一発勝負の歌謡ショー『ミスタートロット ジャパン』（水曜午後9時）の第7回が、映像配信サービス『Lemino（レミノ）』で2日に配信された。今回は本選二次・1対1デスマッチ対決の第5試合、第6試合が放送された。

　同番組は、韓国で社会現象を巻き起こした大人気歌謡オーディション番組の日本版。番組MCをフットボールアワーの後藤輝基、レジェンドマスターを細川たかしが務める。トロットとは、韓国で演歌や懐かしの歌謡曲にあたる音楽ジャンル。『ミスタートロット ジャパン』は、全世界から選ばれた男性ボーカリスト74人が初代Mr.TROT（ミスタートロット）の座をかけオーディションに挑む。

　本選一次を通過し二次に進んだ16人が行うのは、準決勝をかけた1対1のデスマッチ。16人を2人ずつに分け、8組の対戦カードを作る。対戦する2人はステージで順番に歌唱。審査員（マスター）は2人の歌を聞き比べ、「どちらが心を打つパフォーマンスだったか」を決定。より多くの票を集めた者が勝利となり、準決勝に進出する。

　本選二次のマスターは予選から引き続き細川たかし、高橋洋子、椿鬼奴、予選で審査員を務めたNON STYLE・井上裕介、本選一次で審査員を務めたクリスタル・ケイが務めるほか、二次からは大友康平、岡本知高、MINMI、IKKO、霜降り明星・せいや、『ミスタートロット2-新たな伝説の始まり』でグランプリを獲得したアン・ソンフンが参加する。

　今回行われた第5試合では、予選のチーム「シンガー」で圧倒的歌唱力を見せつけオールハートを獲得した風水ノ里恒彦と、篠笛と演歌が得意なチーム「社会人」の辻大貴が対決した。

　ロングヘアの着物姿に妖艶なメイクをほどこし、「日本舞踊を通して歌の世界を演じる」というオリジナルジャンル・“舞踊語り歌手”を確立した風水ノ里は、歌声とパフォーマンスのインパクトの強さから、出場者の中でも目立つ存在に。今回は『ミスタートロット ジャパン』を通して芽生えた仲間への友情を愛ととらえ、THE ALFEEの『星空のディスタンス』に思いをのせた。予選や本選一次とはまた違う力強い歌声を聞かせ、早着替えの衣装チェンジも行い、会場を圧倒した。一方の辻は、予選でアカペラの歌声を褒められたことから、篠笛を封印して歌唱力で勝負することに。普段は薬剤師として働きながら練習に励み、本番ではテレサ・テン『別れの予感』で美しい高音を響かせた。

　結果は10：1と風水ノ里が圧勝。高橋は「圧倒的という感じですね。出てきた時の一声で引きつけるものがあった。辻さんは音域のセレクトがちょっと気になりました。ベストという感じに聞こえなかった」と講評。大友は「歌は、最初の4小節が大事。最初に激しい風ですっかり持って行ってしまった」と風水ノ里を称賛した。

　続く第6試合では、予選のチーム「スチューデント」でオールハートを獲得した藤井大翔と、チーム「KOREA」から勝ち抜き、日本で3度のデビュー経験があるジュノが対決。どちらも美しい歌声を評価されてきた。藤井は自身の歌への強い願いをのせた赤い鳥の『翼をください』をシンプルにていねいに歌いあげ、審査員を感動させた。ジュノは24年7月に亡くなった従兄弟への思いを、小田和正の『たしかなこと』にのせて熱唱した。

　熱い思いのこもった両曲に審査員も頭を抱えたが、結果は8：3でジュノが勝利。アン・ソンフンは「ジュノさんは、14年間の歌手活動の底力を見た。歌声もすばらしく安定していたし、セクシーだった」と絶賛。大友は「どちらも、1番が終わった瞬間に拍手していた。でも10年の（経験の）差があった。ジュノさんは悲しみを知っている。藤井さんは純真無垢」と両者を評価。「ジュノさんはブルースを聞いているみたいで、『たしかなこと』は小田さんの曲のイメージがあるけれど、全然違う曲になっていました。ここまでエモーショナルに展開できるのか」と感動を伝えた。

○本選二次デスマッチ結果
・風水ノ里恒彦 VS 辻大貴（勝者：風水ノ里）
・藤井大翔 VS ジュノ（勝者：ジュノ）

○第7回放送後の残りのデスマッチ対戦相手
・島憂樹 VS しいたか。
・具島勇心 VS 飯田俊樹