『ボヘミアン・ラプソディ』のラミ・マレック、最新作携え再来日 日本プロモーション「絶対に実現させたかった」
映画『ボヘミアン・ラプソディ』(2018年)の熱狂から7年――フレディ・マーキュリー役で世界中の心を揺さぶり、アカデミー賞主演男優賞を獲得したラミ・マレックが、新たな挑戦を携えて日本に帰ってきた。最新主演作『アマチュア』(4月11日公開)では、主演に加えてプロデューサーも務めている。妻サラ役を演じたレイチェル・ブロズナハンとともに本作を語った。

映画『アマチュア』で主演&プロデューサー
映画『ボヘミアン・ラプソディ』(2018年)の熱狂から7年――フレディ・マーキュリー役で世界中の心を揺さぶり、アカデミー賞主演男優賞を獲得したラミ・マレックが、新たな挑戦を携えて日本に帰ってきた。最新主演作『アマチュア』(4月11日公開)では、主演に加えてプロデューサーも務めている。妻サラ役を演じたレイチェル・ブロズナハンとともに本作を語った。(取材・文=平辻哲也)
本作でマレックが演じるのは、愛する妻をテロで失ったCIA分析官チャーリー・ヘラー。戦闘経験も仲間もない彼が、復讐心と頭脳だけを武器に巨大な陰謀へと立ち向かっていく姿は、まさに「スパイ映画史上最も地味な男」の称号にふさわしい。しかし、その静かなたたずまいの裏に燃える情熱こそが、本作の大きな核となっている。
マレックが本作のプロデューサーとして希望のひとつが日本でのプロモーションだったという。7年前に『ボヘミアン・ラプソディ』のプロモーションで初来日した際の思い出が、今も彼の中で鮮烈に残っているからだ。
「あの時のことは今でも心に残っています。日本の観客の皆さんが一緒に歌ってくれたのは、本当に感動的でした。その前の作品ではできなかったのですが、今回プロデューサーとして関わったからこそ、日本でのプロモーションは絶対に実現させたかったんです」と振り返る。
マレックは、テレビドラマ『MR. ROBOT/ミスター・ロボット』での繊細な演技でエミー賞主演男優賞を受賞。『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』ではヴィラン役も演じるなど、その存在感はハリウッドでも唯一無二だが、『アマチュア』ではプロデューサーとしての手腕にも注目が集まっている。現場では監督ジェームズ・ホーズと密に連携し、キャスティングや演出面でも深く関わった。
「現場で何が成立し、何が成立しないのかを瞬時に見極めながら動くことが求められた」と語るマレック。アクション映画としての完成度はもちろん、登場人物たちの心理描写にも細心の注意を払ったという。特に、人間が“喪失”とどう向き合い、どう立ち上がるかというテーマには、深いリサーチを重ねた。
共演者のブロズナハンも「ラミの謙虚さと情熱、周囲への気配りがこの作品を支えていた」と絶賛。彼女の誕生日にはマレックがサプライズでパーティーを企画するなど、現場の雰囲気づくりにも心を配っていたという。

妻役のレイチェル・ブロズナハンは「圧倒的」
主演の2人の間には、もともと深い友情があり、演技という“仕事”が重なったことで、スクリーンには言葉以上の絆が映し出された。マレックは「彼女の存在感は圧倒的。一緒に演じていると、こちらまで圧倒される」と話す。
ブロズナハンは本作の後も出演作が続いており、2025年7月公開予定の映画『スーパーマン』(ジェームズ・ガン監督)ではヒロイン、ロイス・レイン役として出演が決定している。今、最も注目される実力派俳優のひとりとして、さらなる飛躍が期待される存在だ。
そんなブロズナハンも「この作品でラミが演じたチャーリーは、サラ(=彼女が演じた役)への深い愛によって突き動かされている。その感情の流れに自分自身も自然と入り込むことができた」と述べる。
『アマチュア』というタイトルが示すとおり、主人公チャーリーは“非戦闘員”であり、“普通の人”だ。しかし、だからこそ物語にはドラマがある。
プロとは何か? という問いに対して、マレックは「知識と感謝、そして周囲への思いやりを持ち続けること」と語る。そして「僕は情熱で突き進むタイプの人間です。日本の観客は“アンダードッグが立ち上がる物語”が大好きだと思いますので、ぜひ映画館で見て欲しい」と付け加えた。『ボヘミアン・ラプソディ』のような熱狂が、この新作で再び映画館で巻き起こることを願っている。
『アマチュア』は4月11日より日米同時公開される。
□ラミ・マレック 1981年5月12日、米カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。エジプト系アメリカ人俳優。『ナイトミュージアム』(2006年)シリーズやドラマ『MR. ROBOT/ミスター・ロボット』(2015年-2019年)で注目を集め、内向的なハッカー、エリオット役でエミー賞主演男優賞(2016年)を受賞した。『ボヘミアン・ラプソディ』(2018年)ではフレディ・マーキュリーを演じ、アカデミー主演男優賞(2019年)、ゴールデングローブ賞(2019年)などを受賞。『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021年)などにも出演している。
□レイチェル・ブロズナハン 1990年7月12日、米ウィスコンシン州ミルウォーキー生まれ。2009年の映画『美しいあなたへ』でデビュー後、ドラマ『グッド・ワイフ』(2011年-2013年)や『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』(2013年-2015年)などに出演。2017年-2023年の主演ドラマ『マーベラス・ミセス・メイゼル』では、コミカルな演技が高く評価され、プライムタイム・エミー賞主演女優賞(コメディシリーズ)を2度(2018年、2019年)、ゴールデングローブ賞主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)を2度(2018年、2019年)受賞した。
