フジの出直し、CMスポンサー離れの今後は? 楽天「再開の予定なし」、ローソン「未定」…社長は「願うばかり」

元タレントの中居正広氏が起こした女性とのトラブルに関連するフジテレビの対応を巡り、第三者委員会が調査結果を、同局と親会社が再発防止策を3月31日に公表した。深刻なスポンサー離れが続いている中で、インターネットサービス大手・楽天はCM見合わせの現状について「再開の予定はございません」と回答するなど、多くの企業側は慎重姿勢が続いている。

フジテレビのスポンサー離れの今後に注目が集まっている【写真:徳原隆元】
フジテレビのスポンサー離れの今後に注目が集まっている【写真:徳原隆元】

国民的アニメ「サザエさん」にも影響

 元タレントの中居正広氏が起こした女性とのトラブルに関連するフジテレビの対応を巡り、第三者委員会が調査結果を、同局と親会社が再発防止策を3月31日に公表した。深刻なスポンサー離れが続いている中で、インターネットサービス大手・楽天はCM見合わせの現状について「再開の予定はございません」と回答するなど、多くの企業側は慎重姿勢が続いている。

 同局と親会社のフジ・メディア・ホールディングス(FMH)が設置した第三者委員会(委員長・竹内朗弁護士)は、3月31日に調査報告書を公表。被害者については、フジテレビに在籍していた女性アナウンサーだと明かした上で、中居氏による女性への「性暴力による被害があり、重大な人権侵害があった」と認定し、業務の延長線上にあったものと指摘した。また、長年にわたってフジテレビとFMHの役員を務めてきた日枝久氏について、「人事を通じて支配している」などとして経営責任に踏み込んだ。

 一連の問題が深刻化した今年1月下旬に、スポンサー企業が相次いで“撤退”を表明。トヨタ自動車グループや株式会社リクルートなど大手企業は、CM差し止めや差し替えの対応を取った。フジの経営に大打撃となっており、人気長寿アニメ『サザエさん』の提供スポンサー表示の減少など、SNSでも関心事になっている。

 第三者委の調査報告で、事態は新たな局面を迎えた。会見から一夜明けた4月1日、楽天グループはフジへのスポンサー状況について、「楽天グループは総合的に判断し、1月20日に同局へのCMをすべて見合わせる決定をしております。現在のところ、再開の予定はございません」と回答した。また、ACジャパンの公共広告に差し替えの対応を行っているコンビニ大手・ローソンは「現状で未定」とのコメントを寄せた。

 他の大手企業担当者は「昨日発表のことなので、検討をしている段階」と言葉少なげに話すなど、上層部を含めた本格的な対応を進めているもようだが、厳しい状況は続きそうだ。

 フジテレビの清水賢治社長は3月27日の時点で、4月以降のスポンサーの継続について「約7割弱が判断保留をしている」ことを説明している。

 31日の会見の場で清水社長は「スポンサーの状況については3月27日の会見からアップデートされた情報を持っていません。あまり変わっていないのではないかと思っています」と言及。今後の見通しについて、「こればかりは私が決めることではありません。広告主が判断できるようフジテレビの改善姿勢、どこまで一生懸命やっているのかを見られるところだと思います。精いっぱい努力していく。その姿勢と結果を見ていただきたい。そう願うばかりです」と語っている。

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