています。監督の若き豊かな才能が世界に広がっていくのが楽しみでなりません」
○木竜麻生
「団塚監督、団塚組スタッフキャストの皆さん、関わっていただいた皆さん、カンヌ映画祭の監督週間選出、本当におめでとうございます。この作品のお話をいただいて、準備をして、撮影をして、どの時間も丁寧に、みんなが同じ目線で携わっているのを肌で感じることができて、素敵な時間を共有させてもらいました。家族という、普遍的だけれど、どの家族にもそれぞれの風景がある存在を、紡いでいく人たちへの愛おしさを感じました。寛容な心と素直な目線で作品を観ていただけることを願い、届いていくことを楽しみにしています」
団塚氏は、映画美学校在学中に短編『愛をたむけるよ』でなら国際映画祭、札幌国際短編映画祭などに入選。2022年にはndjc事業で『遠くへいきたいわ』を監督し、第36回高崎映画祭にも招待された。今回の『見はらし世代』で長編デビューを果たし、日本人史上最年少でのカンヌ監督週間出品という快挙を達成した。
