【PR】平原綾香「引っ込み思案で人前で歌うことは考えられなかった」…父の姿に憧れ、サックス一筋 転機は姉の歌声
歌手の平原綾香が、「平原綾香 Jupiter 基金 My Best Friends Concert~顔晴れ [がんばれ] こどもたち~with Orchestra」を4月に東京で、6月に福岡で開催する。「平原綾香 Jupiter 基金」は「音楽を通じて社会貢献をしたい」と2015年に設立し、それに伴ったチャリティーコンサートも福岡で10回目を迎える。音楽一家に育ち、さまざまな形でエンターテインメントに向かう平原が、チャリティーを“ライフワーク”にする思いを聞いた。

デビュー22年、チャリティーは「ライフワーク」
歌手の平原綾香が、「平原綾香 Jupiter 基金 My Best Friends Concert~顔晴れ [がんばれ] こどもたち~with Orchestra」を4月に東京で、6月に福岡で開催する。「平原綾香 Jupiter 基金」は「音楽を通じて社会貢献をしたい」と2015年に設立し、それに伴ったチャリティーコンサートも福岡で10回目を迎える。音楽一家に育ち、さまざまな形でエンターテインメントに向かう平原が、チャリティーを“ライフワーク”にする思いを聞いた。(取材・文=Miki D‘Angelo Yamashita)
平原は03年、『Jupiter』でのアーティストデビュー以来、歌手、サックスプレーヤー、ミュージカル俳優、声優、時に女優として活動してきた。そして、22年の月日がたつ中、「平原綾香 Jupiter 基金」は、重要な位置を占めてきた。平原が音楽を通じて社会貢献、支援をしていくための基金で今年設立10年。それに伴い開催してきたチャリティーコンサートも、9回目、10回目を迎える。振り返ると、平原がチャリティーコンサートを実施したいと思ったきっかけは、04年に発生した新潟中越地震だったという。
「デビューしたばかりで、歌うことしかできないもどかしさを感じていたんです。音楽で何ができるのか、何のために歌っているのか、自分に問いかける毎日を送っていました。そんな頃、新潟中越地震の避難所の皆さんから『Jupiter』にリクエストが多く寄せられていると聞いて、初めて私の曲を聴いてくださる方がいるということを認識しました。歌うことへの意味を教えてくれたのは、私の曲を聴いてくださった傷ついた方々でした」
自身も、原曲となった英国の作曲家・ホルストが手掛けた『木星(ジュピター)』を聴いた瞬間、涙が出たという。デビュー曲を探していた頃だ。自分らしさとは何なのか、どれが本当の自分か、ありのままであることの尊さを考えていた。
「2001年9月11日にアメリカで同時多発テロ事件が起こり、まだ世界も日本も混乱してる時期に「自分が伝えたいメッセージを届けられるメロディーはないか」と探していました。大学では、ジャズを専攻していたのですが、クラシックを聴く授業も取っていて、そのクラスで先生が流してくれたのが『木星』でした。混乱している世界でデビューするとなったら、ちょっとでも元気が出るような、癒されるような楽曲を歌いたい。『木星』のメロディーに歌詞をつけたら、『きっと私のメッセージが伝わる』と即断しました」
「平原綾香 Jupiter 基金」は、一つの場所に決めて寄付をするのではなく、困っている人がいたら支援するという方針。今回は、視聴覚障害者のための「一般社団法人 ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ」への寄付を決めた。目の見える人が視覚以外の感覚を使い、日常生活を体験するプログラムを実施する団体だ。
「視覚障害の方の案内で暗闇の中に白杖を持っていろいろな体験をするんです。誘導してくださるのが盲目の方なのですが、今まで見えているようで見えていなかった心の中が研ぎ澄まされてくるんですよね」
平原は、父親の命日に友人から「ダイアログ・イン・ザ・ダークを体験してみては」と誘いを受けた。真っ暗な中、杖を持っていると誰かに支えられてるように体中が温かくなる。初めての感覚を経験した。
「細胞の一つひとつに父がいるのを感じ、『ひとりじゃない』という衝撃的な経験をしました。私たちにとって非日常の体験を通じて『心で見る』ことの大切さを知ることができました」
父はサックス奏者の平原まこと氏、祖父はトランペット奏者、姉も音楽家という音楽一家。音楽の道に進むことは、保育園の時に決めていた。父のようなサックス奏者に憧れ、中学1年の13歳から吹き始めた。洗足学園高の音楽科に進学。高校ではクラシックを専攻し、洗足学園大ではジャズ科でサックスを専門に学んだ。
「物心ついた時からサックスプレーヤーになるという夢を描いていたし、『自分は音楽を継がなければならない使命がある』と勝手に思い込んでいました。英才教育を受けたこともないし、音楽家になることを求められたこともない。『ただ音楽が心底好き』という思いでサックス一筋でした。音楽は特別なものではなく、日常の一部だったんです。幼い頃から『音楽には人を救う力がある』という思いには疑いはなかったですね」

ミュージカルデビュー10周年、人形劇の声も
サックスは楽しかったが、引っ込み思案で人前で歌うことはとても考えられなかった。そんな平原の歌手デビューのきっかけは、文化祭で歌ったミュージカル『天使にラブソングを2』。同じ作品に出演したことがある姉の姿に憧れ、「自分も歌ってみたい」と思ったからだ。その時の舞台を収録したビデオをレコード会社の社長が見ていた。そして、声をかけられ、歌手デビューが決まった。
「人前で初めて歌ってみて、『楽しい』という感情が湧いてきたんです。『サックスだけでなく、歌という楽器を使って音楽を極めていきたい』と気持ちが変わっていきました。それで、歌手活動と学校と両立させることにしました。思えば、子どもの頃にクラシックバレエや水泳を習わせてもらったことが、アーティスト活動に役に立っていると思います。バレエでいろいろな動きの基礎を勉強したので、ダンスがあるミュージカルも、臆することなく出演を決められました。水泳で肺活量が鍛えられたおかげで、難度の高い歌にも挑戦できます」
ジャズをルーツにクラシックからポップス、オペラなどボーダレスに活動。24年にはミュージカルデビュー10周年を迎え、NHK Eテレ『おかあさんといっしょ』の人形劇の声も担当している。そのマルチな才能の底はまだ見えていない。
「平原綾香 Jupiter 基金 My Best Friends Concert~顔晴れ [がんばれ] こどもたち~with Orchestra」
【第9回 東京公演】
日時:4月30日(水)開場午後5時15分、開演午後6時
会場:東京国際フォーラム ホールC
出演:ヴォーカル・平原綾香、指揮・渡辺俊幸、演奏・洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団
ドラム・則竹裕之、ピアノ・大貫祐一郎、ギター&チェロ・伊藤ハルトシ
チケット料金:全席指定:1万2000円(税込)
公演のお問い合わせ:
HOT STUFF PROMOTION 050-5211-6077(平日正午~午後6時)www.red-hot.ne.jp
【第10回 九州公演】
日時:6月28日(土) 開場午後5時15分、開演午後6時
会場;福岡・久留米シティプラザ・ザ・グランドホール
出演:ボーカル・平原綾香、指揮・渡辺俊幸、演奏・九州交響楽団
ドラム・則竹裕之、ピアノ・大貫祐一郎、ギター&チェロ・伊藤ハルトシ
チケット料金:全席指定:S席 1万2000円(税込)/A席 1万1000円(税込)
公演のお問い合わせ:
BS フジイベントお問い合わせ event@bsfuji.co.jp
キョードー日本 0570-09-2424(平日・土曜午前11時~午後3時) https://www.kyodo-west.co.jp
平原綾香 Jupiter 基金 公式サイト https://www.jupiter-foundation.jp/ja
□平原綾香(ひらはら・あやか) 1984年5月9日、東京都生まれ。洗足学園音楽大に在学中の2003年12月、ホルストの「木星」に日本語の歌詞をつけたシングル『Jupiter』でデビュー。同曲で日本レコード大賞新人賞、日本ゴールドディスク大賞特別賞などさまざまな賞を獲得した。14年以降は多くのミュージカル作品に出演し、『メリー・ポピンズ』『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』などで主演している。父はサックス奏者の平原まこと氏、祖父はジャズトランペッターでホットペッパーズの平原勉氏。
