ベルトの輝きはチャンピオン次第 プロレスの楽しみ方は無尽蔵【連載vol.3】
新日本プロレスはIWGP「ヘビー級」と「インターコンチネンタル」の2冠王。プロレスリングノアはGHC「ヘビー級」と「ナショナル」の2冠戦。日本プロレス界はダブルタイトル戦が花盛りだ。
金曜午後8時更新「柴田惣一のプロレスワンダーランド」
新日本プロレスはIWGP「ヘビー級」と「インターコンチネンタル」の2冠王。プロレスリングノアはGHC「ヘビー級」と「ナショナル」の2冠戦。日本プロレス界はダブルタイトル戦が花盛りだ。
コロナ禍のため、予定通り大会を開催できないこともあるだろうが、ファンにしてみればチャンピオン同士のハイレベルな攻防は大歓迎だろう。
実際、ノアの8・10横浜大会で繰り広げられたGHCヘビー級王者・潮崎豪と同ナショナル王者・拳王の一戦は60分時間切れ引き分け。まさに両者が死力を尽くす大一番となった。早くも「今年のベストバウト」の声も上がっている。
ベルトを統一するわけではないが、ダブルタイトル戦と言えば、心が躍ってしまうのはプロレスファンの性(さが)なのだろう。そこで思い出すのが、全日本プロレスの3冠ヘビー級王座である。
PWF、インターナショナル、UNの三つのヘビー級王座を源流とする3冠王座。1988年3月に、UN王者・天龍源一郎とPWF王者スタン・ハンセンがダブル選手権を争って、始まった3冠統一ロード。89年4月、インターナショナル王者ジャンボ・鶴田とPWF&UNの2冠王者ハンセンの3冠統一戦で鶴田が勝利。1年以上をかけて、それぞれ伝統のある三つの王座が、ここに統一されたのだった。
ベルトはそれまでの3本がそのまま使用された。表彰式で「3本をどう披露するのか」が話題となった。腰に巻くのは、どのベルト? 他の2本を肩にかけるのか? 両腕に持つのか? 時の王者の各ベルトへの思い入れが垣間見え、ファンの間に論議を巻き起こしたものだ。