個人資産300億円!にしたんクリニック社長がフジ関連『TOKYO IDOL FESTIVAL』開催を勧めた理由「アイドルの存在意義は」

フジテレビが関連する音楽イベント『TOKYO IDOL FESTIVAL2025 supported by にしたんクリニック』(TIF)の開催が9日、公式サイトなどで正式発表された。2010年から始まったアイドルフェス最高峰。昨年のTIF最終日に「2025年も開催決定!」を発表し、同12月6日、「東京・台場周辺で8月1日から3日に開催」と発表されていたが、その後に表面化した中居正広氏・フジテレビ問題によって、同局が関わるイベント・行事が続々と中止。「TIF開催も難しい」と見られていたが、特別協賛・にしたんクリニックは早くから「TIFはやるべき」と同局に伝えていた。その理由を同クリニックなどを運営するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長に聞いた。

『TIF』開催決定で取材を受ける西村誠司氏【写真:増田美咲】
『TIF』開催決定で取材を受ける西村誠司氏【写真:増田美咲】

一連の問題で中止相次ぐも…4年連続の特別協賛で決定

 フジテレビが関連する音楽イベント『TOKYO IDOL FESTIVAL2025 supported by にしたんクリニック』(TIF)の開催が9日、公式サイトなどで正式発表された。2010年から始まったアイドルフェス最高峰。昨年のTIF最終日に「2025年も開催決定!」を発表し、同12月6日、「東京・台場周辺で8月1日から3日に開催」と発表されていたが、その後に表面化した中居正広氏・フジテレビ問題によって、同局が関わるイベント・行事が続々と中止。「TIF開催も難しい」と見られていたが、特別協賛・にしたんクリニックは早くから「TIFはやるべき」と同局に伝えていた。その理由を同クリニックなどを運営するエクスコムグローバル株式会社の西村誠司社長に聞いた。(取材・文=柳田通斉)

 TIF開催の正式決定を受け、西村社長は言った。

「私は1月の時点で『TIFはやるべきイベントです。特別協賛を続けます』とフジテレビさんに伝えていました」

 昨年12月末、中居正広氏・フジテレビ問題が表面化した。今年1月17日には、フジテレビが記者クラブ加盟社のみの「閉鎖的会見」を強行したことで同局への批判が高まり、CMの放送見合わせ、スポンサー離れが相次いだ。そして、同局が関わる日本大相撲トーナメントの放送が取り止めになり、国内女子ゴルフツアー・フジサンケイレディスクラシックは中止。他のイベントも中止が相次いだ。その流れで、アイドルファンの間でも「TIFの開催も難しいだろう。イメージ的にスポンサーもつかないだろうし」などの声が上がっていた。だが、西村氏の考えは一貫して「TIFはやるべき」だった。

「TIFには出たいと思っているアイドルたちがたくさんいます。その人たちを応援するファン、この特別なイベントを楽しみにしている人たちも大勢います。それを局側の事情で『開催できない』はないと思ってきました。今回の問題は、第三者委員会の報告書によってフジテレビ経営トップ陣の判断ミスであることが明白になりましたが、僕は熱意のある番組制作や報道現場の方々と接してきました。TIF開催に向けて汗をかいている人々も見てきました。だからこそ、こういう状況でも『意義のあることはやるべき』という考えでいます」

 西村氏の言葉通り、15周年を迎えるTIFは「特別なイベント」になっている。2010年に女性アイドルグループを中心に初開催。一つの会場に50組以上が集った初のアイドルイベントとして注目され、3年目の12年は111組732人と100組を超えた。16年には300組超、コロナ禍の20年はオンライン開催となったが、21年以降も200組前後のアイドルが参加している。坂道、48らの有名グループだけでなく、ローカルグループも多数出演。出演権を懸けた「予選会」も開催されており、TIF=「アイドルの甲子園大会」の様相になっている。

 今や個人資産300億円の西村氏とアイドルの接点は、AKB48の派生ユニットで柏木由紀、倉持明日香、高城亜樹の3人によるフレンチ・キスがきっかけだった。当時、エクスコムグローバルが、3人が所属するワタナベエンターテインメントと「イモトのWiFi」を開発。その縁で、同社はテレビ東京系『フレンチ・キスのキス旅』をスポンサードしていた。その後も、西村氏は同事務所のアイドルグループが成長していく姿を見守ってきた。

『TOKYO IDOL FESTIVAL2025 supported by にしたんクリニック』の開催が発表された
『TOKYO IDOL FESTIVAL2025 supported by にしたんクリニック』の開催が発表された

きっかけは「フレンチ・キス」

「初めて行ったフレンチ・キスのコンサートで、ファンの方々のすごくいい笑顔が印象に残りました。生活する中で嫌なことがあっても、好きなアイドルのライブを励みにすることで頑張れる。会場では全てを忘れて楽しんでいる。私は『アイドルの社会的な存在意義は高い』と実感しました。その後もオーディションで誕生した男性グループが、観客10人程度のリリースイベントから、ライブハウス、アリーナと会場を大きくしていく経過、ファンとともに成長する姿を見てきました。だからこそ、コロナのダメージを受けていたTIFの特別協賛をすることを決めました」

 そして、TIFの現場に足を運び、心に残ったのは初出演を果たしたグループの姿だったという。

「真夏の暑い日に、念願がかなってTIFのステージに立った晴れ晴れしい姿を見て、私もうれしくなりました。にしたんクリニックが特別協賛をしていることを知り、結成間もないグループのメンバーが『私たちもTIFを目指しています』を言ってくれる。TIFがそういう位置付けになっていることも感じました」

 だからこそ、特別協賛の継続を決断。今年もTIFは、『TOKYO IDOL FESTIVAL2025 supported by にしたんクリニック』として開催される。真夏の3日間。アイドルとファンの代え難い思い出が、再び心に刻まれていく。

□西村誠司(にしむら・せいじ) 1970年5月20日、愛知・名古屋市生まれ。生活保護を受ける家庭で育ち、中学時代には新聞配達のアルバイトを経験。名古屋市立大経済学部を卒業後、93年4月、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)へ入社、2年後の95年には現在の会社を起業。海外用レンタル携帯電話事業を開始し、19年のにしたんクリニックの立ち上げを皮切りに、20年のPCR検査事業、22年の不妊治療専門・にしたんARTクリニックなどを展開。 飲食店事業も手掛けている。昨夏、総額30億円の自宅が都内に完成。TikTokでは「個人資産300億円」と記している。

次のページへ (2/2) 【写真】入社式も行われた西村誠司氏の30億円豪邸
1 2
あなたの“気になる”を教えてください