三代目JSB小林直己、グループは「家族に近いチーム」 40歳迎え「時間の大切さ」を実感

EXILEのパフォーマー、三代目 J SOUL BROTHERSのリーダー兼パフォーマーである小林直己。昨年の11月10日、「不惑」の40歳になり、その立ち居振る舞いの端々にはどこか余裕が感じられる。グループ結成から今年で15年。小林はどのように過ごしてきた時間を受け止めているのか。

インタビューに応じた三代目 J SOUL BROTHERSの小林直己【写真:増田美咲】
インタビューに応じた三代目 J SOUL BROTHERSの小林直己【写真:増田美咲】

時間の使い方考えて、行き着いた初写真集

 EXILEのパフォーマー、三代目 J SOUL BROTHERSのリーダー兼パフォーマーである小林直己。昨年の11月10日、「不惑」の40歳になり、その立ち居振る舞いの端々にはどこか余裕が感じられる。グループ結成から今年で15年。小林はどのように過ごしてきた時間を受け止めているのか。(取材・文=ふくだりょうこ)

「アラフォーです」とは言えるのに、「40歳です」とは言いづらい人もいる。小林は「イメージしていた40歳の姿とのギャップはありましたね」と言った。

「思った通りの部分よりも、ギャップが多いんです。中身は若い頃とさほど変わっていなかったりするんですよね」

 そんな中で感じたのは、「時間の大切さ」だという。

「今まではがむしゃらに突っ走っているところがありました。与えられたゴールだったり、達成しなければならないことにただ突き進んでいたところから、『これからの時間を誰とどんな風に使っていくのがいいのか』と考えた時に、やってみたいことがたくさんあったんです。『じゃあ、これからはやりたいことのために、自分が自分らしくいられるようなことのために時間を使おう』とここ2~3年で思うようになりました」

 自分らしい姿を届けることもまた、必要だったのかもしれない。時間の使い方について考えていく中で、行き着いたものが自身初の写真集『Art & Age』(今月2日発売、blueprint)だ。

「『応援してくださるみなさんが、まだまだ知らない一面も自分にはあるな』と思ったんです。そこで『全ての自分が混ざっている姿を届けたい』と思って、ビジュアルで見せる写真集という形を選んだんです」

 確かにクールで、多くの人が持っている「小林直己」の姿が写っているものもあれば、ナチュラルな、少年のようなかわいらしさをのぞかせているカットもある。とはいえ、カメラの前に立てば自然と力が入る。できるだけ等身大の自分に近づけるために、スタッフやカメラマンとも入念に準備を重ねた。結果、他では見せたことがないような表情が撮れたという。

「20代の頃は格好もつけていましたね。まだ自分の得意、不得意も見つかっていない時期をへて、ある程度は経験値が貯まってきて今は経験則で見せられるようになってきていました。それがプラスに出る時もあれば、マイナスとは言わないけど、『じゃあ、想像を超えられたのか』というとそうではない。『なら、どうすべきか』と試行錯誤していた時期もありました。でも、今回、『等身大の自分を撮りに行こう』とできあがった写真を見たら、今の自分だけではなくで『これまでの積み重なった時間が写っているな』と思えました」

 そして、小林は「年齢を重ねるというより、歳を作っていく。時を重ねたアートがそこにあるんじゃないか」と実感。生まれたタイトルが『Art & Age』だった。

「アートだと思うと『これからまた年齢を重ねていったら、面白いものができるんじゃないかな』と思ったんです。『この本を見てどういう風に思ってもらいたいか』と考えながらずっと作っていたんですけど、『この人ができるんだったら自分もできるな』とか『自分はこんな風にやってみよう』だとか、ポジティブに思うきっかけになってくれたらいいなと」

 また、タイトルには撮影が行われたニューヨークの街並みによって心が動かされたことも影響しているという。

「ニューヨークの街並みがそもそもとても美しいんです。真冬だったので、枯れ木の曲線のライン、築100年以上のビルだとか、新しいと古いが混在しているんです。集まる人のエネルギーの多さも特別なものですし、それが何十年、何百年と積み重なって街ができている。そんな街を今を生きる人が歩いている。大人も、子どもも。そうやって人の思いと時間が積み重なった場所こそ、『アートだな』と思うんです」

 そして、小林は「まとう空気感が美しい人になりたい」と言った。一体、どんな人なのか。

「『美しい』は自分の中にずっとあるテーマ。美しさって、洗練されていたり、シンプルだったり、うそがないとかそういうイメージです。でも、空気感や雰囲気について考えると、がむしゃらで力が入っていたり、虚勢を張っていたり、どこか盛っていたり……。そういうのは空気に出るんですよね」

「ライブは見てもらえたらうれしいですね」と語った【写真:増田美咲】
「ライブは見てもらえたらうれしいですね」と語った【写真:増田美咲】

グループは「家族に近いチーム」

 小林自身、自分がまとっている空気を感じていた。しかし、「長い間、それに向き合おうとしてこなかった」と振り返った。

「やっと向き合った時に、自分としてはすごく衝撃を受けたんです。でも、あのままの自分で突き進んでいたら、どんどん苦しくなっていたと思います。力を入れて、ちっとも自然じゃない。でも、限りある時間をどんな風に使っていくか考えていくことで、まとう空気って変わっていくんですよね。時間をちゃんと積み重ねていければ、きっと美しいアートになるはずなので」

 そんな中、グループは15周年を迎える。小林は「あっという間でしたけど、とにかく濃いんですよね」と表現した。

「グループは7人の集合体ですけど、一人ひとりの人間。いろんなバイオリズムがある中で、『たくさん、助けてもらったな』と思いますし、『自分も助けられていたらうれしいな』と思います。家族とは違うけれど、家族に近いチームですね。これから先、どうなっていくか分かりませんが、僕が本に思いを詰めたように、ライブに全てを詰め込んで表現します。みなさんにどう受け取ってもらえるかで、『また今年、来年が変わっていくといいな』と思うので、やはり、ライブは見てもらえたらうれしいですね」

 小林が何度も口にしていたのは「時間は限られている」「大切なもの、人に時間を使う」ということ。当たり前のことなのに、それを現代の人は忘れがちだ。そんな当たり前に立ち戻ることができるのが、40歳なのかもしれない。

□小林直己(こばやし・なおき) 1984年11月10日、千葉県・印西市生まれ。2007年11月、二代目J Soul Brotherに加入。09年3月1日には、EXILEにパフォーマーとして加入。10年に結成された三代目 J SOUL BROTHERSのリーダーをNAOTOとともに兼任している。俳優としても活動し、映画『たたら侍』ではオークランド国際映画祭にて最優秀助演男優賞を受賞。著書に『選択と奇跡 あの日、僕の名字はEXILEになった』がある。188センチ。

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