レトロリロン、思い出の地でツアーファイナル メジャーデビュー発表で会場熱狂
4人組ロックバンド・レトロリロンが6日、ワンマンツアーファイナルを東京・六本木EX THEATERで開催した。アンコールでは同日にユニバーサルミュージックからメジャーデビューしたことが発表された。

全国7か所9公演からなるワンマンツアーファイナル
4人組ロックバンド・レトロリロンが6日、ワンマンツアーファイナルを東京・六本木EX THEATERで開催した。アンコールでは同日にユニバーサルミュージックからメジャーデビューしたことが発表された。
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3rdEP『アナザーダイバーシティ』を携えた全国7か所9公演からなるワンマンツアーファイナルを開催した。1700人というバンド史上最大キャパを完売させ、今の勢いを裏付ける4人の音楽性とキャラクターを全方位に見せるライブになった。
バンドと同世代の20代をはじめ幅広い世代のオーディエンスで埋め尽くされたフロア。暗転とともにオリジナルSEに乗って、永山タイキ(Dr)、飯沼一暁(Ba)、miri(Key)が順番に登場。最後に少し遅れて涼音(Vo&A.Gt)が現れると、歓声と拍手はさらに大きくなった。
『ワンタイムエピローグ』で初っ端から一体感を作り出すと、『DND』『Restart?』と続けざまに披露した。涼音の短いあいさつから、軽快なピアノリフが引っ張る『カテゴライズ』へ。曲間には飯沼とmiriのソロも挟み『カウントダウン・ラグ』へ。そして、miriのカオティックなピアノソロのイントロがライブアレンジの面白さを体感させた『独歩』。アウトロの永山のドラムソロから、長めのインストセッションを展開し、次の『たださよなら、命燃え尽きるまで』をドラマチックに届けた。
その後は一転して、ネオソウルなビートの『Document』を披露。ステージが暗転する中、さまざまなものが運び込まれ、明転するとまるで部屋のようにベッドやフロアランプなどがセットされている。
ベッドに腰掛けた涼音が、ツアーファイナルをEX THEATERで行った理由についてを話し始めた。初めて自分の意思で足を運んだのがこの場所で行われたあるアーティストのライブだったとのこと。そして、そのアーティストのマネジャーが現在のレトロリロンのマネジャーでもあることを明かした。さまざまな偶然で3人に出会い、音楽を作っていることに感謝しつつ、決して仲が良いだけのバンドではないとも発言した。
「誰も寄せ付けず、人を受け付けなかった頃に書いた曲」と、昔を振り返るように曲紹介した『救いのない日々よ』は、シンガー・ソングライター涼音の軸が見えるようなパフォーマンスとなった。涼音抜きの3人でのゆるいMCタイムでは、飯沼発案のゲームが観客を巻き込んで展開された。
「“い”から始まる大きなもの」というお題に、miriの“陰謀”に笑いが、涼音の“生きがい”には感心したようなリアクションが起こる。フロアがほぐれたところで、ポップな『ヘッドライナー』披露した。ハンドマイクでステージを大きく使う涼音は『焦動』で、ドラムの後ろも回って“駆け巡る衝動”を体で表現。永山のドラミングが曲をドライブ『きれいなもの』へとノンストップで終盤に向かっていった。
本編ラスト2曲を前に、涼音は念願だったステージに立った感慨を話すが、相変わらず、音楽が自分の人生にとって何なのかは分からないという。分からないからこそ、曲を書き続け、バンドで演奏し続けるのだろう。「何のために生きているのかなんて、みんなも分からないでしょう?」。いろんな世代のファンがうなずいたこの場面にレトロリロンが支持されている最大の理由なのかもしれない。
その後、君に会ってしまったら甘えてしまうと逡巡する『深夜6時』の胸がぎゅっとする歌にフロアが集中したあとは、これまで「みんな友だちになりませんか?」の呼びかけがおなじみだった『TOMODACHI』の曲フリが「みんな友だちだからな。どう? 親友になりませんか?」に“深化”。自由にクラップしたり、体を動かして楽しむフロアとそのエネルギーをパワーに変えて、メンバー4人の演奏もグルーブを増していった。
アンコールでは、『夢を見る』に続き、この日最後の曲となった『アンバランスブレンド』のアウトロで、涼音が「みんなに最後、ひとつだけ。レトロリロン、今日、メジャーデビューします! これからもどうぞよろしく」と発表。演奏とどよめきがひとつになり、桜のようなピンクの紙吹雪がフロアに舞い踊った。これからのレトロリロンを期待させる一夜となった。
◯セットリスト
1.ワンタイムエピローグ
2.DND
3.Restart?
4.カテゴライズ
5.カウントダウン・ラグ
6.独歩
7.たださよなら、命燃え尽きるまで
8.Document
9.救いのない日々よ
10.ヘッドライナー
11.焦動
12.きれいなもの
13.深夜6時
14.TOMODACHI
<アンコール>
1.夢を見る
2.アンバランスブレンド
