高橋一生が連続ドラマW作品で初主演 特別捜査班の班長役「とにかく密度が高い撮影でした」

クライムサスペンス『渚の螢火』(双葉文庫刊)が『連続ドラマW 1972 渚の螢火』としてWOWOWでドラマ化されることが8日に発表され、俳優の高橋一生が主演を務めることが分かった。新鋭小説家・坂上泉氏の作品が映像化されるのは今回が初となる。

『連続ドラマW 1972 渚の螢火』で主演を務める高橋一生
『連続ドラマW 1972 渚の螢火』で主演を務める高橋一生

『連続ドラマW 1972 渚の螢火』としてドラマ化

 クライムサスペンス『渚の螢火』(双葉文庫刊)が『連続ドラマW 1972 渚の螢火』としてWOWOWでドラマ化されることが8日に発表され、俳優の高橋一生が主演を務めることが分かった。新鋭小説家・坂上泉氏の作品が映像化されるのは今回が初となる。

 舞台は1972年、沖縄。本土復帰が目前に迫る中、現金を輸送していた銀行の車両が何者かに襲撃され、100万ドルが強奪される事件が発生する。捜査に当たる特別捜査班の班長・真栄田太一を演じるのが高橋だ。

 真栄田は石垣島出身、さらに東京の大学に進学し琉球警察に入署したエリート。沖縄の出身でありながら、地元の署員からは「ないちゃー(本土の人間)」と揶揄され、真栄田は自分が何者なのかアイデンティティーを問い続ける。本作で高橋は、連続ドラマW作品で初主演を飾る。

 監督は『愛を乞うひと』(1998年)、『閉鎖病棟 -それぞれの朝-』(2019年)でメガホンを取り、高橋とは『よい子と遊ぼう』(1994年)、『連続ドラマW ヒトリシズカ』(2012年)以来、3度目のタッグとなる平山秀幸氏。迫り来るタイムリミットと予測不能な展開。強奪事件は地元ギャングの犯行と目されたが、その背後にはアメリカ政府の思惑が見え隠れする。琉球警察、最後の任務。沖縄の未来を懸けた戦いが始まる。

○高橋一生コメント

――オファーがあった際の印象、脚本に関して。

「本作のお話をいただいた時に、実話ベースの物語でも娯楽作品として作り上げることはできるのではないかと感じました。僕は、フィクションは徹底してエンタテイメントであるべきだと常々思っているのですが、ただ楽しめるということだけではなく、その物語が深く見ている人にしみ込んでいくということは可能なんじゃないかなと、望みを見出していました。本作に描かれているのは、忘れてはいけないこと、残していかなければならない歴史的背景だと思います。お芝居を通して、自分自身がこの歴史を学び直すきっかけになりました」

――撮影を終えて感じたこと、真栄田のキャラクターに関して。

「とにかく密度が高い撮影でした。毎日時間が溶けていくようだと感じていました。気づいたら、『こんなに撮っていたっけ?』という感じで、とても充実していたと思います。僕が演じる真栄田は、自分がどこで生まれ、自分がどのように社会や風土になじんでいくのか、自分はどうあるべきか、とアイデンティティーを問い続けているキャラクターです。

 撮影を終えて、本作に携わる皆さんが僕の真栄田というキャラクターを形作ってくれたと実感しています。共演者の皆さん、平山監督をはじめ、スタッフの皆さんが僕を真栄田として見てくださってとても助かりました。そして、真栄田が所属する本土復帰特別対策室を語るうえで欠かせない存在が、真栄田と双璧をなす刑事・与那覇です。二人は同い年で、真栄田が入重山諸島出身であるのに対し、与那覇は沖縄本島出身。真栄田も熱いが、彼も熱い男で、二人はぶつかり合います。内燃している器官は一緒だけれど、出力の仕方が違うという差異を上手く出せたと思いますので、是非2人の掛け合いにも注目していただければと思います」

――視聴者の皆さまへのメッセージ。

「歴史的背景がわからないという方にもクライムサスペンスとして楽しんでいただくことができる作品だと思います。そして、自分がどこで生まれたかによってその人の人生が最初から決まってしまいかねないレールが存在している、ということにも着目していただきたいです。それぞれのキャラクターが浮き立って見えると思います。

 僕は、本作に登場するキャラクターに悪人はおらず、社会に捻じ曲げられてしまった人々の物語として捉えています。どの人物もそうなってしまった理由があり、純粋悪ではなく、風土、国の背景、出自の違いなどで、こんなにも変わってしまうのかということを本作は問いている。そういった点も感じて頂ければと思います」

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