50歳・ふかわりょう、ポジティブ思考に変化したワケ 転機は12年半出演した帯番組の終了

芸歴30周年イヤーを迎えた“ROCKETMAN”ことふかわりょうが4月9日に配信シングル『no worries』をリリースした。敬愛する音楽家・小西康陽と“再タッグ”を組み、俳優・のんを迎えた同曲は、ふかわにとっても大きな意味を持つ1曲となった。50歳を迎えた今、この先のビジョンをどのように描いているのだろうか。レコーディング直後のふかわに話を聞いた。

小西康陽・のんとのコラボ曲をリリースするふかわりょう【写真:藤岡雅樹】
小西康陽・のんとのコラボ曲をリリースするふかわりょう【写真:藤岡雅樹】

芸人に音楽…多彩な活動も「源流は1つ」

 芸歴30周年イヤーを迎えた“ROCKETMAN”ことふかわりょうが4月9日に配信シングル『no worries』をリリースした。敬愛する音楽家・小西康陽と“再タッグ”を組み、俳優・のんを迎えた同曲は、ふかわにとっても大きな意味を持つ1曲となった。50歳を迎えた今、この先のビジョンをどのように描いているのだろうか。レコーディング直後のふかわに話を聞いた。(取材・文=中村彰洋)

 ROCKETMANとして、楽曲制作や各地のライブハウスでDJを行うなど、音楽活動にも力を注いできたふかわ。そのきっかけとなったのが、今曲で再タッグを組む小西との出会いだった。ふかわが小西にリクエストする形で1998年にロケットマンというユニットを結成。当時は音楽とコントを共存させるといったコンセプトで活動していた。2000年からは、小西がユニットを離れ、ふかわソロのROCKETMANとして形を変えながら現在に至る。

「天才と思う人物は?」と聞かれたら「小西康陽」の名前が1番に出てくるほどにふかわにとって大きな存在だ。「30年という節目に、これからの活動のエネルギーになるような曲を作りたいと考えた時、『ここでまた小西さんと共同作業ができたらすてきだな』と思いました。このタイミングで曲をまた一緒に作れるということは、感慨深いですね」。

 27年前と同様にふかわからのラブコールで今回も実現した。「小西さんが回しているクラブイベントに、ダメ元でとにかく会いにいこうと約束も取らずに行きました。そしたら、その場でお話を聞いてもらえ、無事に今日を迎えることができました。あの時に勇気を出して、飛び込んでよかったです」。

「デモを聞いていただいた時に、『もう僕のアレンジいらないよ』という言葉をくださいました。僕にとっての師匠にそのように言っていただけたことは本当にうれしかったです」と喜びをかみしめる。

 20歳の誕生日にお笑い芸人としての道を選択してからはや30年。今では音楽活動のみならず、コメンテーターや作家と幅広い活動を行っている。

「両立しているという感覚はないです。お笑いもリズム感が大事ですし、どの活動も地続きになっていて、切り離せないものになっています。どういう表現手段にするかを考えることはありますが、その根底は一緒です。テレビで伝えられること、ラジオで伝えられること、文章で伝えられること、音楽で伝えられること……、それぞれの相性があると思うので、その部分は自然と意識しているかもしれませんが、源流は1つですね」

50歳・芸歴30周年イヤーを振り返ったふかわりょう【写真:藤岡雅樹】
50歳・芸歴30周年イヤーを振り返ったふかわりょう【写真:藤岡雅樹】

アニバーサリーイヤーを精力的に活動も特別な意識は「していなかった」

 この1年は精力的に活動を続けてきたが、特別な意識は「していなかった」と笑う。

「なんとなく、50歳で30周年という数字は頭の中にはありました。周囲の人から『なにかやったほうがいいんじゃない?』と軽い感じで提案してもらったことで、構想が膨らんでいきました」

 今年は「R-1グランプリ2025」に出場。芸歴30周年にして、初の賞レースにも臨んだ。ブレイクが早かったことで、ライブシーンから早く退いてしまった後ろめたさを抱き続けてきたことが挑戦の理由の1つだった。結果は準決勝で敗退となり、惜しくも決勝進出とはならなかったが、貴重な経験だったと振り返る。

「出場したことで、後ろめたさがなくなることはなかったです。でも、いわゆる小さなお笑いライブなどに出るようになって『やっぱりこういうのって貴重な経験だな』と実感できたのは大きかったです」

 もともと、芸人も音楽活動も「おじいちゃんになるまでやりたい」という思いでスタートさせたものだった。

「50歳、30周年を迎えるタイミングで、大海原に出ようという気持ちになれたんです。今回の楽曲にも『帆を広げ飛び出す』というくだりがあるのですが、まさにそういった気持ちです。僕にとって、12年半続いていた帯番組(TOKTO MX『バラいろダンディ』など)が終わったことは大きな出来事でした。でも、『とにかく帆を広げて飛び出そう!』という気持ちでいたら、ポジティブになれました。どんなに不安で希望がなくても、気の持ち方が大事なんだなと身をもって感じています」

「すべてポジティブに受け止めていきます」――。帆を広げて大海原に飛び出したふかわの航海はこの先も続いていく。

□ふかわりょう 1974年8月19日、神奈川県出身。94年、20歳の誕生日お笑い芸人としてデビュー。長髪へアターバン姿での「小心者克服講座」のネタでブレイク。以降、テレビMCやコメンテーターを務めるほか、ROCKETMANとして音楽活動も精力的に行っている。2025年4月9日に小西康陽・のんとのスペシャルコラボ楽曲『no worries』をリリースした。

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