朝ドラ初ヒロイン抜擢の22歳・高石あかりはアクションもこなす実力派 殺し屋役で脚光「アクションへのリスペクトが強すぎて」
NHK連続テレビ小説『ばけばけ』(秋放送)のヒロインに決定し、注目を集めるのが、若手俳優の高石あかりだ。アクション映画『ゴーストキラー』(4月11日公開、園村健介監督)では、単独初主演を務めた。代表作の『ベイビーわるきゅーれ』に続くアクション挑戦となる。

アクション映画『ゴーストキラー』で単独初主演の高石あかりインタビュー
NHK連続テレビ小説『ばけばけ』(秋放送)のヒロインに決定し、注目を集めるのが、若手俳優の高石あかりだ。アクション映画『ゴーストキラー』(4月11日公開、園村健介監督)では、単独初主演を務めた。代表作の『ベイビーわるきゅーれ』に続くアクション挑戦となる。(取材・文=平辻哲也)
「アクションに対するリスペクトが強すぎて、『アクション俳優です』とは一生名乗れないかもしれません」と話す高石。2019年から本格的に俳優活動を始め、今年は映画単独初主演、『ばけばけ』での朝ドラ初ヒロインと飛躍の年となる。
高石が大切にしてきたのは人との縁。この単独主演映画も、2021年に福士誠治主演のアクション映画『ある用務員』(阪元裕吾監督)で殺し屋役を演じたことがきっかけだった。
プロデューサーが編集中の映像で、高石とスタントウーマン出身の伊澤彩織のシーンを観て2人の魅力を感じ、殺し屋の設定で制作されたのが『ベイビーわるきゅーれ』の第1作(2021年)。その後、映画2本が制作され、24年9月期にはテレビ東京系で連続ドラマ化された。『ゴーストキラー』は阪元氏が脚本を手がけ、アクション監督を担当していた園村氏がメガホンを取った。
「とてもありがたいご縁ばかりで、自分がこの関係を大切にしていかなければと思います」
本作は、殺し屋の幽霊(三元雅芸)に取り憑かれた女子大生・ふみか(高石)が悪の組織に立ち向かう物語。『ベイビーわるきゅーれ』での経験が本作でも生かされている。特に、スタントウーマン出身で現在は女優としても活動する伊澤彩織には刺激を受けた。
「伊澤さんのアクションを近くで見て、技術だけでなく、そのエネルギーもたくさん受け取ってきました。ほかにも、スタントの方々にもずっと助けられていますし、今回の『ゴーストキラー』でも改めて尊敬の気持ちが強まりました。実際に隣で本物のアクション俳優を見てきたからこそ、その凄さを痛感しています。今回は隣に誰かがいるわけではなく、心の中に工藤(幽霊の殺し屋)を抱えながら、一人で向き合う感覚でした」
ただ、何度も組んでいる制作陣との再タッグということで、主演でも気負いなく演じることができたという。
「撮影中はあまり深く考えず、『主演だから何かを背負わなければ』とは思いませんでした。全員が強い気持ちを持って撮影に臨んでいたので、誰か一人が背負うという感覚はありませんでした。監督やスタッフ、キャストの皆さんが考えさせずにいさせてくれる環境を作ってくれたおかげです。これからは(朝ドラの撮影が始まり)環境は変わっていくと思いますが、人との縁を大事にしながら、変わらず頑張りたいです」
3月から撮影が始まる『ばけばけ』は、『怪談』などで知られる作家・小泉八雲ことラフカディオ・ハーンの妻・小泉セツをモデルにしたオリジナルストーリー。1860年代の松江を舞台に、上級武士の父が事業に失敗し、貧しい暮らしを送っていた主人公の松野トキ(高石)が、外国人のヘブン(トミー・バストウ)との出会いをきっかけに人生を一変させていく。
「現在は東京で兄と母と3人で暮らしていますが、住まいも決まり、撮影スタジオのある大阪に一人で移る予定です」

気分転換は料理「自分のためにお弁当にすることが多いです」
『ばけばけ』での主演決定後も、MBSドラマ『アポロの歌』でのW主演やTBS『御上先生』のレギュラー出演など、途切れることなく俳優活動を続けている。リフレッシュのために行っているのは料理だという。
「朝起きて作ることもあり、リセットできる時間になっています。和食が多いですが、冷蔵庫の食材を使って消費できる料理を作ることが多いので、特にこれといった得意料理はありません。健康第一なので、バランスの良い食事を心がけています。家族に作ることよりも、自分のためにお弁当にすることが多いです」
長期撮影に備えて、運動も欠かせない。
「体の巡りが良くなり、健康に近づいていると感じます。体力勝負なので、健康には気をつけています。周りから『朝ドラは大変だよ』と言われますが、私はワクワクしかないです。どんなにハードな現場でも、最後には『楽しかった』と思えることが大事だと考えています」。アクションの現場で鍛えた身体能力、体力も大きな武器になりそうだ。
□高石あかり(たかいし・あかり)2002年12月19日生まれ、宮崎県出身。19年より俳優活動を本格的にスタート。20年に映画『ベイビーわるきゅーれ』で主演を務め話題となり、映画『ベイビーわるきゅーれ』シリーズ、映画『わたしの幸せな結婚』などの演技が評価され、23年第15回TAMA映画賞の最優秀新進女優賞を受賞。近年の主な出演作品には、アニメ映画『きみの色』(24/監督:山田尚子)、映画『新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる』(24/監督:小林啓一)、『ベイビーわるきゅーれ』シリーズ(21~24/監督:阪元裕吾)、『スマホを落としただけなのに~最終章~ファイナルハッキングゲーム』(24/監督:中田秀夫)、『私にふさわしいホテル』(24/監督:堤幸彦)などがある。25年1月期日曜劇場『御上先生』(TBS)、『アポロの歌』(MBS/TBS)にレギュラー出演、映画『夏の砂の上』(7/4)の公開を控えるほか、秋放送予定のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』(NHK)でのヒロイン役が決定している。
※高石あかりの「高」の正式表記ははしごだか
