「到着した時点でびっくり」伝説の車が40年ぶり横浜帰還 「世界で1台」ワンオーナーで維持
貴重な1971年式のトヨタ・セリカ1600GTが12日、ウエインズトヨタ神奈川本店に搬入された。13日から一般向けに公開される。

ターコイズブルーの輝く車体
貴重な1971年式のトヨタ・セリカ1600GTが12日、ウエインズトヨタ神奈川本店に搬入された。13日から一般向けに公開される。
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同車は鹿児島・薩摩川内市の歯科医・重永誠之さんが71年に購入。50年以上にわたり、ワンオーナーで乗り続けている。ターコイズブルーの車体はほとんど改造をしておらず、「98%ノーマル」を保っているお宝愛車だ。
当時、横浜マリンタワーの近くにあったトヨタの販売店で購入。そのため、同じマリンタワーに近いウエインズトヨタ神奈川本店に車が展示されることになった。
重永さんは販売担当の「徳(とく)さん」を今でも感謝するほど覚えている。オプションの組み合わせにさまざまな助言をもらい、唯一無二のオリジナルセリカが完成。納車時に徳さんから「コンピューターのいろんなデータで見ると、世界で1台しかない車」と言われ、大切に乗ってきた。
横浜では約10年乗り、その後は地元鹿児島で維持していたため、“ふるさと”への里帰りは約40年ぶりとなった。入口左の展示スペースでは、これまた希少なトヨタ2000GTと共演。重永さんは、「感無量ですね。そのひと言に尽きますよね。しかも2000GTの横に置いていただいて」と胸を熱くさせた。
「(購入場所は)このかいわいには違いない。車も喜んでいるでしょうね。私以上に喜んでいるかもしれない」
懐かしさとともに亡き妻との思い出もこみ上げた。横浜で知り合い、セリカに乗って夫婦で何度もドライブを楽しんだ。
「当時家内も一緒に住んでて、セリカが気に入って運転していました。ナンバープレートは彼女の誕生日のプレートをつけているので、家内も喜んでいると思います」

「そもそも残っているのが珍しい」
友人とは新横浜駅の近くで、縦列駐車の練習を繰り返したこともあった。
「当時新幹線が通って間もないころで、新横浜駅の周りは一面畑でした。今じゃ考えられないけど、そこでずっと縦列駐車の練習をしたのを覚えていますね。友達が乗っていたフェアレディZとセリカで」
失敗談も記憶している。「洗車機が出回ったんですよ。汚れてもいないのに、何日かおきに行ってたら、たちまち塗装に傷がついてしまった。回転のブラシでしょ」と、苦笑いした。
鹿児島では一時期、登録を抹消していた時期があり、重永さんは車を手放すかどうか悩んだこともあった。子どもが3人。学費の捻出が大変な時だった。それでもなんとか踏みとどまり、昭和の名車を“未来”へとつないだ。
レッカー車からゆっくりと降りてきたセリカは、50年以上前の車とは思えないほど見た目のコンディションは良好だ。ウエインズトヨタ神奈川本店の広報担当者は、「到着した時点でびっくりしました。社内でも憧れの車でセリカ乗りたかったという声が多いです」と驚きの表情。
「そもそも残っているのが珍しい。本当に日頃からの保管状況もいいんだろうなと思いました」とオーナーのセリカ愛に敬意を示した。
展示は27日まで。その後は、U-BASEプレミアム平塚に場所を移し、5月11日までお披露目される予定となっている。
