中谷美紀、オペラの未来を思い涙ぐむ「命をかけて歌っている」 日本とオーストリアの2拠点生活

俳優の中谷美紀が4日、都内で行われたウィーン国立歌劇場2025年日本公演公式アンバサダー就任記者会見に出席した。

会見に出席した中谷美紀【写真:ENCOUNT編集部】
会見に出席した中谷美紀【写真:ENCOUNT編集部】

ウィーン国立歌劇場2025年日本公演公式アンバサダーに就任

 俳優の中谷美紀が4日、都内で行われたウィーン国立歌劇場2025年日本公演公式アンバサダー就任記者会見に出席した。

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 中谷は、18年にドイツ出身でウィーン国立歌劇場管弦楽団とウィーン・フィルハーモニー管弦楽団でビオラ奏者を務めるティロ・フェヒナー氏と結婚。その後、オーストリアと日本を拠点に活動を行い、自身もコンサートへの出演やSNS、文筆活動をとおしてクラシック音楽や舞台芸術の魅力について積極的に発信している。

 そんな中谷が、ウィーン国立歌劇場2025年日本公演公式アンバサダーに就任。中谷は「ウィーン市民にとって日常を忘れさせてくれる心のよりどころであり、時代を映す鏡であるウィーン国立歌劇場は最高のエンターテインメントです。そんな歌劇場のオペラをお伝えする役目をいただき大変光栄です」と笑顔であいさつ。

 経歴を考えて、ウィーン国立歌劇場2025年日本公演の公式アンバサダーとして「適任」と主催者から託された中谷。しかし、自身は「私も素人なんです」と切り出すと「子どものころから音楽、クラシックは大好きでしたが、音楽を体系的に学んだことはないですし、ピアノも5年程度で投げ出してしまったぐらい。そんな私でもオペラを楽しむことができます。オペラは難しいものと捉えている方がいるかもしれませんが、気軽に足を運んでいただけるものなんです」と語る。

 本公演ではモーツァルトの『フィガロの結婚』、シュトラウスの『ばらの騎士』が上演される。中谷は「どちらも、いい意味でバカバカしい、愚にもつかないコメディー。それでありながら人間のありさま、本質をありありと描いている姿にハッとさせられるんです」と決して敷居の高い作品でないことを強調すると「一素人、一オペラファンとして、作品の魅力を伝えていきたいです」とアンバサダーとしての意気込みを語った。

 一方で中谷は、「本当に皮肉なことなのですが、オペラも時代遅れなものといわれることがあります。マリア・カラスが『オペラは死んだ』と述べたこともありました。でもだからこそ、失われていくものを、まだまだあともう少し……と踏ん張ってくださる人がいると思うんです」と語る。

 さらに中谷は「AIに取って代わられてしまうかもしれませんが、生の歌声はまるでオリンピックのよう。私はオペラのことを、勝敗のないオリンピックと呼んでいるのですが、人間の極限の声、いつ失われるかもしれない、そんな恐怖も見えながら歌手の皆さまは舞台に立たれます。それを思い出しただけでも泣きそうになっちゃうんです」とオペラの未来に思いを馳せ涙ぐむと「命をかけて歌ってらっしゃる皆さまの歌声をぜひご覧いただきたいです」と熱い思いを語っていた。

 会見には、公益財団法人日本舞台美術振興会・専務理事の高橋典夫氏も参加した。

次のページへ (2/2) 【写真】中谷美紀の全身ショット
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