岩井俊二監督、昨年11月に中山美穂さんと連絡「一緒に小樽巡りしようと話していた」
岩井俊二監督が4日、都内で行われた公開30周年記念『Love Letter 4K リマスター』公開初日舞台あいさつに、豊川悦司、酒井美紀と共に登壇し、中山美穂さんへの思いを吐露した。

『Love Letter』は公開30周年記念
岩井俊二監督が4日、都内で行われた公開30周年記念『Love Letter 4K リマスター』公開初日舞台あいさつに、豊川悦司、酒井美紀と共に登壇し、中山美穂さんへの思いを吐露した。
映画『Love Letter』は、1995年3月25日に封切られた岩井俊二監督長編映画デビュー作品。中山美穂さんが一人二役を演じ、豊川悦司、酒井美紀、柏原崇ら豪華キャストが、岩井監督の美しい映像美に映え、聖地巡礼の先駆けとなる小樽でのロケーションなどが話題を呼び、日本だけではなく、韓国・台湾などでも多くのファンがいる、恋愛映画の金字塔として世界中で愛され続けている作品だ。
岩井監督は「年末に中山美穂さんが天国に行ってしまいました。急なことで大きな衝撃を受け、いまだに受け止め切れない感じがあります」と昨年12月に急逝した本作の主演・中山美穂さんへの正直な胸の内を明かすと「その後、本作を4Kリマスター上映しようという動きが活発になり、ようやく今日を迎えることができました。僕もなかなか映画を直視することが苦しかったのですが、美穂ちゃんに喜んでほしかったので頑張りました」と思いを吐露する。
公開から30年経ったいま、映画館の大スクリーンで映画が再度上映された。岩井監督は「僕にとっては初となる長編映画。もしこの映画が失敗したら、もう映画の仕事は来ないだろうなというプレッシャーがあったんです」と大きな緊張の中での撮影だったという。
しかし、ふたを開けると映画は大きな広がりを見せた。岩井監督は「日本だけではなく、アジア各国の方がこの作品と出会ってくださった。昨年香港に撮影に行った時、いまだに映画を上映してくれていて、街にポスターも貼ってあったんです」と映画を支持してくれる人への感謝を述べると「美穂ちゃんにも『30周年になる2025年に何かやりたいね』と11月に連絡を取ったんです。今年は美穂ちゃんも芸能生活40周年を迎える年で、一緒に小樽巡りなど、何やれたらいいねと話していた矢先だったので、本当に残念です」と神妙な面持ちで語っていた。
それでも岩井監督は「生前、僕も美穂ちゃんも30年間、いろいろなところでファンの方からメッセージをいただいてきて『Love Letter』という船にみんなで一緒に乗っていたような不思議な体験をさせてもらえた作品でした。美穂ちゃんは亡くなってしまったのですが、この縁はまだまだ続く気がしていて、細い糸が僕らと天国の美穂ちゃんを繋いでくれていると思っています」と固い絆で結ばれていることを強調していた。
