俳優の高石あかりが主演を務める2025年度後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』が3月25日にクランクインし、撮影が進行している。このたび、同作の制作統括・橋爪國臣氏が取材に応じ、撮影現場の様子と高石の魅力について語った。

　本作は、松江の没落士族の娘で、小泉八雲（ラフカディオ・ハーン）の妻・小泉セツをモデルとして、大胆に再構成するオリジナルストーリー。ヒロインの高石演じる松野トキが外国人の夫と共に、怪談を愛し、急速に西洋化が進む明治の日本の中で埋もれてきた名も無き人々の心に光をあて、代弁者として語り紡いだ夫婦の物語をフィクションとして描く。脚本はふじきみつ彦氏が担当する。

　現在は大阪のスタジオで高石のほか、トキの少女期を演じる福地美晴、岡部たかし（トキの父・司之介役）、池脇千鶴（母・フミ役）、小日向文世（祖父・勘右衛門役）といったキャストと共に順調に撮影中だという。

　橋爪氏は「素晴らしいキャストの皆さんに集まっていただいて、正直、私が今まで見た朝ドラの中で一番、熱がこもった現場になっているのではないかなと思っています」と撮影の様子を明かし、「高石さんも力を遺憾なく発揮していますし、ほかの家族のキャストの皆さんもいつまでも見ていたいと思うような素晴らしいお芝居をされています」と手応えを口にした。

　ヒロインを務める高石も今月2日に京都市内ロケでクランクイン。オーディションで2892人の中から選んだ22歳について、橋爪氏は「委縮することもなくて、思っていた通りの彼女の良さが発揮されている」と、ベテランの俳優陣とも堂々と渡り合う演技をしていると称賛した。

　そんな高石の魅力は「自然体」の演技だとして、「高石さんは（主演を務めた）映画『ベイビーわるきゅーれ』でもそうでしたけど、本当に“そこにいる女の子”を自然に演じることができる素晴らしい方だと思っていて、今回のドラマでもそういった部分が出てきています。セリフを言っているように聞こえないんですよね。セリフじゃなくて、本番じゃない場所でしゃべっているんじゃないかと思うほどです」と説明する。

　続けて、「この間の撮影で、普通に会話をするシーンが始まった時に、高石さんがあまりにも自然で、それが演技なのか演技じゃないのか分からず、演技じゃないと思ったスタッフが途中で止めてしまったことがありました。それほどリアルなんですよ。芝居をやっているように見えない自然なところが『すげえな～』って思いますし、ふじきさんの脚本を体現できるのは彼女だったなと思っています。彼女に助けられていることが多いです」と撮影中のハプニングも紹介しつつ、高石への感謝を述べた。

※高石あかりの「高」の正式表記ははしごだか